ゴブリン討伐②
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明らかに他とは違う見た目のゴブリンと正面から向き合う。一目でこいつがここのボスだということがわかる。
ゴブリンは雄叫びをあげながら、俺に大剣を振りかざしてきた。それを身体を半身にしてすれすれでかわす。かわした直後にガラ空きとなっている脇腹にフルスイングをかます。
ゴブリンはなんとか耐えようとしていたが、吹っ飛んでしまう。その後壁に直撃し倒れた。
「あの大剣に当たってたら、間違いなく下半身と上半身は離れていたな。危なかったぜ」
フルスイングをおみまいすることができ、少し余裕がでてきたが、まだ油断はできない。
前の熊の時も1発じゃ終わらなかったし、今回もそんな簡単に終わるとは思わない。
やはりというべきか、のそのそと立ち上がり、何事もなかったように首をコキコキ鳴らしていた。
それでも、ダメージは入っているみたいだから少しホッとする。
「これでノーダメージだったら、倒す方法なかったな」
なんて呑気に思っているが、状況的には結構危ない状況だったりする。
フルスイングしても、まだ余裕を見せているって事は後5発くらいは打ち込まないといけない感じだな。
「キシャシャシャシャ」
ゴブリンは奇妙な笑い声を発しながら、また俺に大剣を振ってくる。今度は斜めに振り下ろしてきたため、それをバットで防ぐ。
防いだまではよかったんだが、バットの半分くらいまで切られてしまった。
そりゃそうだ。刃物を相手にしていると、木のバットじゃどう頑張っても太刀打ちできない。
そんなのわかっていたが、これまでの経験からこのバットは最強で、何があっても折れる事はないだろうと思っていた。
後一回当てたら、これは折れるだろう。そしたら俺の武器は無くなってしまう。一撃で倒せればいいが、上手くいくかわからない。
ま、まぁここは洞窟だし、最悪石でも投げてれば急所に当たって倒せるだろ。というかそれしか方法がない。
「ははっ、結構詰んでるなこの状況」
笑いしか出てこない。たった一回防いだだけで、この有様だ。
そんなの関係なく大剣を振ってくる。それをなんとか回避して、また同じ所にフルスイングする。
その瞬間、バキッと音をたてて俺のバットが真っ二つに折れた。
ゴブリンも吹っ飛んだのを確認して、今度は丁度いい大きさの石を拾い集めた。近くに先が尖って鋭くなっている石もあったので、これはとどめを指す用として拾う。
数十秒後。なんとか立ち上がったゴブリン。足はすでにプルプルと震えていた。そこがチャンスだと思った俺は、すかさず石を全力投球した。
投げた石は、目で目視できないくらい速く、気づいたら喉元に命中していた。
その後すぐにグチュッと潰れた時のような音が聞こえた。
喉が潰れたみたいだった。
投げた俺も驚いていた。まさかここまで強くなっていたとは、微塵も思っていなかった。
これなら心臓のある所を目掛けて投げれば倒せるな。こんな尖ってて鋭いやつが当たれば終わるな。
今度は心臓目掛けて全力投球する。
やはりというか、尖っていた石は中まで突き刺し、心臓まで届いた。口から血を吐いて倒れていくゴブリン。その後数分待ってみるが起き上がってこなかった。
「ふぅ、なんとか倒せたな。そういや、もう一方の分かれ道の方にもゴブリンがいるかもしれないし、確認しにいくか」
流石に明日もう一度ここにきたいとは思わないし、片付けるなら今日がいい。
それに最後に戦ったゴブリンみたいなのがいなければ、石を投げただけで倒せるだろ。
もう一方の分かれ道をくまなく探したが、あったのは果物や草食動物などの食料だった。
食糧庫といった所だった。
確認もでき、ゴブリンを一匹残らず倒す事ができた。
「これでクエスト完了だな。早速ギルドに報告する為に戻るか」
俺は森を後にして、ギルドに向かった。
初めてのクエストで思った事は、木のバットじゃ剣には勝てないという事を学んだ。今度は今回の報酬で、剣の素材を使ってバットを作ってもらうことを決意した俺であった。
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