ある見習い魔女と僕
知ってるよ。
知ってるよ。
君が僕に魔法をかけたことを知ってるよ。
何でだよ。
何でだよ。
君は僕から離れたいのかい?
悲しいよ。
悲しいよ。
君は僕の何だったの?
いつも・・・。
いつも・・・。
僕等はいつも一緒にいたじゃないか。
僕がふざけすぎたから?
僕が不真面目だから?
僕が頼りないから?
他に好きな人でもいるの?
いないのに僕から離れたいの?
何故、呪文を唱えたんだ。
何故、僕と彼女を見たんだ。
何故、悲しそうな目をしていたんだ。
君だけで良いのに。
君だけで良いのに。
君だけで良かったのに。
いつからなんだ。
いつからなんだ。
いつから僕がうとましかったの?
君の描いた世界に僕はいないんだね。
なら、離れてあげる。
大好きな君のためだから。
もう、心配しなくても良いよ。
だから、もう、悲しそうな目はしないで。
元気でいてね。
彼女は良い子だと思ったよ。
でも、君の方が良い子だったよ。
僕には君が合っていたよ。
君が全てだった。
行くなよ。
行くなよ。
どこにも行くなよ。
離れていても、僕の目の中にいて・・・。
抱きしめておけば良かった。
もっと近づけば良かった。
あの時泣けば良かった。
君は何故、僕に魔法をかけたの?
君がかけた魔法、全然効かないよ。
何故だか僕には、効かないよ。
でも、かかったふりをしてあげる。
君を自由にしてあげたいから。
僕の真心を君に捧げるよ。
陰で、静かに、君に捧げるよ。
これが僕の愛し方。
これが僕の愛の形。
何故、君は悲しそうなの?
何故、君は辛そうなの?
僕には話したくないんだね。
君は僕が好きだと思っていたよ。
僕は君が大好きだったよ。
何かすれ違ったのかな。
悪いところは直すから、いつでも戻っておいでよ。
彼女はとても良い子だよ。
でも、君にはかなわないんだ。
別に良い子が好きな訳じゃないんだ。
君の悪戯も、
君の悪態も、
君の悪癖も、
そして・・・、君の我儘も、
全部、僕には、必要だった。
全部、僕の宝物だった。
全部、全部、いるんだよ。
全部、全部、大切だった。
愛しい時間を・・・ありがとう。
ずっと側で見守っていく。
だから僕の目の中からフェードアウトしないで。
やり直せるのなら、元に戻りたい。
女々しい男は嫌いかな?
これが、僕なんだ。
これが、本当の僕なんだ。
君は分かっていただろう?
僕の君への恋心を。
君は知っていたはずなのに。
何故、魔法をかけたんだ。
嫌いだよ。
嫌いだよ。
君なんか、もう、嫌いだよ。
どうして僕から大切なものを奪うんだ。
どうして僕から喜びを奪うんだ。
どうして僕から安らぎを奪うんだ。
それは、全部、君なんだよ。
僕は、君が、好きなんだ。
とても離れたくないよ。
僕に魔法をかけないでよ。
魔法はかからなかったけれど、僕の心はズタズタだよ。
僕が、僕で、なくなる。
君を愛した僕でいたいんだ。
君を愛し続ける僕でいたいんだ。
なのに、何故、君は僕から全てを奪うんだ。
愛しているのに。
愛しているのに。
君を愛しているのに。
僕はあの日から、時が止まったままだよ。
何もない時間をさまよっているよ。
君は、僕と、彼女をくっつけてどうしたかったの?
傷つく僕を見たかったの?
馬鹿みたいに何事もなかったかのように、彼女と一緒にいる僕にしたかったの?
それは、僕をおとしめることだ。
何をしたの分かっているの?
操らないで。
僕を地獄に突き落とさないで。
僕は怒っているんだよ。
あの時、僕は、心が凍った。
君の魔法では届かない。
僕は君の悲しそうな顔を心配していた。
愛していたから。
そうしたら、君は、杖を振ったね。
君の魔法は僕には効かない。
僕の君への愛が僕を強くした。
僕は君の何かの魔法には負けない何かがあるようだ。
きっと、それは、君への愛だ。
君への愛が、僕を守った。
君の魔法は、僕の愛にはかなわない。
魔法がなくても、君を幸せにしてあげるから。
僕は、僕は、強くなる。
どんな魔法にも負けないくらい、君を幸せにしてあげる。
だから、いつか、戻っておいでよ。
悪いことをしたときの、あの気まずそうな顔して、戻っておいでよ。
君は、顔に、心の声がすぐ出てしまうんだ。
僕は、そんな君が、大好きだ。
君にふさわしい男になれるか分からない。
でも、君の幸せを一番に願っているよ。
そして、君の悲しみを一番側で分かろうとするよ。
もし、僕で良ければ、いつでも戻っておいで。
大好きだよ。
愛してる。
今日もとっても可愛いよ。
終
最後までお読みいただき、有難うございました。
気温の変動が激しいので、体調を崩されませんように気をつけて下さいね。




