すれ違いの積み重ねで滅びてしまった日本の片隅で新たな生命の誕生と共に新たなすれ違いが生まれてしまい世界を巻き込むすれ違いになる話がこわいひどい
※武 頼庵(藤谷 K介)様 主催「すれ違い企画」参加作品です。
企画参加の短編作品なのに、前話があるという初見殺しの【ひどい】が仕込んであります。
前話→https://ncode.syosetu.com/n2222kt/
他にもとにかくひどいひどいが満載なので、ひどい耐性のある方だけお願いします。
ひどい。ひどい。ひどい。
「姫子様。予定日10日過ぎって、そろそろマズイんじゃないでしょうか」
「そうね。でも、こればっかりは信じるしかないわ」
晴れた夏の夜。玄界灘に浮かぶ孤島、沖ノ島にて。
妊婦の姫子様と共に時を待つ私は、孤児の女子中学生ミヨ。
13歳なのに170cm近くの長身なのと、顔つきがハーフっぽいせいで仲間内ではベトナムちゃんと呼ばれているけど日本人。
そんな私達が何故女人禁制の聖域であるこの島に居るのかと言うと、日本が滅びちゃったから。
今思えば本当にあっけなかった。
よくわからないけど、選挙で極右政党が政権を奪取して、蛇みたいな目つきの女性首相が就任して【成長スイッチ押しまくる】とか言って外交政策で無茶苦茶やりだして。
そこで間違えて【破滅スイッチ】押しちゃったのかどうなのか。
世界恐慌が起きて、全部日本のせいにされて、米中露から宣戦布告されて。
あっという間に東京が陥落して日本という国は消滅。国を失った日本人は人権を喪失。押し寄せた入植者達に害獣のように駆除されてしまった。
私が生き残ったのは、孤児だからだ。
政権交代が戦争の引き金になることを予見していた大人達が居て、そうなった場合に子供だけで離島や山間部に潜伏して自給自足生活で生き延びる計画を立てた。
私が入所していた施設もその趣旨に賛同し、施設の仲間達と一緒にサバイバル訓練を受けた。
そして、東京が陥落した時に手筈通り沖ノ島に退避。
生存者が後から漂着しないか皆で注意していたら、2週間ぐらい前に妊娠中の姫子様と成人男性2人が流れ着いたので救助して合流。
男の人2人はすごく働き者で、私達のサバイバル生活を支えてくれている。
今は片手間で木造船を造っているとか。本当に頼もしい。
………………
…………
……
島の中央部にある沖津宮本殿の窓から、月の無い夜空を見上げる。
綺麗な星達に心を癒されつつも、隣に並んで平然と星を見る姫子様の出産を考えると気が気でない。
女子メンバー5人の中で私が姫子様に【助産師】に指名され、いつ来るか分からない陣痛に備えてずっと傍に居る。
でも、私は当然無免許で無経験。
出産現場見たこともないし、新生児を見たこともない。
それに、使える物は保健体育の教科書と、文房具一式。
あと、今となってはわりと貴重な清水がタライ2個分。
何かあったら絶対詰むやつだ。
「ミヨ。そんなに緊張しなくてもいいのよ。なんとかなるから」
「姫子様……」
一番緊張しているはずの姫子様は落ち着いていて、私がテンパりそうになっているとやさしく声をかけてくれる。
それ以外でも何かにつけて察しが良くて気の利く御方だ。私が男に産まれたなら嫁に欲しいタイプの女性だ。そんな素晴らしい御方なのに、夫からモラハラ受けてたなんて信じられない。
確かに容姿はアレだけど、トータルで見れば姫子様はハイスぺだろ!
「ミヨ。何か失礼なこと考えてない?」
「いえ! 旦那さんのモラハラの罪について考えておりました!」
姫子様は本当に察しがいい。たまにこわい。
「夫はね。悪い人じゃないの」
「えっ? 妊娠中の妻に生活費出せとか、明らかに極悪人ですよね」
男女平等はいいけど、妊娠中は優しくしてほしいよ。
「あの人はね。女は優しくすると裏切るって信じ切ってたの。だから、悪気があってひどい扱いしたわけじゃないのよ」
「あー……。男と女のすれ違いってやつですか。痛い男ですね」
裏切られたくないから、妊娠中でつらいと分かっていても厳しくした?
