再び魔王教団へ
ミュー「おかげでエミャルは本性を出したというか、、。
右大臣さんの兵隊をあごで使う凶暴な悪魔になってるわ。」
副会長室でミューちゃんと話していると、いつの間にか入口にエミャルが・・
エミャル「ミューちゃんは、何を言ってるのかしら?」
ミュー「あれよ! あんたが猫を被らなくて済むように、真実をね。」
エミャル「被ってません! 変な事を言わないでください。
みなさん、私の部屋に来てくださいね。」
エミャルの部屋へ通された。以前、大統領と来た会長室・・だが。
凝った家具は取り払われて、すっきりした印象の部屋になってる。
エミャル「お二人でいらっしゃるなんて。」
いつものエミャルに戻ってるような・・。大統領とかと来た時のエミャルは何だったのだろう。
ミシャ「お姉様は、何をやっているのですか?」
エミャル「仕事・・です。右大臣さんから言われて。ヒロタンさんのためになるからと。」
俺「どうやったんだ? 大統領の話しだと、ここは世界最大の商会・・・だそうだが。」
エミャル「そうですね。最初はエストリアさんの計画だったのですが。
我々の大陸・・この国では西の島と言ってますが、そこにあった大量の金を持ってきたわけです。
帝国でも最大のゴールド持ちの右大臣と左大臣の金庫の半分。船に積めるだけ。それは、おそらく、この共和国の年間の流通量に匹敵する額です。
それで、到着と同時に買える物はとにかく買いました。中でもストックして価値のあるもの。」
俺「なるほど。通貨でもあるゴールドの流通量が増えた事でインフレになったわけか。」
エミャル「錬金術でゴールドが出来るようになった・・という噂が流れ始めた事で、物価の高騰に勢いがついて、商品価値のある物は、さらに値上がりしました。
加熱した事で、死蔵されていたゴールドが市場に出て来たのでしょう。
そのピークで私たちは最初に買った物を売っています。買った値段より、ゴールドの貨幣で、はるかに高い値段。5倍から10倍。大きな物は100倍もの値段です。
その時には既にゴールド貨幣がゴミのような価値で手に入ったのです。
もちろん、錬金術はデマですから、その後は暴落。そして、行き過ぎて暴落した物は、また買っています。」
俺「なるほど。」
エミャル「元はエストリアさんの考えですが、ミューちゃんと私の方が正確に計算して、より大きな利益を上げました。それで、この最大の商会を・・」
俺「ほんとに、すごいな。
この国ではエミャルは美人みたいだし、おまけに、とんでも無く大金持ち。」
エミャル「お金は正確には右大臣さんの物ですが。なんとか、出来たと言う感じですね。」
俺「なんだかエミャルが遠い存在になったかなぁ。」
エミャル「え? な、何を言ってるのでしょう。
そ、そんな酷い・!」
急にエミャルが青ざめて、ひざをついた。
あわてて駆け寄って支えたが。細い体が折れそうだ。貧血?
ミシャ「お姉さま! 大丈夫ですか?!」
ミュー「ん?どうしたの?」
俺「あ、いや。ちょっとエミャルが・・。」
エミャル「私、頑張ったのに、。ヒロタンさんに嫌われたら・・。」
ミュー「なるほど。めんどくさい会長よね。
ヒロタンはそのままエミャルにキスするのよ! それで復活するわ。」
俺「へ?」
エミャル「・・。そんな・」
エミャルが期待するように顔を上げた。うん。かわいくて綺麗だ!
ミュー「はら! 早く!」
ミューちゃんに押されて、キスしてしまった。ほんとに美人だし、後ろに手を回してくれるし、。
ミシャはちょっと目を伏せているけど。
あの勇者じゃないけど、例えばエミャルと二人で、どこかで平穏に暮らせたら・・幸せ?
