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Tシャツの入り口と出口

作者: 歌川 詩季
掲載日:2026/03/20

 インナーなら、あんまり迷わなくていいかも。

 ひとつの入り口が

 たったひとつの出口にしかつながってないなんて

 それじゃあ 入り口を選んだ時点で

 もうすでにそのさきの運命は

 決まっているようだなって嘆いては


 ひとつ入り口からみっつの出口につながる

 Tシャツをまじまじと見つめてみた


 こんなふうに入り口はひとつでも

 出口はいくつかあって欲しいよねって

 しみじみ思う僕だけど

 それを笑う声がする


 たしかにTシャツの出口はひとつじゃないけどさぁ

 そのみっつはそれぞれ

 あたまを出す出口

 左腕を出す出口

 右腕を出す出口

 それぞれちゃんと決まってるじゃないか


 それぞれに

 それぞれふさわしい出口が用意されてるってだけで

 どの出口を選ぶかの自由なんてない

 右腕を出す出口から頭を出したら

 Tシャツをちゃんと着ることなんてできないだろ?

 だから出口を選びたいなら

 まずさきに出たい出口を決めてから

 そこにつながる入り口を選ぶことさ


 ほほう なるほど

 そりゃあもっともだ


 きょう着るTシャツさえ

 いちいち選ばずに 手近な一枚を手に取る僕は

 その段階で選択の自由を放棄してるってわけだね


 納得は いったし 解決のすべもわかった

 だけど それってけっこうめんどくさい

 とりあえず 手近な入り口に

 飛び込んでからじゃ手遅れってことだもん


 てゆうか

 入り口だけで出口まで決められてしまうのなら

 むしろ 出口を迷わなくていいって考えたほうが

 ずっと前向きかもしれない

 そもそも 入り口をちゃんと選ぶのは放棄したくせに

 出口だけは自由に選ばせてくれとゆうのが

 ムシがよすぎるんだ


 だから僕はきょう着るTシャツも

 いちいち選ばずに 手近な一枚を手に取っては

 それぞれ決められた出口から

 あたまと左腕 右腕を出す


 不自由かもしれないけれど

 それがなんか正しいことのように思えた

 洗濯カゴのなかにためてしまって、着られる選択肢がなかったり(笑)

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