これは、男のツンデレカッコ悪いってやつか? 先生! わかりません!
「子供には分からないかもしれないけど、そうまでして私に執着してくれるのは嬉しかったの。そう思ってくれる人なんて居なかったから」
「つまり、姫子様はダメンズが好きと」
姫子様。不●工系喪女をこじらせてヤンデレ入っていませんか?
「ミヨ。口が過ぎるわよ」
「ごめんなさい」
会話がすれちがってしまった。
でも、親の顔すら知らない私に男女の話振られても分かるわけないし。
それよりも、姫子様の陣痛まだかなー。
終わらせないと終わらないんだから、覚悟決めるしかないしー。
『我は【鳳凰皇帝爆撃弾】。主の命に従い異世界に降臨せり』
「うわっ?」
突如脳裏に変な声が響いた。
と、同時に真っ暗だった空が明るく輝く。
明るさに目が慣れてきたら、空に無数の炎の鳥が舞っているのが見えた。
『姉と聞いていたが、妹君であったか。さぁ、我等が力を受け取るがよい』
「誰が妹だ! 私に姉は居ねぇよ! 家族も居ねぇよ! 孤児をバカにすんな!」
空を舞う炎の鳥が変な事言いだしたので思わずツッコミ。
「姫子様! 大変で って ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
隣に居たはずの姫子様を見ると、藁のクッションの上で仰向けでぶっ倒れていて、足下に赤黒い塊のようなものが!
しかもその塊がピクピク動いてる!
「オイそこのトリ! 暗いから窓から部屋を照らせ!」
『御意』
炎の鳥の一羽が低空まで降りてきたおかげで、部屋の中が明るくなった。
バッテリ式のカンテラより明るいから便利だ。
明るくなったことで、起きたであろう事態の全体像が見えた。
「立ったまま藁の上に胎児を落とすと。なるほど。産み落とすってこういう事なんだな」
外観グロッキーな胎児らしきものを取り上げて、予定通りへその緒を処理。
貴重品でもある綺麗な布巾で拭いていくと、赤子らしくなっていく。
男児だけどなんか弟に思えてきた。そうなると言いたいことが出てくる。
「オマエなんちゅー出方するんだ! コレどう見ても人間の出産じゃねぇだろ! 普通は仰向けになっていきんでーとか、はっはっふーとか! そんでやっとこさ出てきたところ、可愛いお子さんですよとか、そんなんだろ! 分娩台が無いからって、臍の緒バンジージャンプで飛び出して母親昏倒とか! オマエ赤ちゃん失格や! 世界中の妊婦さんと助産師さんに謝れや!」
ブーッ 【羊水吐き】
「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
胎児改め新生児様から顔面に生暖かい水を吹きかけられて思わず悲鳴。
「いきなり何すんじゃこの新生児様! 水とか布巾とか貴重なんだぞ! 服とかも手洗いで洗うの大変なんだぞ」
ジョロロロロロロ 【放尿命中】
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
「くそっ! 新生児様には勝てん! それにこんなことしてる場合じゃない。保温しないと」
陣痛始まったら沸かす予定だったけど、いきなり出てきたから産湯のためのお湯が無い。
「おいトリ! そこのタライを沸かせ」
『御意』
窓から強力な光が入って、金タライに入れた水に当たる。そして湯気が出てきて……。
「ゴルァァァァァァァ! 誰が熱湯にしろと言ったぁぁ!」
『沸かせと言われたから……』
気が利かないトリだ! トリアタマだ! 使えねぇ!