ミシャ「お姉さま、心配しなくても大丈夫ですよ。
ヒロタンさんはエミャル姉さま以外と、そういった事をしていません。」
エミャル「・・・。はい。」
ちなみに、他に、そういう事をしていないかと言うと、。ミシャが知らないだけで・・
ミシャ「お姉さまが大丈夫でしたら、用事の方を・・。」
平穏な暮らしは無理そうだなぁ。
俺「そうだな。ロリャリムとか言う魔王教団の所に行こうと思ってるのだが、良ければ一緒に。」
エミャル「はい。ぜひ、ご一緒させてください。」
俺「仕事は、大丈夫なのか?」
エミャル「ミューちゃんがいますし。」
ミュー「すぐに戻ってよ!」
俺「助かる。」
エミャル「ロリャリムは、この国のニュースだと反乱軍みたいな人達ですよね。
この商会の私兵から400名、馬車100台程度は出せます。それと帝国から来てる近衛部隊で。」
俺「何をしに行くと思ってるの?」
エミャル「反乱軍を殲滅する、、とか?」
俺「違うぞ!」
そんなに要らないといって、減らしたが、それでも結構な大部隊になりそうだ。
目的でもあるから、ルルムは一緒に連れて行くとして、サリスも連れて行きたいよなぁ。彼女の父親が魔王教団の神官をやってるはずだし、。
サリス「ごめんなさい。私は行きたくありません。」
俺「この前、話していた、お父さんの・・」
サリス「秘密です。お酒の時の話しは止めてください。」
俺「お酒って、あれか?既成事実とか?」
サリス「うわっ。言わないでください!」
赤くなっている。内容は覚えてるらしい。
俺「一緒に行かないと、お酒の時の話しをバラすぞ!」
サリス「ひどい・・。
行っても、私は馬車から出ませんよ。」
俺「ん、まあ、それで。」
サリス「そうですね。どうせならミルレさんも連れて行くと良いかもしれません。」
俺「なぜ?」
サリス「魔王教団の神官・・の一人は共和国の裏事情に詳しいので、彼女の出生の秘密が分かるかも・・、しれないので。」
俺「その神官ってサリスの・・?」
サリス「はい。でも、秘密にしてくださいね!」
つまり、サリスの父親である、魔王教団の神官がミルレについて何か知っているかもしれない?
どういう人?
ミシャが行くというと、トラクも付いてくる事になった。兵士は、主にエミャルのところの私兵だが、近衛部隊からも少し加えた。戦争に行くわけじゃないので、ルナリスたちは館に残る。
それでも結構な数の兵を率いてエルカンの街を超え、以前の川の付近まで来た。
魔王教団は、以前の共和国の砦を自分たちの基地にしているらしい。我々が最初に連れて来られた所だ。川を挟んで共和国軍の部隊が展開していて、お互いににらみ合っている状態。
この状態で橋を渡るのは、なかなか面倒そうだ。
まず、俺と数人で共和国軍の司令部を訪ねる。
パワリ「以前は、申しわけありませんでした。ご無事で何よりです。」
俺「大隊長さんも、生きていたのですね。ほんとに無事で良かったです。」
パワリ「ところで、今回は、どのような目的でしょう?
もしかして加勢に来て頂いた? 今は膠着状態ですので、特に必要ありませんが。」
俺「いいえ。魔王教団の皆さんと話しがしたいだけです。川を渡る許可を頂けませんか?」
パワリ「許可? 我々は構いませんが、魔王教団側が渡らせてくれるとは思えませんね。」
俺「なんとかやってみます。」
他に方法が無いので、ルルムと俺が二人で橋を渡り始める。他のメンバーだと攻撃されても不思議は無い。ミシャとエミャルが橋のたもとにいるが、この状態で俺の魔王能力はどうなのだろう?
橋の反対側には、魔王教団の兵士たちが立っている。
ルルムと俺が、あと少しで橋を渡り終えようかと言うぐらいの所で、数人の兵士が、剣を構えて、こちらに向かって来た。止むを得ないので、俺も棒を構えたが、。ルルムが大きな声で「魔王様です!約束通り、魔王様が戻ってきました!」
そして、ルルムが俺の前に立ちはだかる。でも、それは逆だから、ルルムを下がらせようと手をかけるが「構わないでください。私はどのみち。」
そういうわけにはいかないだろう。
とにかく、向かってくる兵士を止めないと。
俺「近づくな! それ以上、近づくと魔王の攻撃を、その身で味わう事になるぞ!」
ウソじゃないけど何回できる事やら。魔王の攻撃を一発、お見舞いしたら、ルルムを抱えて逃げるしか無いだろうな。まったく、何しに来たやら。




