ゴブリン討伐①
ブックマーク等ありがとうございます!
執筆するに当たりとても励みになっています!
それでは6話目もよろしくお願いします!
「な、なんですか! このあり得ないステータスは?!」
俺のステータスを見たリュカは驚きながら言ってきた。なんなら、少し肩を震るわせていた。
「ん? これはそんなに弱いのか?」
「いいえ、逆です! 強すぎますよ! ここにくる前になにかしてたんですか?!」
「ただバットを振っていただけだ。他は大きい熊を1匹倒したくらいだ」
そう言って俺はバットをリュカの前に出す。
リュカはそれをみて、あり得ないというような驚いた顔をしていた。
「この木の棒を振り続けただけでステータスがあんなに高くなるなんて?! それにこれでジャイアントベアーを倒しちゃうなんてありえないです!」
「流石に1発じゃ倒せなかったぞ?」
「で、ですよね〜。って、1発とか何発とかの問題じゃないんです! この木の棒で倒せたっていうことが凄いんです!」
「そ、そうか」
「そうなんです。ジャイアントベアーを倒しちゃうし、最初からLv30っていうのもおかしいですし、ステータスも規格外ですし!」
「そ、そうなのか。ちなみに、平均はどのくらいなんだ?」
「Lv30の平均は300くらいですね。何かに特化していたとしても、500以上の人は見たことありませんから!」
リュカにそう言われた後、改めて俺はステータスを見た。確かに筋力が1000以上と、凄いことになっていた。
これ、ちょっとしたチートだよな。ま、まぁ素早さとかは平均以下だし、魔力に関しては0だから、なんとも言えないけど。
「なるほどな。でも、魔力が0ってことは魔法とかは使えない感じか?」
「それは、そうですね。魔力がないので、魔法系は一切使えませんね」
「例えば魔法の種類は何があるんだ?」
「そうですね〜。傷口を癒してくれるヒールや武器に効果を付与するエンチャントとか、他にも炎を出したりと、大体の事は出来ますね」
「魔法はかなり便利なものなんだな」
という事は、1人くらいは魔法使いがいた方がいいかもな。炎とか使えると、一生懸命火を起こさなくても良くなるだろうし、何かと便利だ。
「そうなんですよ! なので大体のパーティーに1人は魔法使いがいます! リュウヤさんも、パーティーを組まれる際は、その辺を参考にしてみてくださいね!」
「そうだな。ところで、今からクエストって受けられるのか?」
「はい! と言っても、人気なのはもうみんな受けちゃって、今はゴブリンとかしかないですよ?」
「ならゴブリン討伐のクエストに行くよ」
「ゴブリンは巣を作り、そこで生活しています。なので1匹いればそこには数十匹いることになります」
「なるほどな。それで、ゴブリンは強いのか?」
「いえ、単体ならそれほど強くありません。ですが、それぞれ武器を持っているので、一斉に攻められたら一筋縄じゃいかないでしょうね」
「なるほどな」
という事は、おびき出して1匹ずつ倒せばいいか。
ステータスを見たが体力の欄がなかったし、1度の攻撃で死ぬ可能性だってあり得る。ここは慎重に作戦を練った方がいいな。
「それと最後になりますが、冒険者はそれぞれランクで分かれています。上からS、A、B、Cと4段階です」
「俺のランクはどこになるんだ?」
「リュウヤさんは駆け出しなのでランクCです。功績を挙げていけば、どんどんランクが上がりますので、頑張ってSランクを目指してください!」
「まぁ程々に頑張るわ」
「はい! 頑張ってくださいね!」
その後すぐに、俺はゴブリンを倒すためにギルドを出て森に入った。
今回は長期戦になりそうだし、まずは寝床を探さないとな。
「寝床も確保したし、ゴブリンを探すか」
