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初めましてとそうでない方もよろしくお願いします

ここは星前学園せいぜんがくえん

数十年前に起こった星前戦争時、突如現れた第三勢力もとい自然災害とも呼べる魔界からの使者ファインドと呼ばれる存在が現れ戦争は停戦を余儀なくされ当時奴らと相対し生き残った者たちによって対ファインドのための学園が敵との垣根を越えて創設されたが年々その実態は変わっていき戦争の再現でもしているかのように星々の加護を持つ者と前世を持つものが争いだしたのだ。同時に星々の加護を持つ者と前世を持つ者が個々で対ファインド養成施設を作っためにより一層それは深まった。

星々の加護を持つ者と前世を持つ者の両方が乱立するこの学園では例え同じ派閥であっても他の派閥を擁護する者は潰される恐ろしい学園だった。


そして今日もまた調教行動が行われていた。


「わたしは絶対に認めません!」


青みがかった黒髪に140センチほどの小柄な身長、そしてそれに似合わぬ大きな胸部、透き通るようなサファイアを思わせる青い瞳。手入れがされていない肌にもかかわらずきめ細かさを保ったそれは天真爛漫さを醸し出しまるで妖精のように可愛らしかった。一方、すれ違う誰もが手を振りたくなる可愛らしい容姿とは裏腹に青みがかった黒髪を持つ少女の服装は少々奇抜であった軍服のような白い制服に加えて青色のプリーツスカート、そのスカートの上にまるで星空のように散りばめられた詩集のあるレーススカート、しっかりした服装とおしゃれした服装が融合していながらも全体のバランスの取れた不思議な服装であるというのにさらに左手には何やら星座のシンボルが描かれた手袋がはめられていた。

その美しい容姿を持つ青みがかたった黒髪を持つ少女は生傷を負いまるで心は決して力に屈しないと言わんばかりの騎士がごとく目の前に移る人物を射抜き殺さんがばかりの眼差しで相手を見つめていた。


「あら、なら神話のヘラクレスのように私のサソリの毒で屠ってくれるわ」

「それでもわたしは誓ってあなたの言う通りにはしません!」


赤みを帯びた黒髪に160センチほどの女子にしては少々大きめの身長、それに付随するかのようにモデルのような芯の一本通った姿勢の良さ、ハーフアップにした髪形が彼女の首筋を強調し肌のきめ細かさを引き立てる。そして金色の瞳に一度魅入られれば男はイチコロ、青みがかった黒髪の少女とは対極を成す美しさを持った少女だった。彼女らも青みがかった黒髪の少女と同じ服装をしているが手袋のシンボルの星座だけが違い、赤みを帯びた黒髪の少女以外は星が一つだけだった。

青みがかった黒髪の少女をいじめているかのように糾弾していく赤みを帯びた黒髪の少女。赤みがかった黒髪の少女の周りには取り巻きらしき者もいる。

取り巻きたちはただ見ているだけでなく見下すような目つきで強者につくのが利口だの協調性がないだとかそんなことを言ったりしていた。


「【前世】持ちの方にだっていい人はいます!」

「それが最後の言葉ね【星座武装スコーピオン・アロー】」


そしてサソリの尻尾の形状をしたダーツ状の羽のない矢が襲い掛かる


「【星座武装アテーネ・イージス】」


その矢は糾弾されている少女には届かず突如現れた乱入者の彼の持つ盾によって防がれた

混じりっ気のない純粋な黒髪にソフトモヒカンといった運動小僧のような髪形、そしてそれに似合わぬ身長180センチほどは有りそうな巨体、筋肉の一つ一つが服の上からでもわかるほどピチピチの恰好は服のサイズが見つからなかったことを思わせるようだった。そしてその服装は無地の白い長袖Tシャツに現場のおじさんが使ってそうなポケットのいっぱいついたGパンというファッションセンスのかけらもない姿だった。だが彼はさらに不思議なのは彼の両手に白と黒の違う色の手袋がされており、彼は白い手袋には取り巻きの彼女らと同じように星が一つあるが黒色の手袋には禍々しい絵が描かれていた。


星座武装

星座の力を神話の形態に変え身にまとう神秘。それは著名な星座、星ほど力を増す力。元々は戦争に使われた力であったが今ではファインドに対抗する力の一つとして使われている。


「大丈夫か?クレス」

「うん!アルゴお兄ちゃん!」

「いやあ大きくなったな」

「もうお兄ちゃんったら同い年だよ私たち!」


抱きしめ合いお互いの成長を確認し合う二人はクレスと呼ばれた少女に方が140センチと小柄な身長に対して突然現れた彼、アルゴの身長が180センチと大柄であったがまるで兄妹の感動の再会のようなワンシーンであった

