鼠穴
ハァハァハァハァ……。
「合い鍵取って来たわよ!」
「コナンちゃん……遅〜いんですけど……?」
「コナンちゃんが、遊んでる間にもフィシュフィレはドンドン揚がってるのよ! オ〜トメ〜ション化された、網入れから計量仕分け、冷凍保存、パテ、参枚下ろしで調理場は火の車よ! 鍬形ヴァラク〜ニャ號を舐めないででってオキダ・オハラ艦長がいってたわよ!」
「運がいいなとも言ってなかった?」
「そうそう! 言ってた言ってた!」
「捕れたての弐佰トンのピチピチの助惣鱈を、回せるぜって言ってたよね!」
「只今! 参佰参拾参枚目カラッと揚がりましたよ〜! どんなお客様ざこられてるんですか〜? フィッシュフィレばかり揚げて? フィッシュフィレパ〜ティ何ですか〜って? 料理長が他の物も作れるよ〜って……伝達しま〜す!」
ガチャガチャ! ガチャガチャ!
「鍵は開いてるのに……? 開かないって? 魔蛇夢様……? 壱体? 何を考えてるんですか〜……?」
ドンドンドンドン! ドンドンドンドン!
「あ〜っ……中からアナログな錠前が参箇所付いてるわね……? 確信犯の仕業ね? 蹴破るか……?」
「コナンちゃん? 蹴破ると、後で修理大変だよ?」
「そうよね……でも……ドンドン揚がって来てるのよ!」
「あの廊下の不自然な出っ張り……何ですかね……?」
「料理長からの伝言です! 他の物も作れるそうですが……?」
「ドロンニョちゃん! アッチから伝達されて来るの……馬鹿でも耳に入ると想わないの?」
「伝達のル〜ル遵守何でね! 伝えたんですけど……お約束ですよね?」
「あの〜っ……コナンちゃん! 不自然な木箱をどかしたんですけど……ココ見て下さい! 壱人入れる位の、鼠穴がありますけど……? それもご丁寧に鼠コス付で……?」
「壱人入れるのに……? 何で鼠穴だって分かるのよ?」
「だって! 陽気な鼠がココに描いてありますよ? それに、オハラ! この鼠穴、鼠なら通れるわよ→鼠穴って書いて有りますし!」
「魔蛇夢の仕業ね!」
「部屋のすぐ横ですのに……向こう側が見えませんけど……? 迷路か何かになってるんでしょうか……?」
「間違い無いですけど……どのオハラに当てての……メッセ〜ジ何でしょうね?」
「みんなこの艦に乗ってるの、魔蛇夢様以外全てオハラですもんね?」
「魔蛇夢専属の侍女、レディ〜スメイド・オハラ部ですからね?」
「オハラ! がキ〜何じゃ無い……? コレ着なきゃ……穴の向う側へ行けないんでしょ……? このコスに何らかの仕掛けがしてないとも言えないから……ああ見えても魔蛇夢様、理系女ですからね……」
「誰が着るのよ……コレ……?」
はい! と、指をみんなから差されるコナン・オハラちゃん……。
「何よ? みんなオハラでしょ……? ジャンケンとかで決めるんじゃ無いの……?」
「だってさ! オハラに、!付いてるじゃん? コレってさ……侍女頭のコナンちゃんを、名指ししてるのと同じじゃん?」
「ノリッコ? そんな解釈をするなんて、ガッカリだよ?」
「ノリッコが言うのも当然だよ!」
「トベッコも何……?」
「魔蛇夢が、オハラ! って読んてるのコナンちゃんだけだよ……?」
「嘘……? ム〜ニョは何て呼ばれてるの……?」
「ム〜ニョ・オハラよ!」
「わたしはトベッコ・オハラ!」
「わたしだって、ノリッコ・オハラよ!」
「もういい! 分かったよ! コレ来て向こう入って向こう側から錠前を解除すれば良いんでしょ!」
「頑張って! コナンちゃん!」
「……(これ……着るのか?)」