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星前学園では複数人の特級導師が各国に対して権力を使い巨額の国費を利用して設立された学園でオーナーは便宜上特級導師のみが成ることの許された対ファインド戦闘員育成専門学校だ。今日、大陸で有数の元帥、大将クラスを輩出するカリキュラムの基盤を作った学校であり、それをマネする学校も多いが常に時代の最先端の学習を行うためそれが追い付かないがために最先端の戦法を学べる最高峰の学び舎として学園に隣接する近隣諸国にも名高い。現在、ほとんどの国で名手と呼ばれる存在の約半数がこの学園の卒業生という確固たる事実が存在し、それゆえに星前学園には各国での軍人を志すもの全ての者達の憧れの聖地となっている。その必然的な流れとして学園の生徒や講師達は自分が学園の輩であることを皆等しく誇りに思っており、その誇りを胸に日々自己鍛錬に励んでいた。彼らに迷いはない。そのひたむきなる研鑽が、将来戦場で培われる経験にするためのものであることを、自らに確固たる地位と栄光を約束してくれることを正しく理解しているからだ。よって、この学園に遅刻する、サボるなどというその辺の日曜学校のような意識の低いことはまずめったに発生しない。ましてや生徒のひたむきな熱意に応えるべき講師が授業に遅刻するなどという事態は通常ありえない。ありえないはずなのだ。


「……遅い、いくら何でも遅いわ!」


星前学園5号館校舎5階の最奥、1級導師2次生星2組の教室。正面のデジタル黒板と白く塗装された教壇を、これまた白く塗装された名が机が半円状の取り囲む構造の座席、その最前列の席で苦言を漏らしたのは今回冥界補習を受けることになったスピアである。


「確かに変ですね。もうそろそろ着てもおかしくはない時間に思えますが……」


そういうのはアストリアである。


「そうです。というかアストリアあの時はどうにかならなかったのですか?」

「あなたが虐めをしていたことは紛れもない事実ですし、クレスさんもうまく立ち回らなかったのも事実です。特級導師にそのことを言われては私に成す術はありませんでした」


基本的にだが彼女たちは仲がいい。そのためスピアのやることにも駄目だと口では言ってはいるもののクレスの発言はこの学園での立ち振る舞いとしては間違っているため検挙する気にもならなかったのだ。


「それにしても遅いですね。もう戦闘訓練の時間だというのに」

「そうですわ、こんなに遅刻するなんて人間としてどうなんですの?」


もはや言いたい放題だった。

だがそんなスピアにも天罰が下った。


「遅く悪かったな。お前らの補習内容について話し合っていたんだがな」

「あ、あなたは今朝の!」

「いかにもアルゴだ。遅れてしまったのはすまなかったと謝るしかないがこちらも仕事でね。まあ大目に見てくれ……自己紹介はそうだな……」


少し悩みだしたアルゴ。


「……時間をだいぶ押してしまったようだしせっかくの戦闘訓練の時間だ。次の時間も戦闘訓練だからそのまま俺と戦闘訓練をするということで良いかな?」

「それって私たち全員を相手に戦うってことでいいの?アルゴお兄ちゃん」


「「「え……お兄ちゃん?」」」


クラスの半数近くがその言葉を漏らした。


「もちろん、君たちにはけがをさせないよ。後、クレスとは孤児院が一緒の幼馴染なだけだから成績は平等につけるから心配することは無いように」

「それはわかりましたが全員が相手とはいささか私たちを舐め過ぎではないでしょうか?アルゴ先生」

「舐めるも何も俺は戦場経験者だしその程度の修羅場をくぐらなければ生きてこれない人物が目の前に居るんだ。舐めてはいないし君たちの行ってきた自己鍛錬の練度も見たいしね。全員で来てもらった方が手っ取り早いんだよ。」


1人の眼鏡をかけた青年の問いに答えたと同時に教室全体を威圧した。

そして生徒たちは悟ったのだコレには個人では勝てないと。


星前学園第2校庭


田舎の高校の校庭並みにだだっ広い校庭で戦闘が行われていた。


「今から攻撃するものは出席番号と名前を一緒に言うことな」


太極拳でよく用いられる化勁を利用して腕まで入る大きなチャクラムを回しながら生徒たちの攻撃を次々といなしていくアルゴは不意にそんなことを言いながら戦闘を始めた。


「出席番号5番イッカクいざ参る【星座武装 ユニコネル・ランス】」


まるで武士もののふのような喋り方で槍を構える男子生徒。


「うーん君は名もなき星だが実にいい星だねユニコーンの目だろう」

「なぜ某の星のことを!?」

「見ればわかるさ」


その武器とグローブの星の数が一つということからイッカクの【星々の加護】を推測することができた。

そしてチャクラムを使い槍の間合いに滑り込むように走り出して一撃で気絶させた。


「ほらほら、どんどん来なさい」


一番槍の彼が倒れてから生徒たちは空気が変わり連携を取ろうと話し込んでいた。


「じゃあアルゴ先生行くぜ出席番号17番プロミス【星座武装 プロミネンス・ロッド】」

「はいよ」

「出席番号23番フォクシー【星座武装 フォクシネル・ブルーム】」

「おや不意打ちかい?」


プロミスが先に火炎弾で弾幕を張り上空からフォクシーが奇襲でさらに炎の弾幕を張る。

アルゴはそれらを冷静にチャクラムを時に投げたり素手の化勁で捌いたりする。


「お前らなちっとは頭を使えよ」


どんどん口が悪くなっていくアルゴ。その姿はまるで東方にて多く確認されるファインド、鬼によく似ていた。

アルゴは何の推進力も無しにただ足の脚力だけで宙にいるフォクシーをもとへ一気に跳躍して手刀で気絶させた。

それをプロミスが狙うがその時にはすでにチャクラムによって杖を転がされていた。


「な!?」

「ほい、そんじゃ寝てな」


落ちてくるタイミングでそのまま気絶させる姿勢に入ったが……


「【星座武装 スコーピオン・アロー】」

「うんいい攻撃だがそれの対策は取ってあるぜ」


ガキンと音が成りチャクラムがスピアのスコーピオン・アローをはじいた。

そして予定通りプロミスを気絶させた。


「そう簡単には取らせてくれませんわね」

どうか私目に星々の加護を(笑)

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