「状況見ろよ! 考えろよ! 赤子抱えた状態で熱湯出されてどうしろってんだ! しかもタライ2個とも沸騰させやがって! 混ぜてお湯作ることも出来ねぇだろ! お前らがそんなにふざけるんだったら、このガキ本当に放り込むぞ!」
「ギャァァァァァァァァァン!(恐怖)」
おっ。新生児様がイイ感じに産声を上げた。
とりあえず産湯は後回し。仰向けで昏倒している姫子様の服をはだけて、しぼんだお腹の上にうつ伏せで置いた。人肌保温だ。
姫子様からグロイモノが出ていたので、引っこ抜いて部屋の隅に隔離。
まぁ、胎盤と臍の緒だな。床屋のシンボルのアレみたいな。極太のカールコードみたいな。つい眺めてしまうけど、のんびりしている暇はない。
『我が力を受けと』
「今忙しい! 後で! しばらく照明よろしく!」
トリがなんか言ってきたけどスルー。優先順位大事。
姫子様のお腹の上でもがく新生児様を眺める。
首がグネグネしたまま、もがいて進もうとする動きが可愛らしい。
お尻から近くで観察するとブツがついているのが見える。男の子だし。
ブホッ 【胎便発射】 ベチャ 【顔面命中】
「ゴルァァァァァァァァァァァ!」
粘土みたいなものが、危うく口に入るところだった。
新生児ってこんなに恐ろしいのか!
でも、かわいい。超かわいい。
もがく姿を後ろから眺めると、つい股間のブツに視線が行ってしまう。
「噛みちぎるたくなる形だなぁ」
「ギャァァァァァァァァァァァァァ!(必死)」
新生児様がいきなり激しく泣き出した。
そして、必死で手足をばたつかせて、頭を引きずりながら姫子様の身体の上を進んでいく。
「もしかして、オマエ。自力で授乳を勝ち取る気か! 応援するぞ!」
姫子様の上半身の着衣をはぎ取り、進路を確保。
自力授乳を目指す新生児様を応援。
でも、母子共に冷やしたらよくない。
夏だけど、夜はちょっと冷えるのだ。
「おいトリ。部屋を適温に温めろ。32℃設定だ」
『御意』
部屋が炎の鳥の輻射熱で温かくなった。
必死でバタつく新生児。しかし、なかなか進まない。
彼の生まれて初めての挑戦を応援すべく、後ろからブツに息を吹きかけながら応援メッセージ。
「もたもたしているとー、お姉ちゃんが後ろから噛みちぎっちゃうぞぉー」
「ヒギャァァァァァァァァァァァ!(必死)」
必死にバタついて首を引きずりながら乳房まで到着。
転がすように頭を動かして、自分で吸い付いて吸いだした。
自力授乳成功!
「オマエはすごい新生児だ。根性がある。現世ではコンジョーを名乗るがよい」
まぁ、実際名前は姫子様が決めるんだろうけど。
『あの……、そろそろ、力を受け取りを……』
「あーそうだったっけ。いいよ、便利そうだし受け取るよ」
『御意。我が主として悠久の時を共に生きよう。我等が残っている限り主は不老不死の加護を受けられるぞ』
「待て! それは加護じゃなくて呪いだ! ぎゃぁぁぁぁぁ!」
激しい頭痛と共にとんでもない量の情報が脳に流れ込んでくる。
意識が飛びそうになるのを耐えて……。
…………
「どうなる事かと思ったけど、よくやってくれたわ。ありがとう」
「いえ、姫子様の体力と加護の賜物ですよ」
あのとんでもない出産から1時間ぐらい。
星明りに照らされる暗い部屋にて、目を覚ました姫子様は服を着替えて藁の上に座って授乳中。
名前はコンジョー改め【すめら】にするそうな。
平仮名3文字ですめら君かぁ……。
どんなセンスだよ。いいけどさ。
「不思議ね……。この子。なんか妹に似てる気がするわ」
「それは全然不思議じゃないですよ」
何言ってるんだろう姫子様。
それ不思議じゃないよね。普通だよね。
「でも、この子すごく怯えてるんだけど。ミヨ。私が寝ている間に何したの?」
「えーっと、何をしたかと言われましても……」
あのトリの力を受け取ったことで、私は人外になった。
32767羽のトリは私の意志で自由に動かせる。
そして、トリにはそれぞれ目があり、その視界が全部私の脳内に届く。
世界を見通す力を手に入れたことで私はつい調子に乗ってしまい、入植者に仕返しをしてしまった。
力は正義だと言わんばかりに日本を蹂躙してくれた彼等相手なら、情けも容赦もいらないだろうと思ったけど、皆殺しをしたのでは彼等と同じになるのでそこは考えた。
ちょっと前に読んだ投稿小説
【人類の始祖となる女達が妊娠出産時の弱さを補うために数千年かけて男を夫に品種改良して文明社会を作り上げていく話】
を思い出したので、妻子を命懸けで守る夫の家族はなるべく残すことにした。
だから私は無差別虐殺はしてない。彼等とは違う。ここ重要。
日本中の都市部にトリを突っこませて焼き払って、仕上げに九州の山の上にトリを落として大爆発させてみた。
そしたら、火山が大噴火して日本全土に被害が拡大。
それで済めばよかったけど、米中露が何を考えたか核ミサイルを発射。
何故か日本を飛び越えて、ワシントンDC、北京、モスクワが最初に消滅。
国家指導者ってアホなのか?
