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救援要請

 撃墜した魔獣に瑠璃(デバイス)が埋め込まれていた。その中に通信用も、端末用もあったのだが。

 エストリアが、端末用の瑠璃(デバイス)に何やら打ち込んで・・


俺「使えるか?」

エストリア「構成(プログラム)はある程度、出来そうだけど・・。どっちにしろ私一人じゃ無理よ。高等魔法の通信操作が出来る人間が2名必要だわ。通信は2段同調によるノイズ除去が必要なの。」


 う~ん。さっぱり分からん。


ミシャ「手伝います。」

エストリア「ミシャ様が?大丈夫?魔術通信の同調理論は高等魔法学よ?」


 見た目ほど子供では無いが、学校みたいのは行って無いよな。実戦経験は豊富みたいだけど・・。


ミシャ「一応、神官長に習っています。」

エストリア「家庭教師って事?

      帝国の魔法士官学校では、最終学年で習う高等技術なんだけど・・。」

ミシャ「習ったのですけど実践した事はありません。あと、、良く覚えて無くて・・。」

エストリア「・・・。その程度で出来るほど甘く無いわ。変な期待をさせないでくれる。」

ミシャ「でも、なんとか・・、やりますので! やらせてください!」


エストリア「ライラは? たしか魔法職でしょ?」

ライラ「洗礼は魔法職ですけど。共和国では高等魔法学まで学ぶのは神官だけです。

    私は商人の学校しか行っていませんので魔法は初等科だけしか学んでいません。」


 エストリアが機長たちに目を向けたが・・

機長「我々の洗礼は戦士職です。力と素早さが必要な仕事なので。」


エストリア「しかたないわね。

  ミシャ様がやってくれる!。分からない事は教えるから。」

ミシャ「はい。教えてください。」


 魔獣から瑠璃(デバイス)を全て取り出して、飛行艇の機内に並べた。

 5つとも取り出したのは、この魔獣の調査に使えるかもしれないから。救助されてから、、の話だけど。

 通信で使うのは2つだけ。

 エストリアが何やら端末(ターミナル)から打ち込んで、、。


エストリア「部分的に構成(プログラム)したから。

      試しに一段目の同調だけミシャ様がやってみて。

      それが出来たら、二段目の中間周波数の同調を私がやるから。」

ミシャ「分かりました。高周波同調回路ですね。こっちの数字を空間値に合わせて、こっちを局部発信回路に・・。」

エストリア「違うでしょ! 格子(グリッド)回路(サーキット)が逆よ!」


 なかなか、苦労しそうな雰囲気だが。


俺「急いでくれ!

  敵が、ここを攻撃する部隊を送ってくるかもしれない。」


 どうみたって一匹減ってるわけだし。


エストリア「そう思うなら、邪魔しないでくれる!

      それと、出来るかどうか分からないから。」

俺「・・・」

エストリア「ミシャ様は、もう一回初めから! 陰極(エミッタ)のバイアス魔法量が不足よ。それでは歪みが大きくなってA級増幅はできないわ。」


 二人には触れない方が良さそうだ。


俺「他のメンバーで魔獣の死骸(しがい)も、目立たないように雪で埋めてしまおう。」


 魔獣に雪をかぶせた後、機長たちが、アルミの板で即席のストーブを作ってくれた。煙は飛行艇の外に出すようにしてある。燃料は魔獣の羽。油を含んでいたのか良く燃える。

 おかげで、その夜の飛行艇の中は暖かくなった。ストーブで雪を()かせたので水も十分だ。

 それと、魔獣の肉を簡易ストーブで焼いてみたが、これは、あまりおいしそうには見えない。調味料も無いし。

 結局、誰も食べなかった。他の食料が無くなったらイヤでも食べる事になるだろうけど。今日は、まだ非常食があったので、そちらを。

 (さいわ)い外は天然の冷蔵庫だから(いそ)いで食べなくても、大丈夫だろう。

 食料と水と暖房が手に入ったから、これで明日にも死ぬという心配は無くなった。敵に襲われなければ・・。

 エストリアとミシャは夜遅くまで瑠璃(デバイス)と格闘していたが、結局、その日は通信はあきらめた。


俺「ミシャは魔力的に大丈夫なのか?」


 また、魔力切れになったりしないよな?


ミシャ「通信は、たいした量の魔力は使いません。大丈夫です。」

俺「明日は、もし魔獣が来ても出来るだけ隠れていよう。」


 ミシャには魔力を温存してもらわないと。


ミシャ「あと3匹ですよ? 私とお兄様で倒せば、全滅させる事ができます。」


 ミシャは少し頑張り過ぎてないか? いつもだっけ?


俺「ミシャは、なるべく魔力を使わない方が良いと思うぞ。」


 俺だけでは無理だし、。一度に襲われたら二人でも無理だ。空間の刃を出す瑠璃(デバイス)は一つしかない。


俺「もし、(おそ)ってきたら戦うしか無いが危ない事は避けるべきだよ。」


 ストーブで暖かくなったから(かま)わないのだが、その夜もライラのおかげで、俺は、また、すみに追いやられて寝る。

 だが、ライラもだいぶ勢いが落ちていて。


ライラ「あんたは、ぜんぜん襲ってこないし。なんだか私がバカみたいね。」


 ようやく、気が付いたか。でも、そうなると少し寂しそうでもある。


俺「今更、ホームシックで帰りたいとか?」

ライラ「・・・。帰っても、どうせ私の役目は終わってるわ。」


 既視感(デジャブ)があるな。血は繋がってなくても姉妹は似るものなのか?