だが赤みを帯びた黒髪の少女はそれどころではなかった


「私のこの【スコーピオンの加護】の一撃をいなしたですって!?」

「嘘ですスピア様の星座武装が破られるなんて!」

「しかもあの男【星座武装】ですら無いたった一つの星だけの武装で」


 彼女自身と取り巻き達は自分自身が見た者が信じられないとばかりに否定し続けていた

 スピアの【星座武装】は星々の加護を持つ者のなかでは最高位に位置する技で黄道十二宮を持つ【スコーピオン】なら尚更であった

 だからこそ彼女らは自分が見ていた者が信じられないのである

 88星の中の星座ですらないどこぞの馬の骨かもしれない星々の加護に性能で負けたのだから


「そんな筈ありえませんわ!もう一度【スコーピオン・アロー】!」


もう一度人類最高峰の加護を持った一撃スピアは放った


「感動の再会に邪魔をするとは……いい度胸だ。【転生武装 海王との不倫ポセイディアン・アルゴル】」


突如激流が現れ蛇を象り、鋼鉄を貫く毒の矢を打ち砕かんと唸る


転生武装

星座武装と同じく戦争に使われた力。前世における最も扱いし得物を手にすることでその技能すらも扱うことができる力。例えそれが無名の人物でさえ圧倒的武力を持っていればそれに準ずる力を持つことができる


「転生武装!?まさか対立する【星々の加護】と【前世】を両方持っているというの!?」


歴史上でそんな話聞いたことが無かった

クレスや取り巻き達も同様に驚いていた


「次は撃つぞ」


そう言い水の大蛇を唸らせた

スピアは恐怖で足がすくみ動けなくなっていた


「そこまでです」


ふと後ろから声が聞こえた

振り向き出てきた人物を確認するとアルゴは武装を解除し戦闘態勢を解いた。

純金を溶かし流したような金髪のセミロングヘアと、やや吊り気味な翠玉色の瞳が特徴的な、スピアと同い年くらいの少女である。雪も欺く白い肌、彫像のように硬く精緻に整った端麗な容姿はいかにも誇り高く勝ち気そうで、まるで妖精のように凜々しく、眩い。今、その表情はいささか消沈しているものの、それでも涼やかながら凛とした覇気が、その立ち振る舞いの端々から見てとれる少女がそこに居た。


「アストリア星徒会長!」


この学園には生徒会は存在せず星徒会と世徒会なるモノが存在する

星徒会は星々の加護を持つ者が世徒会は前世を持つ者が取り仕切る生徒会に当たるところで双極を成す二つが存在することでこの学園のパワーバランスは保たれているのだ

そんな星徒会長がわざわざこちらに出向いてきたのだ。生徒たちは驚かないはずがなかった

アストリアは金髪の髪に光を照らしながらスカート靡かせアルゴの方にに歩いてゆく。


「アルゴ先生、アナタはいちいち生徒の喧嘩に介入する程できた教師とは知りませんでしたがここは星々の加護の者たちの領分。勝手な真似お辞め下さい」

「そいつはすまなかったな。だがいじめを容認できるならお前の【星座武装】に説いて貰っても宜しいかな?」

「申し訳ありませんがおいそれと出すモノではありませんので」

「では特級導師として命ずるヤレ」


アルゴは懐からとあるシンボルを出した。


「何故アナタがそれを……プロフィールでは3級教師と書いてあったはず……」

「どっちも俺は特級導師だぜ。3級教師も持ってるけどな……それでどうするんだ?」


特級導師

それは星々の加護、前世を両日共に知り尽くし片方の奥義を会得したものだけが貰える称号。彼らは対立することはなく互いを良きライバルとし競い合う仲だ。故に嫌われ者ではあるがその権限は絶大であった。特級導師、それだけで国が揺るぐ程の力。彼らはそれを会得しているのだから


「分かりました。【星座武装ライブラ・ユースティアス】」


アストリアの前に天秤が現れた

その途端スピア取り巻き達は顔を青ざめる。


「正義の女神の名を持って正しき裁きを」

「そ、そんな……」


誰も正義の裁きからは逃れることはできない。秩序と平等を司る天秤はスピア達に裁きを与えた


「これから冥界補習を3か月続けて貰います」


聞くからに怖そうな補習であった。


冥界補習

低級ファインドが数多く存在しこちらの世界、現世界に侵攻する頻度の多い冥界に見立てた空間を作り出しそこで教官がよしというまで続けられる戦闘補習。

元来戦闘に慣れていない軍人に行う補習行為であったが現在は生徒に対しても行われている補習だ。


「あのお仕置き部屋と呼ばれるところで!?」

「スピア様諦めましょう」

「私達は行くしかありません」


「これでいいですか?アルゴ教授」


アストリアはやれやれと言った感じでアルゴを見つめた


「ああ、いいぜ」


カッコつけたその姿はクレスの目に焼き付いた


これは争いの絶えない学園に新たなる台風を巻き起こす教師の物語である

出来れば私に星々の加護を(笑)

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