最初に敵国首都ぶっとばしてどうやって戦争止める気だよ。
ヤバいと思って各国のミサイルサイロにトリを落として潰そうとしたけど、あっちこっちからニョキニョキとミサイル出てきて手に負えないからもう放置。
姫子様が目覚めそうだったから、トリは全部遠くに飛ばして隠した。
窓の外を見ると、東の空が赤く光っている。
日本列島が炎上しているんだな。
その上の空には、西に向かう流星と、東に向かう流星が空ですれ違っている。
全部核ミサイルなんだな。
たまに地面が揺れて、風が入ってきたりする。
これは核ミサイル爆発による地震と衝撃波なんだな。
地球全土で炸裂していて、もう滅亡間近なんだな。
「ミヨ。貴女を私の傍に置いた理由はね。風貌じゃないのよ」
「えっ?」
助産師を指名された時は、私の風貌がハーフっぽいからこの状況下で冷遇されるのを避けるためと思ってたけど。
「貴女は私の妹に似た雰囲気があるの。目を離したら危ないことをしそうだから、見張るために傍に置いたのよ」
ヤバイ。何をしでかしたかバレたか。
「言いなさい。私が寝てる間に何したの?」
仕方ない。正直に謝ろう。
「ごめんなさい。世界を滅ぼしてしまいました」
………………
…………
……
多数の国からの入植者により分割統治されていた日本列島。そこは、元は敵対していた国家同士が緩衝地帯無しでひしめき合う弾薬庫となっていた。
世界中の軍事的緊張が凝縮されたその地が突如【鳳凰皇帝爆撃弾】の襲撃を受けたことで、世界の国々は敵対国からの先制攻撃と誤認。各個にICBMによる報復攻撃シーケンスを発動。
世界が核の炎に焼かれて、人類の文明は2000年程後退した。
出産翌年の冬。姫子とミヨは完成した船で沖ノ島を出航し、海流に乗って九州に上陸。
言語の異なる複数の集落が距離を取って自給自足生活をしていたところに赴き、姫子の語学力と【察する力】を駆使して人を集め、国の再構築活動を始めた。
日本再興の出発点の一つとなったこの集落は後に【邪馬台国】と呼ばれるようになり、姫子とミヨはそれぞれ、ヒミコとイヨとして歴史に名前を残した。
そして、すめら君は皇尊の血統の原点となったのである。
めでたし。めでたし。
●オマケ解説●
突然登場したトリは、異世界転移した姫子の妹のないらちゃんからの贈り物。
宛先は姫子さんだったはずだけど、何故ミヨちゃんが受け取ることになったのか。
姫子さんが受け取っていたなら世界は滅びなかったけど、このすれ違いにもふかーい理由があります。
ひどい。
<ミヨちゃんと母のすれ違い>
ミヨちゃんの母親は、技能実習生として来日したベトナム人女性だった。
大手自動車メーカーの下請会社にて工場作業に従事するも、事故により右目視力を失い会社から追い出される。
しかし、母国の仲介業者に多額の借金があったためそのまま帰国はできず、夜の街の不法就労で日銭を稼ぐように。
容姿端麗でポジティブな性格であったため、夜の店で人気者になり数年間で借金を完済。
貯金もできたし年齢も30近くなったので引退して帰国しようと考え始めた頃、客として訪れた【性〇依存症】に苦しむイケメン大学生に一目ぼれ。
結ばれる未来が無いことは明らかだったので別の形で連れ帰ろうと考えて、仕事中に手に入れた【種】を悪用して妊娠。
せっかくだから医療インフラが整っている日本で出産しようと、引退後も貯金を使って日本に滞在。
そして、臨月間際の妊婦検診の帰り際に、高齢者が暴走させた乗用車に歩道上で撥ねられる事故に遭う。
