森での生活
よろしくお願いします!
周りを見渡しても森しか見えなかった。ここが日本ではないってことだけはこの地点でも分かった。
ならすることは1つだ。まずはここがどこなのかを探る必要があるな。それに、生活できるだけの物があるのかもわからないしな。飲み水の確保は大事だと思うし、前に水を取らなすぎると死ぬって事を聞いたことがあるし、まずは川を探すか。
数十分森の中を探索しているが、なんか冒険してるみたいで少しテンション上がるな。
1時間程探索してると、川を見つけることができた。深さも太もも近くまであるし、水浴びも可能だな。それに探してる途中に果物や山菜も見つけることもできたし、なんとか生きていけそうだな。
ならなんの問題もないな。川の近くに寝床を決め、俺はおもむろにバットを取り出した。
「そんじゃ、寝床も確保できたし、日課の素振りでもしますか!」
俺はいつも通りにバットを振り始める。
時間も沢山あるし、いつもより多めに振っておくか。今の俺には、ここがどこなのか検討もつかないし、悩んでいたってしょうがない。
あれから1ヶ月程が経った。最初はつけることができなかった火も、なんとかつけることができ、生活は充実していた。素振りの方も毎日何万・何十万回とバットを振り続けた。
バットを振り続けているうちに、だんだんとこのバットが軽すぎると感じるようになっていた。おもちゃのバットを振っている感覚になっていた。
「これより重いバットなんて、この森にあるわけないし、どうすっかな」
周りを見渡してもこの1ヶ月見てきた森しか見えない。木を倒すことができればいいんだが、このバットじゃ完璧に無理だ。
「そうか! 川の中に入ってバットを振れば、下半身のトレーニングにもなるし、水の重さでさらにバットが重く感じるだろうし、一石二鳥だな」
それから、毎日川の中に入り、バットを振り続けていた。だんだんとスイングが鋭くなり、バットを振るだけで魚が宙を舞うという、奇妙な事もできるようになった。
1ヶ月もすれば川の中での素振りも慣れてきて、物足りないと感じるようになった。
食糧を探してる時に、丁度バットに適していそうな木を見つけてしまった。
「どうせ無理だろうが、一回だけこのバットで叩いてみるか」
その木に近づき、フルスイングしてみた。すると、叩いた部分から真っ二つになっていた。
「は? こんな事ありえるのか? ただの木製バットだぞ? 元々木が腐ってたとしか思えないんだが?」
まぁ疑問に思う点しかないが、これで丸太が手に入った。だが、このままじゃ振るにしても大きすぎるし、加工が必要だ。だが、俺にその技術はないし、丸太での素振りは見送るしかないか。
でも、バットってこんなに便利な物だったとは知らなかった俺であった。
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