将来の約束は危険なフラグ
ハーレムっぽい展開から、盗み見ている人影を見つけて隣の部屋に。暗くて良く見えないが、少し離れて立っているのは、。
そして、その小さな人影から消え入りそうな声が、
「ち、近寄らないで・・ください。」
俺「変なところを見られたかな・・」
「盗み見ていたのは誤ります。ですので、、。出て行ってください。」
だんだん目が慣れて来た。そして、次第にはっきり見えて来たのは大きな黒い瞳に涙をいっぱいに浮かべたミシャ。星の明かりで涙がキラキラと光っている。
俺「すまん。だが俺は・・。」
ミシャ「いいえ。あやまる事はありません。ヒロタンお兄様は戻って、そして、、。」
ハーレムっぽい部屋に戻って何をしろと言うの?
ミシャ「分かっているのです。それがお兄様にとっての幸せでしょう。」
俺「だがミシャは泣いてるじゃないか!」
ミシャの涙を見てしまった俺に、そんな幸せはありえない。
一歩前に出たが・・
ミシャ「来ないでください! お兄さまは、私に、、これ以上、係わるべきではありません。」
俺「何を言ってるのだ?」
ミシャ「私に係わると不幸になるだけです。」
俺「不幸?」
あー。それって、。
俺「もしかして飛行艇でのエストリアの言葉を気にしてる?」
ミシャ「真実だと思います。お兄様を危険でつらい目に合わせてしまって。」
俺「それは不幸・・とは違うよ。
まあ共和国ではミシャを危ない目に合わせてしまっただけで、結局、役に立てなかったが。」
ミシャ「で、ですので。」
俺「でも、もし、それでミシャを治せたなら、俺にとっても最高だっただろう。」
ミシャ「何を・・」
少しミシャの顔が緩んだ・・かな? でも涙は止まっていない・・。いや、むしろ、涙が溢れてる!?
それを、なんとかしたくて、もう一歩近づくと。
ミシャ「来ないで!
それでも私には何も無いのです!
後ろの部屋の皆さんのような事は私にはできません。」
俺は、なんだか汚れてしまったような気分だ。
俺「ごめん。どうしたら泣き止んでくれる?」
ミシャ「な、泣いてなどいません。ですから兄さまは後ろの部屋に・。」
俺「戻りたくないし、戻れないよ。泣いている可愛いミシャを置いて・・。」
ミシャは一度決めると、なかなか強情だ。それは分かってるが・・
でも、どうしたら良いのだろう。
ミシャ「私が可愛い?? それがいけないのでしょうね。
だから、お兄様は勘違いしている。」
ミシャが服のボタンに手をかけて・・
俺「何を?」
服が床に落ちて行く。ほぼ全て・・
ミシャの体の形容は別の意味で18禁だと思う。残虐とか、そういう基準で。
既に何回か見ているし、、今の俺は目を背けたりはしない。
ミシャ「これでも、まだ・・」
俺「寒いだろ。風邪ひくぞ。」
ミシャ「風邪? 何でしょうか? 何を妙な事を言わないでください!?」
あっ。この世界に風邪は無いのか。人間が感染するようなウイルスや細菌は存在しない。
微妙なところで異世界のワナが・・
俺「寒さで病気になるって事だよ。」
近づいてミシャが脱いだ服を拾って着せようとすると、。ミシャは、さらに後ずさって、俺から距離を取る。
ミシャ「止めてください!
この私を見れば理解できるはずです!
可愛くなどありませんし、女でもありません!」
俺がもう一歩進むと、ミシャはさらに後ずさって、、。
後ろは既にベッドで、それ以上は下がれない・・が?
ところが、ベッドまで来て気が付いたらしく、ベッドの枕元から瑠璃のついた棒を取り出した。
護身用に置いていた電撃の瑠璃?
