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第一章 魔王アイテムを使ってオタ活します。

『……魔王って何ができるんだっけ……??』

魔王に転生してしまった藍夏は現実を受け入れるのにだいぶ時間がかかったが3時間ほどでようやく状況を冷静に考え始めた。

『えーーっと…。魔王って勇者がくるまでは何もしなくてもいいんだっけな……。』

さすがはオタク脳。冷静になってから一番最初に考えるのは転生した世界の設定。彼女が転生した魔王はゲーム世界での最大の悪ではあるものの、でてくるのは最後の最後だけだった。魔王を倒したらRPG完全攻略となるゲームだ。

『あーーー。ライくんくるまで暇じゃん…。ここってオタ活できないかなぁ。……あっ!!そーだっ魔王のアイテムに良いもんあるじゃん!』

そういった彼女は魔王城の中をうろちょろと歩き始めた。彼女はあっとした顔をし、視界にある広い部屋の中へと進んだ。部屋に入り目の前にあったのはホコリを被った水晶玉だった。そしてどうやらここは魔王城の玉座の様子。彼女は玉座の横にあった水晶玉を手に取りふっと息をかけると、自分の服の袖で軽く汚れを拭き取った。

『これだよこれ〜!これでライくんいつでも見放題じゃない??』

この水晶玉は英雄☆伝説にでてくる魔王アイテムの1種である。魔王はこの水晶玉を使って未来または過去の勇者を見ることが出来る。この水晶玉の能力があるせいで魔王には攻撃がある程度予測されてしまい、戦闘の難易度があがるのだ。魔王が戦いの時に使うアイテムの1種だが彼女は何に使うつもりなのだろうか。多分オタクなら予想できるだろう。

『…♪…どれどれ……ライくんは今どこら辺なのかな〜♪』

彼女は水晶玉を使い勇者ライを監視し始めた。ニヤニヤと口を緩めながら水晶玉をじっと見つめる彼女。水晶玉が小さいからか映る面積が少ないことに若干キレている様子。勇者ライが転んだり怪我をする度に泣いていたり、勇者ライが聖女ヒロインと絡む度水晶玉を割る勢いで睨みつけている。これほどまでに限界オタクという言葉似合う人物は居ないだろう。というか彼女魔王に転生したことを忘れている気がする。しばらく水晶玉をニコニコと眺めていた彼女だが他にも何か大事なことを思い出したようだ。

『あっそうだ!もう1個いいアイテムあったんだよな〜場所は確か玉座の後ろに……。』

そう言って彼女が玉座の後ろを覗くとそこには真っ黒な杖が置いてあった。この物体は魔王アイテムその2。魔王の魔法杖。魔王は基本魔法を使って勇者と戦う。この杖は万能で魔法なら何でも使える。たとえ初心者に渡したとしても。そしてこれもまた水晶玉と同じで戦闘アイテムなのだが……。

『確か変身魔法もできたはず……。えっとこれがこうでこうして…。呪文を唱えるんだよね。……偉大なる魔王が使うは一流の杖。我が言葉をそのまま魔法に変えてくれよう…。……変身魔法!!』

どろんっと音がしたと同時に体から煙のようなものが出た。煙が収まった後鏡を確認しに行くと…。

『やった!大成功!一般人のモブ女に変装できた!!』

彼女の体は先程までの荘厳な感じとは打って変わって平凡な女の子に変わっていた。戦闘に使うべき魔法杖をたかが変身魔法に使うなんてと杖マニアには怒られそうだがそんなこと彼女は気にしない。見事に変装をした彼女は水晶玉を見てこう言った。

『ライくんが今いる町は初期から3つ目の街パリフェかな??……よしっ!この変装でライくんに会いに行っちゃお〜!!』

水晶玉と魔王の杖という最強魔王アイテムを使って彼女がしたのは推しライに会いに行く事だった。限界オタクの行動力、恐るべし。

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