第十章: 宿場町の服選びと痒みの波紋
佐藤悠斗は、日光街道を進み、ついに宿場町にたどり着いた。
前日、変態くノ一・綾音が仲間入りを申し出てきた彼は、柳生十兵衛と共に三人で旅を続けていた。
空は晴れ渡り、宿場町の賑わいが遠くから聞こえてくる。
街道沿いの土は乾き、歩くたびに小さな埃が舞う。
町の入り口には木造の門があり、商人や旅人たちが行き交っている。
悠斗のTシャツは汗と埃でくすみ、ジーパンの裾は擦り切れ気味だ。
腰には三つ葉葵の家紋が入った小太刀が揺れ、革袋の金貨がチリンと鳴る。
「やっと町だ！ 服がボロすぎるから、時代に合ったやつ買おうぜ」
呟きながら、彼は町を見渡した。
柳生十兵衛が隣で「ふん」と鼻を鳴らした。
彼女は幕府の任務で悠斗を監視しつつ、新しい仲間を警戒している。
着物は旅の疲れで少し乱れ、汗ばんだ首筋が陽光に光る。
「貴様のその妙な服、確かに目立つ。町で浮かぬようにな」
冷たく言い放ちつつ、彼女も自分の着物を見下ろした。
綾音が「ねえ、私も新しい服欲しいな！」と笑いながら近づいてきた。
彼女は豊臣残党から離れ、悠斗の魔法に魅了されたくノ一だ。
ぴったりした忍装束が豊満な胸と細い腰を際立たせ、汗で濡れた太ももが露出している。
「魔法もいいけど、服も大事だよね！」
「変態が服にこだわる必要あるのか？」
十兵衛が呆れ、刀に手を掛けた。
「まあまあ、みんなで買い物しようぜ。楽しそうじゃん」
悠斗がニヤリと笑い、三人は町へ入った。
宿場町は活気に満ちていた。
木造の家々が軒を連ね、屋根の瓦が陽光を反射する。
通りには露店が並び、魚の焼ける匂いや布の染料の香りが漂う。
商人たちが「上等な着物だよ！」と呼び込み、旅人たちが品物を手に取る。
悠斗は服屋の前に立ち止まり、店先に並ぶ着物を見た。
「これ、時代っぽいな。俺、こういうの着てみたい！」
彼が選んだのは藍色の着物で、シンプルだが動きやすそうだった。
店主の老人が「良い目だね。旅人にぴったりだよ」と笑った。
「じゃあ、これください！ 金ならあるっす」
悠斗が革袋から金貨を出し、店主が「まいど！」と受け取った。
着替え終わった彼は、鏡を見てニヤリとした。
「うおっ、俺、めっちゃ異世界人っぽい！ カッコいいじゃん！」
十兵衛が「ふん、まあマシになったな」と呟きつつ、店内を見回した。
「私も新しい着物を買おう。旅で汚れたし」
彼女が選んだのは深緑の着物で、上品な刺繍が入っている。
「これなら動きやすいし、幕府の者らしいな」
店主に渡そうとした瞬間、悠斗が「ちょっと見せてくれよ」と近づいた。
「何！？ 離れろ！」
十兵衛が警戒したが、悠斗が「いいじゃねえか」と手を伸ばした。
その時、彼が足を滑らせ、十兵衛にぶつかった。
「うおっ！」
「きゃっ！」
二人が絡まり、十兵衛の着物がずれて豊満な胸が露わになった。
汗ばんだ肌が陽光に光り、柔らかな曲線が目の前に迫る。
「うおおお！？」
悠斗の目が釘付けになり、鼻血がポタリと落ちた。
「貴様！ またスケベな目で！」
十兵衛が顔を赤くして叫び、彼を突き飛ばした。
店内の客が「何だ！？」と振り返り、店主が「落ち着け！」と慌てた。
「す、すまねえ！ わざとじゃねえんだよ！」
悠斗が謝りつつ、内心で「ラッキースケベ最高！」とニヤついた。
「わざとでなくても許さん！ このスケベ妖術使い！」
十兵衛が刀を抜き、悠斗に迫った。
「待て待て！ 斬るのはやりすぎだろ！」
彼が後ずさり、呪文を叫んだ。
「我、佐藤悠斗、深淵に潜む超ヤバい南蛮の精霊を呼び起こし、古の禁忌をぶち開ける！ 蠢く影よ、痒みの使者よ、この怒り狂う女に超絶迷惑な呪いをぶちかませ！ 足の裏をガリガリ掻きたくなる衝動をぶっ放せ！ スーパー・イッチング・フット・オブ・ド変態・アゴニー！」
紫のモヤモヤが噴き出し、十兵衛を包んだ。
「うっ！？ 何！？」
彼女が足の裏を押さえ、蹲った。
「ううっ、痒い！ 足の裏だと！？ 貴様、下品すぎる！」
「これで少しは落ち着けよ！」
悠斗がニヤニヤした。
だが、モヤが広がり、近くにいた綾音にもとばっちりが及んだ。
「うわっ！ 私にも！？」
綾音が足の裏を押さえ、倒れた。
「ううっ、痒い！ でも……気持ちいい！」
彼女が顔を赤らめ、目を潤ませながら足を掻き始めた。
「もっと！ もっと痒くしてよ！」
「え！？ また変態発動か！」
悠斗が目を丸くし、十兵衛が「貴様、この変態まで巻き込むな！」と怒鳴った。
「いや、俺のせいじゃねえよ！ 勝手に喜んでるだけだろ！」
悠斗が弁解したが、綾音が「最高だよ！ 足の裏もいいね！」と這いながら近づいた。
「うわっ、近寄るな！」
彼が後ずさると、十兵衛が「解除しろ！ 今すぐだ！」と叫んだ。
「分かった、分かった！ 痒み、消えろ！」
紫のモヤが消え、二人の痒みが収まった。
「はぁ……貴様、本当に最低だな」
十兵衛が息を荒げて立ち上がり、刀を握り直した。
綾音は「ふふ、楽しかったよ」と笑い、汗ばんだ身体を起こした。
忍装束が肌に張り付き、色気が漂う。
「次はもっと強いので頼むね！」
「お前、どんだけ変態なんだよ……」
悠斗が呆れ、店主が「騒ぎすぎだ！ 服買うなら静かにしろ！」と怒鳴った。
「すみませんでした！」
悠斗が頭を下げ、十兵衛が「ふん」と睨んだ。
「貴様、次は絶対に斬る」
彼女が着物を手に持つと、店を出た。
綾音が「ねえ、新しい服見せてよ！」と笑いながらついてきた。
悠斗は藍色の着物を着直し、「まあ、いいか」と苦笑いした。
「異世界の服選び、こんなドタバタになるとはな」
三人は宿場町を歩き、次の宿へ向かった。
だが、町の裏では豊臣残党が動き始めていた。
「綾音が裏切っただと？ あの妖術使い、許さん」
黒装束の男たちが刀を手に、復讐を企てる。
悠斗の魔法と変態くノ一が、新たな波乱を呼ぶ。