俺「そんな事は無いと思うけど・・。ミルレと同じような事を言うな。」

ライラ「ミルレお姉さまも?」

俺「ミルレは実の娘じゃないと言うので、実家に複雑な感じがあったみたいだ。」


 ライラは少し考えてから、


ライラ「お姉さまは分かって無かったのかもしれないけど、

    パパが大事にしていたのは私より、お姉さまよ。」

俺「そうなのか? 実の娘のライラよりもミルレを?」

ライラ「あんたも分かっていないみたいね。私ももらわれた子なの!

    ママは体が弱くて子供が出来なかった。今も病院よ。」


 ミルレは知らなかったみたいだが・・。


俺「すまん。確かに俺は分かって無かったみたいだが・・。

  だとしても、特にミルレという事は無いだろう。」


 せいぜい、同じでは?

 大統領はライラも気にかけていたよな。


ライラ「私は、お姉さまのように高貴な生まれじゃないの。

  スラムの捨て子だったらしいわ。

  だから、まあ、お姉さまが大統領を継ぐのは当然なの。」


 スラムの捨て子が大統領の養女?そんな事ってあるのか?


俺「・・・・。考えすぎじゃないか?」

ライラ「私はミルレお姉さまのための存在だったの。」


 やっぱり似てるわ。


ライラ「でも、お姉さまは、私より、あんな変な子を・・。」


 単なるシスコンの嫉妬(ジェラシー)


俺「別にライラが嫌われたわけじゃないと思うぞ。」

ライラ「いいのよ。

    私は自分の役割りを果たすだけ!」

俺「はあ・・。」

ライラ「今はエストリアお姉さまを守るの!それが私の使命!」


 良く分からんが戦ってるらしい。


俺「・・・。分かったから、もう寝よう。」


 良く朝、外で見張りをしていると、、。 恐れていた通り魔獣が見えてきた!

 しかも、、数が多すぎ! 10匹の魔獣が、2列編隊で飛んでくる! 一匹やられた事で、大軍を送って来たのか。

 あの数の魔獣に襲われたら、ひとたまりもない! こりゃ、終わったか!?


 覚悟を決めて、瑠璃(デバイス)を構えながら身を潜めて隠れていると・・


 そのまま、頭上を通り過ぎた。相変わらず、俺たちなど目に入っていないようだ。見つからなかった・・というより、俺たちを探す気も無いらしい。沢山いるから、一匹ぐらい落とされても、気にしないのかな?

 あの感じだと狙いは帝都だろう。あの10体が、これから帝都を襲うとなると、そっちがヤバイ!


 相変わらず、魔獣から取り出した瑠璃(デバイス)と格闘しているエストリアたちに。


俺「まだ通信は出来ないのか?

  今、通った魔獣が帝都に向かっているという警告のためにも、通信できると良いのだが・・・。」


エストリア「繋がりそうよ。」


 やった! 良いタイミングだ!


エストリア「ただし音声だけ。映像は無理。

  それも入力装置(マイク)が、うまく構成(プログラム)できて無いから話せるのは直接、通信を制御している人間だけ。」


 つまり、エストリアだけが話せる?


エストリア「時間が無いし、。お城の皇帝専用、直通回線に繋げるわ!

  そうすれば話が早いでしょ。

  たぶん、ルマリオが出ると思うけど・・・・。」


 ホットライン? いきなり、そんな所につないで大丈夫なのか?


エストリア「繋がった!」


『どなたかしら? この周波数をご存じの方は、あまりいないと思うのだけど・・。』


 相手の声は俺にも聞こえるらしい。マイクは無いけどスピーカーはある?

 そして、その声は・・


エストリア「ミリア・・なの?!」

ミリア『その声はエストリア? 何処からです? エストリアはまだ海の上にいるはずですよね。

    こういう瑠璃(デバイス)で通信できるような距離では・・。』


 なぜ、ミリア?


エストリア「なぜ、ミリアが、そこにいるの? これはお城の皇帝専用回線ですよ。」

ミリア『今は、わたくしが皇帝代理を、やっています。』

エストリア「いつの話しよ!」

ミリア『失礼ですね。新議長と議会から、10日前に任命されておりますのよ。

  留守(るす)を守るのは、、(つと)め、ですわ。』


 どういう意味?


ミリア『それより、あなたこそ、どうしたのですか?』

エストリア「飛行艇という物で共和国から空を飛んで来たの。それで短時間で大陸に着いたのだけど。

   事故で、今、ゼム湖の氷原(ひょうげん)に不時着してるわ。

   助けに来てくれる。」

ミリア『な、、何を!・・・。

    (だま)されなくてよ。どういうワナかしら?』

エストリア「本当よ!まわりは雪と氷で何も無いの。お願いだから助けに来て!」

ミリア『そんなバカげた、お話しを、信じる人間がいるとでも思ってますの?

    ウソをつくなら、もう少しマシなウソを考えた方がよろしくてよ。』


 確かに信じ難いけど、。どうすんだよ!


俺「俺がミリアと話せないか?」

エストリア「無理と言ったでしょ!」


 せっかく通信出来たのに!

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