それをこちらに向けて。
ミシャ「それ以上、近づいたら容赦しません!」
どこまで強情なんだろう・・
俺「もういいよ、それで!」
ミシャ「えっ?」
俺「それで攻撃してくれ!」
たぶん電撃だから死ぬ事は無い。気絶するだけ。今夜は、それで現実から逃げる事にしよう。
俺「それが俺への罰かもしれない。
それに、それでもう、泣いているミシャを見ないで済むからね。」
そのままミシャに近づくと、瑠璃が俺の胸にあたった。
寒さからか、ふるえていたが攻撃される事はなかった。
そのまま、泣いている裸のミシャを、できるだけ丁重にベッドに寝かせる。あきらめたように身をゆだねてくれた。
たぶん、ミシャ自身が考えているより単純な事なんだと思う。俺にとってもミシャにとっても。
俺「悪かったよ。ミシャ以外の女性と、いちゃつくような事をして。」
ミシャ「えっ! そんなつもりは・・・。」
俺「でも、ミシャの方が好きだから、こっちに来たのだよ。」
だいぶ表情が和らいだかな。
ミシャ「わ、私は、そんな存在じゃありません。」
俺「どんな存在でもミシャが良いのだが・・。」
ミシャ「私の何が良いと言うのですか? 私の体では良い事はありませんよ。」
それで不安なんだろう。だから安易な言葉は否定されてしまう。
俺「ひとつ提案して良いか?」
ミシャ「提案?」
俺「ミシャと俺で結婚しないか?」
さすがに驚いたという表情、だが、、、少し笑ったような。
ミシャ「バカげてます! それが出来ないからエミャル姉さまと結婚して欲しいのです。」
俺「後ろの部屋にエミャルはいないよ? なのに、さっきは戻るように。」
エミャルに嫉妬心は無いのだけどミシャは、。
ミシャ「・・・・。意地悪ですね。」
そうだね。
俺「ミシャがどうしたいかって事だよ。」
ミシャ「無意味です。私が何であるか考えれば。」
俺「それは、もう十分に分かってるよ。」
だからこそ。体じゃない約束が必要なんだと思う。
ミシャ「それに、そんな事をしたら、お兄様は多くの物を失いますよ。」
俺「ミシャが甘えてくれるなら他には何もいらない。」
一瞬、氷ついたと思ったが、、。
ようやく、ほんとうに笑ってくれた。
ミシャ「良いのでしょうか?」
うん。その大きな黒い瞳に満ちた期待感だけで、十分すぎるほど良いに決まっている。
俺「もちろんだ!」
ミシャ「なんだか良くわからない感じなんですが・・。」
そして、細い手で俺に抱き着いて・・
ミシャ「嬉しい!」
俺「じゃあ成立だな!」
ミシャ「・・・、。ですが、すぐには無理でしょう。いろいろとありますから。
でも、いつか・・。」
俺「・・・そうだな。いつか必ず!」
ミシャ「指輪を・・。この指輪を交換しましょう。それで約束です。」
いいのか? これ、そういう事に使って良い指輪じゃない気がするが・・。
まあ、いいや。ミシャが言うなら!
俺「良いね。交換だ!」
ミシャ「今は、ふたりだけの秘密です。」
俺「ミシャがそれで良いなら。」
そして、その夜は、そのまま。
翌朝、起きるとすぐに役人風の人に呼び出された。おかげで、ほとんどエストリアやミリアと話さずに済んだが。
城のとなりにある議事堂で朝議を開くから来て欲しいとの事。
以前も、何度か参加したが、この国の閣僚会議的な物だ。
新議長のタジャランが皆を集めたらしい。
会議室に入ると、。
議長「陛下が戻られた所で、空飛ぶ魔獣についての対策を話し合いたいと思います。」
議長と左大臣と右大臣、そして、エストリアとミリアと俺。
左大臣「帝国の危機に、皇帝ヒロタンと副皇帝のエストリアは良くぞ戻られた。
エミャルとやらは戻っていないようだがな。」
右大臣をチラっと見る左大臣の視線が怖い。
右大臣「エミャルは今日、エスタの港に着く予定だと連絡がありました。」
飛行艇は、たとえ遭難しても船より早かったわけだ。
エストリア「むしろ、私とヒロタン・・陛下が特別な方法で先に戻ったのです。」
右大臣「エミャルたちの貿易は多くの富を我々に、もたらしています。
帝国への税金だけでも100億ゴールドを超えていましょう。
戻るのが1日2日、遅れたとして、たいした問題ではありません。」
税金だけで百億って事は・・。
もしかして、共和国から、とんでも無い富を持ってきている? 泥棒のようなヤツらだな。
左大臣「エストリアたちがもたらした物資も、たいへんな量だぞ。
おかげで今の帝国は空前の好景気だ。
経済的な意味でヒロタンは大戦果をあげて凱旋したと言える。」
それで昨夜、戻った時の歓迎がすごかったのか。泥棒に近くても戦争に勝っての凱旋よりは良いかもしれない。
議長「お二人とも、今日の議題は、そういうお話しではありません!
