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「アハハハハハハハハハ!」


ここは校長室学園にとって一生徒は入ることは大変名誉なこととされるほどのこの場所で大笑いをあげる若い容姿の女性がいた。


「笑い事かねティターニア教授」


無残に散った焼け野原を持つ校長とは対照的に、ティターニアはいかにも超然とした美女だ。

外見は二十歳ほどだろうか。クリスタルのように透き通った豪奢な白髪に近い銀髪、鮮血を想起させる真紅の瞳。その相貌は間近からのぞき込めば、思わずぞっとするほど見目麗しく整っており、仄かに漂う妖しい色香が魔性を感じさせる。すらりと伸びる手足が艶めかしいその肢体は、まるで美術モデルのように、いかにも女性らしく過不足ない完璧なプロポーションを誇っている。身にまとうは丈長の白いドレス・ローブ。貞淑な雰囲気を漂わせながらも、開放された胸元や、ベルトで強調されたボディラインはそれを超えてなお、艶美。

なんとも派手で妖艶な出で立ちだが、それを着慣らす圧倒的な器量と華がある——ティターニアはそんな、どこか浮き世離れした雰囲気の娘だ。しかし、その全身から醸し出される風格は高貴で誇り高い貴族のそれであり、さらに言えば校長の勤務している、この山のように大きな学園のオーナーもティターニアであり、校長は単なる飾りに過ぎない


「そりゃあ笑い事だろ。だって3級教師の資格取ったやつが実は特級導師だったんだ。笑い話にはもってこいだろハゲ校長」

「ハ、ハゲ校長!?君の口が悪いのは当然だが特別導師が学園に二人も居ては国から何を言われることか」

「別にいいんだろう。あいつは特級導師の中でも国には属さないタイプだし放浪癖でこっちに来ただけってところだろ」


「だが特級導師《君だけ》でも私達持て余しているのだぞ」

「当然だろ、特別教授は基本人格破綻者だ。私のような寛大な方で合っても変なのは自覚しているからな」


ハハハと笑いながら自身の胸を叩くティターニア

本当に寛大なのかと振り回せられる校長は思いながら話を続ける


「しかしだな」

「しかしもなにもねえだろアイツは嘘は吐いてねえ。特級導師は称号であって資格ではない統括が勝手に決めたことだ」

「それはそうだが……」


尚も食い下がろうとする校長。

だがそれをティターニアは手で制して口を開いた


「いいんだよアイツは両方持ってるイレギュラーだしいっそのこと両方教えさせればどちらの生徒にもいい刺激になるし私の研究も捗る。一石二鳥だろ?」

「君の研究?」

「言ってなかったか、私の研究は「魔界の魔物のことだろう」……久しぶりじゃないかおしめ変えてやったお前が少しは丸くなったかと思ったら生意気のままかアルゴ?」

「変わっていないのはそっちでしょう。あなたには孤児院の頃からお世話になっていますが容姿はずっとそのままでしたよ」

「おっとそいつは失礼したな。ま、お前も時期にそこに行き着くんじゃねえの」

「私はそうなる気はありませんのでね」

「ってかその口調辞めね?気持ち悪いから」


 ティターニアは子どもの頃から面倒を見てきたアルゴに敬語を言われるのはむず痒かったらしく口調を崩すよう提案してきた。

 一応上司である校長に言葉を崩していいものかと目配せし校長はコクリと頷く。

 その反応を見たアルゴは他に人がいないことを確認すると口調を崩し始めた。


「はあこれでいいかティターニア?」

「え、違うだろティターニアお姉ちゃんって呼んでたじゃないか」

「それはいつの話のことを言ってるんだ?」


「ウホンその前に君たちは知り合いなのかね?」


校長が話に割り込んできた。

アルゴが突然と現れたのもそうだがどこから突っ込めばいいかわからなくなりタイミングをうかがっていたのだが話が長くなりそうだったので割り込むことにしたのだ。


「「知り合いも何も孤児院で育った(育てた)仲だが?」」


ハモって答える二人。


「そんなもん聞いておらんぞ。しかしそうかプロフィールにはティターニア孤児院の出とは聞いておったが君の名前そのままの孤児院だったとは」

「ああすまんすまんプロフィールに書いてあるから気づいていると思ってたわ、孤児院の奴は他にもいるから知ってるもんっだと」

「君と違って生い先短いもんでのボケが始まったのかもしれんがのう。というかティターニア君は学園に居ることが少ないではないか」

「ああ悪い悪い孤児院の子どもたちが放してくれないんだわ」


笑いながら答えるティターニアであったが校長は彼女は基本実験室にこもっているものだと思っていたのか動揺を隠しきれなかった。

アルゴはそういえば基本的に孤児院に居た人だったなと思い浮かべながらこの人社会人としてはいいモノなのだろうかとそんなことを考えていた。


「君たちが知り合いなのはわかったが特級導師が2人なのはちと面倒事になるのではないのかとわしは踏んで折るのだが?」

「そこらへんは大丈夫だ。戦力に関していえば特級導師の下の下ってところだしティターニアほどの戦力じゃねえから。えっと確かはいこれ」


アルゴは書類三つほど取り出し校長に渡す。

ティターニアはそれを覗き込むようにして見る。


「なになに?ふむ確かにこれならばここの方が適材と言えるかのう」

「へえ、確かにお前の両親たちならありえなくはないしな。ところでこれを知ってる奴は?」

「これから冥界補習を受けるであろう数名と星徒会長、後はクレスだな。」

「わかったじゃあ初担任にはそいつらが居るクラスに配属してもらう。なあまだアレは聞くよなハゲ校長?」

「もちろんじゃ担任ぐらいすぐに変えてやる。そして私はまだ禿げ切っていないがのう」


話が終わると3人は顔を見合わせて


「「「ククク、これであの頭でっかちどもに波乱を巻き起こせそうだな(のう)」」」

どうか私目に星々の加護を(笑)

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