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序
最終話です。
未明の決着の回です。彼女の辿り着く先を見てあげてください。
また、世界が軋みをあげた。
本来、世界は柔軟性に富んでおり、多少の異物は受け入れられる。
だが、それはこの世界にとって、あまりに強大で異質な力だった。
世界は、過剰なその力を排出しようと、『通気孔』を拡げてみる。
だが、折角拡げたそれは、逆に完全に塞がれてしまった。
事態は更に悪くなる。
世界のカタチを変えてしまう力など、あってはならない筈だった。
世界は、また、軋みをあげた。
――まるで、『何か』の断末魔のように……産声のように。