空飛ぶ魔獣についてです!」
左大臣「あー。だが、その前に、もうひとつ、重要な議題があるぞ。」
魔獣より重要な件?
左大臣「ヒロタンが共和国の大統領の娘を政略結婚のために連れて来た・・らしい。」
何それ?
ミリア「なんですって?」
右大臣「な、なんと!私は聞いて無いのだが!
共和国は大国ですぞ。そこの令嬢ですと?」
う~ん。共和国の令嬢って、もしかしてライラの事?
俺「誰が、そんな事を? ライラ・・さんの事なら、彼女は勝手についてきただけですよ?」
エストリア「そうね。誤解じゃないかしら。」
左大臣「本人がそう言った、という話だ。城の侍従長が報告してきた。」
俺は聞いて無いけど、。そういや、昨日、何か言いかけていたな。
俺「たぶん、俺の寝室に来るためにウソをついたのでしょう。」
エストリア「そうね。そんな所だわ。」
左大臣「そうなのか?」
俺「侍従長に婚約者だとウソを言って、俺の部屋まで案内させたのかと。」
左大臣「なんじゃそりゃ!?」
右大臣「そりゃまた・・。どういう方なのですか?」
俺「大統領の娘というのは本当です。でも、俺との婚姻などという話はありません。」
左大臣「ん~。だが、昨夜、おまえの部屋に行ったのだろ? 行って何をした?」
おっさん、目が怖いのですけど・・。
俺「確かに来ましたが、俺は彼女とは別の部屋で寝ています。」
ミリア「昨夜のヒロタン陛下は何もしていませんわ。
誰ともベットを共にするような事はしていません。」
エストリア「そうね。」
え~と。ミシャが・・。
まあ性的な意味では正しいかな。
左大臣「なら良いが・・
言っておくが、婚姻の相手はおまえの皇帝としての地位の進退問題になりかねない重大事項だ。
相手の選択を誤るなよ。」
左大臣が暗に言ってるのは、左大臣の娘であるエストリアと結婚しない限り、皇帝は止めてもらうという意味かな?
当のエストリアは微妙な表情だが。
右大臣「その通りですね。
妃の選択は皇帝陛下の地位に係わる事項です。
誰にすべきかは、、分かっていると思いますが?!」
それって右大臣が義理の娘にしたエミャルの事? エミャルと結婚しないと皇帝は止めないといけない?
どうしろって言うの!?!?
左大臣「特に昨夜のような外国の要人ともなると、たとえ噂でも、取り返しのつかない事態になりかねん。」
右大臣「まったくです。」
そこは二人が同意するのだ。
左大臣「気を付けてくれよ!」
思わず指輪を見てしまったが。ミシャは間違い無く外国の要人だよなぁ。
まあ、俺は皇帝を続けたいわけじゃない。大臣たちから見たら、エストリアやルマリオがやれば良いのだろうし・・。
要するに俺が皇帝を辞めれば良い!簡単な事・・かな?!
すみません。前の投稿が午前3時という、トンデモナイ時刻なのは、本来、予定していなかった投稿だからです。
もう一回、考え直してから投稿しようと思って、かなりの先の日時での予定投稿を設定していたのですが、、。放置しすぎて、気がついたら予定投稿されてしまっていた・・・という。
まあ、ある意味、それで決断できたというか、このまま続けます!