ノーブレーキでの衝突の衝撃は大きく、本人は即死。
衝撃で母体から飛び出した胎児も危険な状態に陥ったが、事故現場が産婦人科医院の目の前だったことが幸いし、奇跡的に一命を取り留めた。
その後、身寄りのない新生児として行政の職権で日本人として戸籍が作成され、児童養護施設にて孤児として育てられることになった。
事故で跳ね飛ばされた母体から飛び出した時。
硬い路面に落ちていたら生存は絶望的であった。しかし、臍の緒で繋がっていたことで母親の亡骸の上に落ちたため助かった。
ミヨちゃんは臍の緒バンジージャンプの先駆者だったのだ。
ひどい。ひどい。
<姫子と夫のすれ違い>
妹のないらからはダメ男と酷評されていた姫子の夫。
しかし、姫子にとってはいい旦那さんだったのである。
上京した高校時代に起きた事件により、【性〇依存症】を発症していたあの男。
女性に近づくと衝動を抑えるために苦痛を感じる症状に悩んでいたが、女を感じない程に不〇工な姫子が相手なら落ち着くことができた。
厄介な依存症を抱えていることを除けば、人当たりも良く優秀なイケメン。容姿により男に選ばれなかった姫子にとって、そんな男から唯一の相手として選ばれた事は幸せだった。
双方にとって幸せな結婚だったのである。
共働きであったが、語学堪能で時間単価の高い仕事が選べる姫子の方が収入は高かった。
男もフルタイムで働いてはいたが、前職でやらかした不倫の慰謝料や損害賠償の負債を抱えていたので、生活費は主に姫子が負担した。
それに加えて、依存症の衝動を抑えるために通っていた夜の店の費用も不足した時は姫子が補填した。
傍から見れば歪な夫婦関係だったが、それで二人は幸せだったのだ。
姫子との生活の中で、男の依存症も徐々に改善。
夜の店の頻度も減っていきすべては順調に思えたが、姫子の妊娠により状況は一変した。
【妊娠は病気じゃない】という言葉は、どれほどの人が正しく解釈しているだろうか。
個別に状況は大きく変わるが、妊娠は病気よりも母体に多大な負担をかける。
姫子の妊娠は重かった。
気力体力共に高く、共働きと家事全負担を余裕でこなしていた姫子であったが、妊娠には勝てなかった。職場で倒れて自由に動けなくなった姫子を見て、男は自分が守らなければとは思った。
しかし、優しかった父を捨ててホストの元へ逃げた母の記憶が男の行動を縛った。
女は優しくしたら逃げるという誤解。唯一無二の姫子に逃げられたくないという恐怖。数々の呪縛により、男は苦しむ姫子に優しく接する事ができなかった。
姫子はそれを察していたからこそ苦しんだ。
男に悪気はない。元凶は男の持つ根深い女性恐怖症。
それさえ克服できれば温かい家庭を築けると、姫子は耐えた。
しかし、その願いは叶うことなく日本は滅亡。
男はサメのエサになり、姫子は神の母となった。
男の精神を破壊した元凶が自分の母親であり、その時の副産物が妹という事を姫子が知ることは無かった。
ひどい。ひどい。ひどい。
※ポイントクレクレ記述
別の企画で繰り返した初見殺しを終わりと言ってた癖にまたやらかした上に、当たり前のように乳児虐待と歴史改竄と神話冒涜をする作風がひどいと思った良識を持つ読者様が居たら、【ひどい】の証として★1評価をブチこんでもらえると、開き直った作者は、次はしいな ここみ様の「空飛ぶ」企画で続編を出そうと悪びれることも無く気合を入れます。
ひどいは最高の誉め言葉!









