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ある見習い魔女と僕

作者: 穏世青藍
掲載日:2026/06/03

 知ってるよ。


 知ってるよ。

 

 君が僕に魔法をかけたことを知ってるよ。


 何でだよ。


 何でだよ。


 君は僕から離れたいのかい?


 悲しいよ。


 悲しいよ。


 君は僕の何だったの?


 いつも・・・。


 いつも・・・。


 僕等はいつも一緒にいたじゃないか。


 



 僕がふざけすぎたから?


 僕が不真面目だから?


 僕が頼りないから?


 他に好きな人でもいるの?


 いないのに僕から離れたいの?




 何故、呪文を唱えたんだ。


 何故、僕と彼女を見たんだ。


 何故、悲しそうな目をしていたんだ。


 君だけで良いのに。


 君だけで良いのに。


 君だけで良かったのに。


 いつからなんだ。


 いつからなんだ。


 いつから僕がうとましかったの?


 


 君の描いた世界に僕はいないんだね。


 なら、離れてあげる。


 大好きな君のためだから。


 もう、心配しなくても良いよ。


 だから、もう、悲しそうな目はしないで。


 元気でいてね。




 彼女は良い子だと思ったよ。


 でも、君の方が良い子だったよ。


 僕には君が合っていたよ。


 君が全てだった。





 行くなよ。


 行くなよ。


 どこにも行くなよ。


 離れていても、僕の目の中にいて・・・。




 抱きしめておけば良かった。


 もっと近づけば良かった。


 あの時泣けば良かった。


 


 君は何故、僕に魔法をかけたの?


 君がかけた魔法、全然効かないよ。


 何故だか僕には、効かないよ。


 でも、かかったふりをしてあげる。


 君を自由にしてあげたいから。


 僕の真心を君に捧げるよ。


 陰で、静かに、君に捧げるよ。


 


 これが僕の愛し方。


 これが僕の愛の形。


 何故、君は悲しそうなの?


 何故、君は辛そうなの?


 僕には話したくないんだね。


 君は僕が好きだと思っていたよ。


 僕は君が大好きだったよ。


 何かすれ違ったのかな。

 

 悪いところは直すから、いつでも戻っておいでよ。




 彼女はとても良い子だよ。


 でも、君にはかなわないんだ。


 別に良い子が好きな訳じゃないんだ。


 君の悪戯も、


 君の悪態も、


 君の悪癖も、


 そして・・・、君の我儘も、


 全部、僕には、必要だった。


 全部、僕の宝物だった。


 全部、全部、いるんだよ。


 全部、全部、大切だった。


 愛しい時間を・・・ありがとう。




 ずっと側で見守っていく。


 だから僕の目の中からフェードアウトしないで。


 やり直せるのなら、元に戻りたい。


 女々しい男は嫌いかな?


 これが、僕なんだ。


 これが、本当の僕なんだ。




 君は分かっていただろう?


 僕の君への恋心を。


 君は知っていたはずなのに。


 何故、魔法をかけたんだ。


 嫌いだよ。

 

 嫌いだよ。


 君なんか、もう、嫌いだよ。


 どうして僕から大切なものを奪うんだ。


 どうして僕から喜びを奪うんだ。


 どうして僕から安らぎを奪うんだ。


 それは、全部、君なんだよ。


 僕は、君が、好きなんだ。


 とても離れたくないよ。


 僕に魔法をかけないでよ。


 魔法はかからなかったけれど、僕の心はズタズタだよ。


 僕が、僕で、なくなる。


 君を愛した僕でいたいんだ。


 君を愛し続ける僕でいたいんだ。


 なのに、何故、君は僕から全てを奪うんだ。


 


 愛しているのに。


 愛しているのに。


 君を愛しているのに。


 僕はあの日から、時が止まったままだよ。


 何もない時間をさまよっているよ。


 君は、僕と、彼女をくっつけてどうしたかったの?


 傷つく僕を見たかったの?


 馬鹿みたいに何事もなかったかのように、彼女と一緒にいる僕にしたかったの?


 それは、僕をおとしめることだ。


 何をしたの分かっているの?


 操らないで。


 僕を地獄に突き落とさないで。


 僕は怒っているんだよ。


 あの時、僕は、心が凍った。


 君の魔法では届かない。


 僕は君の悲しそうな顔を心配していた。

 

 愛していたから。


 そうしたら、君は、杖を振ったね。


 君の魔法は僕には効かない。


 僕の君への愛が僕を強くした。


 僕は君の何かの魔法には負けない何かがあるようだ。


 きっと、それは、君への愛だ。


 君への愛が、僕を守った。


 君の魔法は、僕の愛にはかなわない。


 


 魔法がなくても、君を幸せにしてあげるから。


 僕は、僕は、強くなる。


 どんな魔法にも負けないくらい、君を幸せにしてあげる。


 だから、いつか、戻っておいでよ。


 悪いことをしたときの、あの気まずそうな顔して、戻っておいでよ。


 君は、顔に、心の声がすぐ出てしまうんだ。


 僕は、そんな君が、大好きだ。

 

 君にふさわしい男になれるか分からない。


 でも、君の幸せを一番に願っているよ。


 そして、君の悲しみを一番側で分かろうとするよ。


 もし、僕で良ければ、いつでも戻っておいで。


 大好きだよ。


 愛してる。


 今日もとっても可愛いよ。


                    終



 最後までお読みいただき、有難うございました。

 気温の変動が激しいので、体調を崩されませんように気をつけて下さいね。

 

 



 

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こんにちは、穏世青藍さん。 心は見えない。 貴方や彼女、もしかしたら私も。 何が正しくて間違いなのか。 幸せとは。 貴方の幸せ。 彼女の幸せ。 そして私の幸せ。 幸せの形は人それぞれ。…
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