-1 プロローグ
「終わったぁ」
2020年、○月✕日。
およそ2年間に渡って書いてきた処女作が、その長い物語の幕を閉じた。
総文字数120万。総ポイント約1万。ブッケマーク数約2000件。評価人数約700人。
超大作という訳でも、超大人気小説という訳でもなかったが、2年続けただけあってそれなりに数はついてきてくれた。
ラノベ1冊で換算すると、およそ12冊。
そう、この2年間で本が12冊できるぐらいの文字を書き連ねたのだ。
処女作であり、全くの初心者から始めたにしては頑張った方だろう。
誰に自慢できるでもないが静かに胸を張る。
更新した後、サイトのマイページに戻ると「感想」マークが追加されていた。
達成感に浸りながら、クリックで開く。
「お疲れ様でした!!」と題された本文は、キャラクター達への労いの言葉と、作者である自分に対しての感謝の言葉が並んでいた。
深夜0時。17歳男性。自身に来た感想によりむせび泣く。
一通り泣き終わったあと、添付されていた画像を開いた。
それはなんとまぁレベルの高いイラストだった。作中に登場したキャラたちが、こちらを見ながら手を振っている。上にはThank you!
もう1泣き。
Twitterで更新告知と、完走報告を書き込んだ後、ベッドに伏した。
なんていい日なんだ。次回作も頑張ろう。待ってくれてるみんなのためにも……。
心地良い気分で薄らぐ意識の中で、幻想だろうか。景色が変わっていく気がした。
夢に誘われているんだろう。
そんな、漠然とした認識で放っておいた。
目が覚めると、見たことの無い天井だった。
主人公みたいにエタらずにかけたらいいなぁと思ってます。頑張ります!