Tシャツの入り口と出口
インナーなら、あんまり迷わなくていいかも。
ひとつの入り口が
たったひとつの出口にしかつながってないなんて
それじゃあ 入り口を選んだ時点で
もうすでにそのさきの運命は
決まっているようだなって嘆いては
ひとつ入り口からみっつの出口につながる
Tシャツをまじまじと見つめてみた
こんなふうに入り口はひとつでも
出口はいくつかあって欲しいよねって
しみじみ思う僕だけど
それを笑う声がする
たしかにTシャツの出口はひとつじゃないけどさぁ
そのみっつはそれぞれ
あたまを出す出口
左腕を出す出口
右腕を出す出口
それぞれちゃんと決まってるじゃないか
それぞれに
それぞれふさわしい出口が用意されてるってだけで
どの出口を選ぶかの自由なんてない
右腕を出す出口から頭を出したら
Tシャツをちゃんと着ることなんてできないだろ?
だから出口を選びたいなら
まずさきに出たい出口を決めてから
そこにつながる入り口を選ぶことさ
ほほう なるほど
そりゃあもっともだ
きょう着るTシャツさえ
いちいち選ばずに 手近な一枚を手に取る僕は
その段階で選択の自由を放棄してるってわけだね
納得は いったし 解決のすべもわかった
だけど それってけっこうめんどくさい
とりあえず 手近な入り口に
飛び込んでからじゃ手遅れってことだもん
てゆうか
入り口だけで出口まで決められてしまうのなら
むしろ 出口を迷わなくていいって考えたほうが
ずっと前向きかもしれない
そもそも 入り口をちゃんと選ぶのは放棄したくせに
出口だけは自由に選ばせてくれとゆうのが
ムシがよすぎるんだ
だから僕はきょう着るTシャツも
いちいち選ばずに 手近な一枚を手に取っては
それぞれ決められた出口から
あたまと左腕 右腕を出す
不自由かもしれないけれど
それがなんか正しいことのように思えた
洗濯カゴのなかにためてしまって、着られる選択肢がなかったり(笑)




