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第十二章: 洞窟の出口と切れ痔の呪い

佐藤悠斗は、柳生十兵衛、綾音と共に地下洞窟を進んでいた。


前日、山道で迷い込み、小屋の罠に落ちてこの洞窟に閉じ込められた三人だった。


薄暗い洞窟内は湿気が漂い、岩壁から水滴がポタポタと落ちる。


足元は苔で滑りやすく、遠くから水の流れる音が微かに響く。


悠斗の藍色の着物は埃と汗で汚れ、腰には三つ葉葵の家紋が入った小太刀が揺れる。


「やべえ、いつになったら出られるんだよ、この洞窟」


呟きながら、彼は岩に手を当てて進んだ。


十兵衛が後ろを歩き、深緑の着物を握り締めている。


彼女は幕府の任務で悠斗を監視しつつ、苛立ちを隠せない。


「貴様のせいでこうなったのだ! 早く出口を見つけろ!」


冷たく言い放ち、刀を手に持つ姿が鋭い。


綾音が「ふふ、洞窟ってワクワクするね!」と笑いながらついてきた。


彼女は悠斗の魔法に魅了されたくノ一で、軽い着物が汗で濡れている。


「何か面白いこと起きないかな?」


「面白いことって、お前、変態すぎるだろ!」


悠斗が呆れ、十兵衛が「黙れ、この変態!」と怒鳴った。


三人は洞窟の奥へ進み、微かな光が見えてきた。


「おお、あれ出口じゃねえか!」


悠斗が目を輝かせ、足を速めた。


光の先には洞窟の出口があり、外の空気が流れ込んでくる。


「やっと出られるぜ!」


彼が出口に飛び出すと、十兵衛と綾音も続いた。


だが、出口の外には黒装束の男たちが待ち受けていた。


豊臣残党だ。


刀を手に持つ彼らは、洞窟から出てくる三人を睨みつけた。


「貴様ら、ようやく出てきたな」


リーダーらしき男が低く呟き、刀を構えた。


「うおっ! またお前らかよ!」


悠斗が目を丸くし、心臓がドキドキした。


「綾音が裏切っただと? 妖術使い、貴様を始末する!」


男が叫び、残党が一斉に刀を抜いた。


「しつこいな! 昨日も襲ってきただろ!」


悠斗が苛立ち、十兵衛が「ふん、貴様のせいでこうなる!」と刀を構えた。


「私のせいじゃねえよ! こいつらが悪いんだろ!」


悠斗が弁解し、綾音が「ふふ、また会えたね!」と笑った。


「笑ってる場合か! お前が裏切ったからだろ!」


十兵衛が怒鳴り、綾音に刀を向けた。


「まあまあ、私、魔法の方が好きだからさ」


綾音が肩をすくめ、汗ばんだ胸元が揺れた。


「変態が何を言っても信用ならん!」


十兵衛が斬りかかろうとしたが、残党が一斉に襲ってきた。


「死ね!」


刀が風を切り、悠斗が「うわっ!」と避けた。


「やべえ、やべえ! こいつら、しつこすぎる!」


彼が後ずさり、苛立ちが頂点に達した。


「いい加減にしろよ! 毎回毎回襲ってくんな!」


怒りが爆発し、彼が呪文を叫んだ。


「我、佐藤悠斗、深淵に潜む超ヤバい南蛮の精霊を呼び起こし、古の禁忌をぶち開ける! 蠢く影よ、苦痛の使者よ、このしつこい連中に超絶迷惑な呪いをぶちかませ! 切れ痔になって悶え苦しむ衝動をぶっ放せ! スーパー・ヘモロイド・カース・オブ・ド変態・アゴニー!」


紫のモヤモヤが噴き出し、豊臣残党を包んだ。


「うっ!? 何!?」


男たちが一斉に尻を押さえ、蹲った。


「うおおっ、痛い! 尻が!」


「何だこの術!? うぐっ!」


彼らが地面に転がり、苦悶の声を上げ始めた。


「うわっ、効いてる効いてる!」


悠斗がニヤリと笑い、十兵衛が「貴様、また下品な術を!」と怒鳴った。


「下品でも効きゃいいだろ! 見てみろよ!」


残党が「ううっ、動けん!」と呻き、刀を落とした。


「もうやめてくれ! 降参だ!」


リーダーが叫び、尻を押さえながら逃げ出した。


「うおお、痛い!」


男たちが這うように逃げ、洞窟前に静寂が戻った。


「よっしゃ、撃退成功!」


悠斗が拳を握り、綾音が「ふふ、面白かったね!」と笑った。


「面白いって、お前、変態すぎるだろ!」


悠斗が呆れ、十兵衛が「貴様、この術を私にも使う気か!」と刀を向けた。


「いやいや、お前には使わねえよ! 落ち着け!」


彼が弁解したが、十兵衛が「信用ならん!」と睨んだ。


綾音が「ねえ、私にもかけてよ! 切れ痔ってどんな感じ?」と目を輝かせた。


「うわっ、お前、マジで変態だな!」


悠斗が後ずさり、十兵衛が「貴様ら、ふざけるな!」と怒鳴った。


「とりあえず、出口見つけたし、次行こうぜ」


悠斗が笑い、三人は洞窟を出た。


外は山道が続き、遠くに水戸街道の影が見える。


「やっと脱出だ。次はちゃんと道確認するからさ」


彼が軽く呟くと、十兵衛が「貴様に任せるとまた迷う!」と刀を握り直した。


綾音が「迷っても魔法があれば楽しいよ!」と笑い、汗ばんだ身体を揺らした。


「楽しいって、お前だけだろ!」


三人が山道を進む中、豊臣残党の残党が遠くで呻いていた。


「妖術使いめ……次はもっと大勢で来るぞ」


尻を押さえながら、彼らが復讐を誓う。


悠斗の魔法が新たな波乱を呼び、旅は続く。



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