森を歩いていると、2匹のゴブリンが視界に入った。周りには他のゴブリンがいない所を見るに、他のゴブリンどもは巣の中にいるのだろう。
なら簡単だ。この2匹を倒してしまえば、なかなか帰ってこないこの2匹の様子を見に、また何匹か出てくるだろ。それを狙えばいい。
ゆっくりと気づかれないようにゴブリンに近づく。
俺の武器はバットしかない。熊には通用したが、ゴブリンに通用するかもわからないし、何より通用しなかった時がやばすぎる。傷をつけられた地点で俺の負けだ。なにも持っていないからな。
恐怖心からか、手が震えている。手汗も尋常じゃないほど出ている。
それでも俺は、やるしかないんだ。それに、このバットは熊の攻撃も防げるんだし、凄いバットなんだ。槍くらい防げるだろ。
2匹に気づかれないように背後をとり、そのまま俺は1匹にバットを振り下ろす。
するとグチャッと音を立てて頭が割れ、血が噴き出す。
こんなに簡単に頭蓋骨が割れると思わなかったが、この程度の力で倒せるなら、余裕だ。
もう1匹も俺に気づき槍で攻撃してくるが、それをバットでいなし、そのまま突きをおみまいする。
またもグチャッっと音が鳴ったと思ったら、今度は首が吹っ飛んでいた。首が吹っ飛んでも、まだピクピクしていたので、胴体の方にも攻撃する。
内臓が潰れたような音が聞こえた。
こんなにも呆気なく倒せると思わなかった。
「これなら何匹きても余裕だな。わざわざ長期戦にする必要もない、か」
俺は2匹が持っていた槍を拝借し、巣だと思わしき所にその槍を投げた。物凄いスピードで飛んでいった槍。その後すぐに奇声が聞こえてきた。
もう一本の槍も同じように投げた。
すると、また当たったのか奇声が聞こえてきた。
「これで4匹か。残り20匹くらいか?」
何匹いたって、対して強くないことが分かった以上、行くしかない。
寧ろこの巣の中でバットを振った方が、一掃出来るかもしんないし。
中に入って進んでいくと、分かれ道が出てきた。
俺が投げた槍は、まっすぐ飛んでいったと思われるため、ゴブリンがいるのはまっすぐだろうと推測し、まっすぐ進む。
やはりというか、中にはゴブリンが沢山いた。それも皆武器を持っていた。槍もあれば弓のやつもいた。驚いたのは剣を持っている奴がいた事だ。
こいつら、人間から武器の使い方を学習しているのかもしれない。
「それでも、やるしかないか」
俺は再度心を奮い立たせる。
3匹で突進してきた奴らを突きで仕留める。筋力が高いためなのか、剣と同じかそれ以上のスピードが出せている気がする。まぁ剣を振った事ないからわからんけど。
その直後、横から2匹が槍で攻撃してくるため、槍の軌道を見ながら屈んで避ける。その後、瞬時に持ち替えてバットを軽く振る。すると2匹の首も飛んでいった。
意外と片手でも簡単に振れるようになってたんだなと、感心している間に、また何匹かが突進してくる。
正面から突撃してくるため、思いっきりバットを振った。凄まじい風が吹いたと思ったら突撃してきた数匹はグチャグチャになっていた。嬉しいことに後ろにいたゴブリンたちも吹っ飛んでいた。
何匹かは風圧に耐えれなかったのか胴体が切れている奴もいた。
「ふっ、やはり毎日素振りをする事が大事だったんだな」
心で思っていたことがつい口から出てしまった。
俺はまた落ちている槍を拾い、投げた。拾っては投げてを繰り返した。
殆どのゴブリンを殺すことができ、残るは剣を持っているやつだけになった。
見た目は他のゴブリンとは明らかに違い、大きさや筋肉のつき方を見ただけでも、こいつがこの巣のボスで1番強いということはわかった。
「後はあんただけだな」
俺は剣を持ったゴブリンに立ち向かった。
読んで頂きありがとうございました!