転生0、冒険者ギルド
飴を売って手にしたお金で、宿屋に泊まった俺は安定してお金を稼げる場所を探すべく町の中を探索していた。
………見つけた、冒険者ギルド。
あるかと思って探してみたがやはりあった、少し躊躇しながら建物内に足を踏み入れると、中は想像通りの装いだった。
依頼を受けるための紙が貼ってある大きな木の板が壁には立て掛けてあり、その横にはギルドの職員らしき人が椅子に腰掛けている、そして、残りは酒場のようになっていて、筋骨隆々な男同士が腕相撲で争っていたり、朝から飲んでいる人もいれば、机に地図を広げて作戦らしき物を練っているチームもいた。
俺が入った瞬間はチラリとこちらをみる人もいたが、すぐ興味なさげに自分のやっていたことに戻っていった。
俺はギルドの職員の方に向かって歩いていき、職員に声をかけようとするとその前に職員に
「依頼の申し込みでしょうか?」
と、聞かれた。
「いや…冒険者として、その登録したいのですが…」
その言葉に回りの人達からの好奇の目にさらされる。
おい坊っちゃんそんなひょろい身体で大丈夫なのか、とヤジを飛ばされるが、無視をして本当ですか?と軽く驚く職員にはい、と返事をする。
「……では、名前と年齢の記入を」
紙を渡されたので、日本語で名前を書くと、職員に大陸語でお願いします、といわれた。
「……あの、代筆を頼んでも?」
「わかりました、では名前と年齢を教えてください」
「名前は佐天誠治、年齢は17です」
「サテンセイジさんですか………あぁ、和国の出身ですか、ならセイジサテンさんですね、年齢は…17…っと…はい、これで仮登録は終了しました、サテンさん今3小銀貨持っていますか?」
「あ、はい」
俺は服の内ポケットから3小銀貨を取りだし、職員に渡した。
「それではこのリブルプレートに魔力を込めてください」
「リブルプレート?」
俺は職員から渡されたドッグタグみたいな物を見ながら首をかしげた。
「リブルプレートとは、冒険者としての身分証明みたいな物で、今の状態だとまだ、レベル1の状態ですので、危険な地域にははいることは出来ませんが、依頼を達成したり、ギルドに貢献したりするとレベルが上がっていき、レベルに応じて受けれる依頼が増えたり、レベルが高いと高額で個人に対しての指名依頼などが来るようになります」
リブルプレートに魔法を出した時のように精神を集中させて魔力らしきものを送り込んでみると表には1と、裏にはセイジサテンと堀こまれていた。
「最後に私から冒険者のルールを説明します、まず初めて紹介もなく冒険者の登録を済ませると、冒険者レベル1からスタートします、レベル1の時点では薬草の採取や、害獣の駆除など、の依頼などしか受けられません。
レベルが上がると、危険な地域での固有主の採取や、モンスターの討伐など、危険度が上がっていき、重症や、死の危険も増えていきます。
冒険者が依頼に失敗し、重症を負ったり、死亡しても依頼者や、ギルドに一切の責任を持ちません、しかし例外で、依頼で聞いたモンスターより強いモンスターがいたり、数がかなり多かったりしたときに、それを返り討ちにできれば追加報酬を払いますし、それが原因の怪我にも医療費がでますし、依頼を放棄して逃げても違約金は払わなくてもよろしいです、以上が簡単に説明した冒険者の基本のルールです、詳しく知りたければ、冒険者のルールブックも安く貸し出していますので、良ければ利用していってください」
……な、長かった…しかし死の危険か…
魔法だけで大丈夫だろうか、異世界に来た勢いで冒険者登録をしてしまったが、無理ならあきらめて雇ってくれる場所を探すのも良いかもしれない。
記憶力もあまりよくないし、天才でもない俺には内政チートなんて無理だから…な。
職員は男です