釣れないすね?
釣れないっすね?
「ハルルカさん、釣れないっすね?」
「しっ!」
「……ふんふ、ふ〜んふ、ふ〜ん……ねえ……ハルルカさん! 全然釣れないっすね!」
「あんた朝から……事ある事に五月蝿いのよ! 見れば分かるでしょ! 態々口にする程の事かしらね?」
「だって、全然釣れ無いんだもん……面白く無いもん!」
「別にあんた何て居なくて良いのよ? 戻って屋敷で、こき使われれば良いのよ!」
「それが嫌でココに居るんじゃ無いですか? 連れないですねぇ……ハルルカさんは……?」
「じゃあ……静かにしててよね? 釣れない原因、多分あんただと思うんだけどな?」
「酷〜いです〜う……ハルルカさん! わたしじゃ無いですからね!」
「それなら小壱時間程、ココ外してもらえるかしらね?」
「またまた〜……」
「マジで言ってるんだけど……」
「……マジのマジの奴ですか?」
「ええ! マジのマジよ!」
その頃お屋敷では……。
「ねえ……ハルルカさん見なかった……?」
「壱昨日から、姿を晦ましてますけど?」
「このくっそ忙しい時に……」
「パテテちゃんも、見ないような気がしてるんだけど……?」
「パテテちゃんも、ハルルカさんと同時期位から、居なくなってますよ!」
「あの子達ちったら!」
「冥土ちゃんも、釣りに出てから音信不通ですけど……?」
「あっ……あの子はほっておいても良いわよ! 裏の湖畔で主狙いでしょ……こっちが段取りついたら、みんなで迎えに行きましょうね」
「あ〜……成る程! 了解です! リ〜ダ〜!」
「チョッチ待とうか? パパリン?」
「はい……? 何か御座いましたでしょうか……? ハテナですけど……?」
「何……何時からわたしの事、リ〜ダ〜って事になってるわけ?」
「ずっとリ〜ダ〜ですけど……わたし達ちの間では……?」
「わたしの前で口にしたのは、初めてのよね……?」
「あれれ……お耳の方の物忘れがお進みですか……?」
「はっ? 今何つった?」
「ほらほらほら……こんなに近くで御喋りしてるんですよ……? 先生に壱度見てもらった方が良くないですか? リ〜ダ〜! 結構、来てますよ! 耳!」
「聞こえてるわよ!」
「ええ〜っ! 聞こえてるのに、聞こえて無い振りをしてたんてすかぁ〜っ! 怖〜い! わたし達ち試されてるんですね? これはお給金の査定とかの秘密の何ちゃら何でしょうか……? ヤバイです! 皆んなに知らせないと〜……失礼します!」
ペコリ! タッタッタッタッタッタッ……。
「はあ〜っ……」