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─2 自己分析

 「あーう《知らない天井だ》」


 妙に体が重い。というか動かない。それに誰だ?この赤ん坊の声は。

 とにかく、どうにかしてこの状況を打開せねば。

 屋内にいるっぽいから、せめて誰かは居るだろう。その人に状況を説明してもらおう。


「ああーうあー《誰か助けてー》」


 俺は喋っているはずなのになぜ声が聞こえない……?

 いや違う。

 さすがに察しの悪い俺でも分かった。


 これ、転生したわ。



 どうしようもなさそうな現実に打ちひしがれていると、遠くの方から何かの音が聞こえてきた。

 がしかし、耳になにか詰まっているのか音がするだけでどんな、なんの音なのかは判別できない。


 くぐもった音が近づいてくる。

 右側にある、おそらくベッドの経りであろう壁から顔を出したのは、金髪色白の美人さんだった。


 俺を抱き寄せて頬ずりしてくる。

 どんな幸運だ。と胸が高鳴っている最中、猛烈な眠気が俺の体を襲った。

 あっ、そういえば俺赤ちゃんだ。


 そうして初めての異世界活動が終了した。



 何日か経って、全く動かない体に慣れてきた。

 下半身を垂れ流すことも、美人さんのおっぱいにむしゃぶりつくのにも。


 人間の精神やら倫理っていうのは案外しぶといらしい。

 さらに、日を追う事に俺の中でなにか、違和感のようなものが強まっていった。


 それが何かはまだ分からない。なにせ、赤ん坊だ。ちょっと考え事をするとすぐに眠くなり強制シャットダウンが起こってしまう。


 分かったことといえば、まずこの世界の文化レベルはそこまで高く無いということ。

 食器や家具はほとんどが木製、もしくは陶器で、プラスチックを未だに見ていない。

 また、一応紙っぽいものはあるのだが品質は粗悪で、使いにくい。

 それどころか、電気も通っておらず灯りなどは火を使っている。


 次に、この家はきっとそれなりに裕福らしいということ。

 俺を世話する人が金髪美人さん以外に、給仕服を着た女性が何人かいるのだ。彼女らは、金髪美人さんと俺には丁寧な対応をしている。

 予想できるのは俺が金髪美人さんの息子で、世話を見てもらってる可能性……というかこれで決定だろう。


 何にしても、今後元の世界に戻れる保証なんて一切ない。そう考えると、実家が裕福なのに越したことはないはずだ。


 あぁ。また強制シャットダウンが来てしまった。




 また何日か、いやきっと数ヶ月はたった頃だろう。

 首もとっくに座り、そろそろはいはいも視野に入ってきた。 

 その数ヶ月で耳も聞こえ、視界も産まれたての頃よりもクリアに見えるようになってきた。


 ここに来てようやく分かった、ものすごく重要な新事実を皆さん(誰に言ってんだろ)に伝えておきたいと思う。


 どうやらこの世界。俺が作ったらしい。

 いや正確にいうのであれば、俺が「書いた」のだ。


 俺がこの世界に来る前夜に完成させた、処女作。その世界と、あまりにも設定やら環境やらが被りすぎているのだ。


 どういう訳か聞こえる単語が日本語なのだが、そんなことは置いておいて、キャラクターの名前が、自分が考えた名前になっている。

 金髪美人さんの『ソーラ』。父の『ルマート』。侍女の『カノ』、『ファイン』。

 そして主人公(俺)の『ソルマート』。

 どれをとっても同じだ。


 このことに気づいたあとすぐに俺が気にしたのは、今後の出来事の運びである。

 俺が作った通りの物語に沿って出来事が起きるのか、それとも全く関係ない、予期せぬ事が次々に起こっていくのか。


 どちらにせよ、この世界が俺が書いた世界だった場合、俺にはクリアしなければいけない問題がある。


 それは……魔法だ。

 設定の羅列になって申し訳ないです。

 今後も、1話これくらいのミニボリュームな感じで進めていきます。

 投稿ペースはマチマチで、書ける時に書く感じで行きます。

 時間は、今後また変えるかもしれませんがしばらくは、21時の予約投稿で行きたいと思います。

 私事ですが、9月初めは死ぬほど忙しいですのであんまり期待しないであそばせ。

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