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戴冠式リトライ

 2回目の戴冠式(たいかんしき)は厳重な警戒の中で行われた。早めにお城に向かったが周囲の馬車の通りは完全に遮断されていて、3回も検問を受けた。パレードは中止らしい。

 来賓席は、予想通り重装備の兵で囲まれている。魔法兵も結構いるようだ。

 おかげというか、式は問題無く進行した。俺は、まあ、司祭が俺の指輪を確認した以外、何もする事は無いみたいだが。

 驚いたのはミシャの衣装だ。いつのまに、あんなものを送っていたのだろう。それ自体が輝くようなドレスで、頭に乗せた全部が宝石でできたようなかんむりを付けて、俺たちよりも目立つぐらいだ。ミシャの外見は、この世界、特にこの国ではあまり良く思われていないようだけど、あの衣装のミシャは、皆の目にどう見えているのだろう・・。


 そういえば、確認しておかないと・・。隣に座っていた左大臣に。

俺「一応、聞いておきたいのですが、昨日の発表にあった俺の家名って・・。」

左大臣「皇帝には家名が必要じゃろ。まあ、名前だけだから付いておればそれで良い。

    家柄なんて名前だけのものじゃ。」


 そういう物なのか? 良く分からん。

 式は進んだが、俺は、ほんとに何もしていない。いや、させないつもりか?

 俺は飾り?


俺「すみません。できれば少しで良いので、何か挨拶しても良いでしょうか。」

左大臣「あーーー。

    旧皇帝と、議長の事は絶対に何も言うなよ。そのあたりは、こちらの都合がある。

    それ以外で50分の1刻以内にしろ。」


 議長も、旧皇帝も、ある事ない事、罪を着せられるのだろうな。革命の大義名分のために。

 50分の1刻は、以前の世界の1分・・程度か。

 ミシャ様に借りて来た拡声器の(スティック)を取り出す。

左大臣「用意が良いな」


俺『今日は、ありがとうございました。特に面倒な事を言うつもりはありません。ただ、魔王国との戦争は避けたいと思っています。

  昨日は誤解があり、お騒がせして申しわけありませんでした。ですが、今日、いらしている魔王国の魔王であるミシャ様は決して、帝国に敵対するものではありません。やさしくて、良い方であり、そして、俺にとって大切な存在です。

  その事だけは申し上げておきます。』


 昨日の事で、ミシャの悪評が立つのだけは避けたかった。いろんな意味で。


 そして、その日のうちに、お城の上の方に俺の部屋ができた。エストリアの段取りだろう。夜はそちらに行く。

 もちろん、3回目であるから、隣の部屋を不用心に開けるようなへまはしない。ただ、今回は、入り口以外に2つドアがある。さすがはお城で、どっちかは普通の続き部屋だと思うが・・。

 まず、右側の扉をノックしてみる。


エストリア「入って、いいわよ。」


 うん。予想通りだ。いきなり開けなくて良かった。


俺「こっちが副皇帝の部屋なのか?」

エストリア「バカ?そんな部屋があるわけないでしょ。」

俺「お城だと、ここも広いなぁ。」

エストリア「気が付いてる?

      反対側にもドアがあるでしょ?」

俺「あるね。あっちは、普通の続き部屋・・。

  まさかルマリオがいるのか?」

エストリア「ふふっ。それは面白いわね。

      今度、提案してみようかしら。」


 そういや、こいつ少し、腐っていたな。


エストリア「大丈夫よ。この城は古い城塞で、女性用の部屋が奥方用しか無いの。

      おまけに、旧世代の一夫多妻が前提なのよ。ルナの屋敷は手狭だし。」


 誰か来ているのか?


エストリア「まあ、どうせ、皇帝ともなれば帝国貴族の家系以外、正妻には成れないから。」


 おまえ、この前まで実家と関係無いを強調していただろ!?

 エストリアが、俺の部屋を横切って、反対側の扉を勝手に


エストリア「入るわよ!」


 エストリアがいきなりドアを開けた。良いのか?


エミャル「えっ? 今、着替え中で!」

ミシャ「なんて人ですか! いきなり開けるなんて!」

エストリア「大丈夫よ。私とヒロタンぐらい!?。」


 エストリアの顔がひきつってる・・。

 そして、あわてて俺の目をふさぐ。


ミシャ「見ました?」

エストリア「い、いえ。ちょっと・・。

      ごめんなさい。後で、ヒロタンのいない時に。」

ミシャ「ヒロタン様には全て見てもらいました。あなたより分かっていますよ。」

エストリア「え? それって・・。さすが魔王様・・なの?!」

ミシャ「確かに女・・どころか、人間として終わってるのは承知しています。」

俺「違う! ミシャ様は、俺の、かわいい妹だ。」


エストリア「ヒロタンは、この子と同じベッドで寝たって言ってたの?」

俺「俺だけじゃなく、ミリアも同じベッドで寝てるぞ。」

エストリア「ミリアが!?

      それってヒロタンの妹・・だから?」


 まあ、ミリアは、ミシャもかわいく見えていて、エストリアは違うわけだが。


エミャル「それが、、。

     今晩も、どうしようかと思って。

     私とミシャが同じベッドだと魔力の相性が悪いでしょ?」

ミシャ「すみません。これから、あの屋敷まで行くにも、遅くなってしまって。

    だから、ヒロタン様と。」

俺「構わな……」

エストリア「分かりました! ヒロタンの妹なら、私の妹です!

      ミシャ様は、今晩、私と一緒に寝ましょう!

      ミリアに出来たのなら!」


 そんな苦行みたいに言われても……。


俺「あのー。俺は、むしろ嬉しいのであって……。」

エミャル「私の妹なんですが……。」

エストリア「ヒロタンはダメよ!」


エストリア「さぁ、お姉さんと一緒に、こっちの部屋で!」

ミシャ「へ? 何を言ってるのですか? 私は・!」


 ミシャはエストリアに引きづられて……


 ドアはしまったが、少し声がもれる・・


ミシャ「あ、。胸で、、苦しい……です。」


 エミャルと俺が顔を見合わせて、

俺「胸で?」

エミャル「ん? 胸?」

俺「うらやま、。イテッ」


 蹴られたぞ。エミャルって控えめな美少女キャラじゃないのか?

 最近、いろいろと崩壊している。


 翌朝、

俺「昨夜は、ありがとう。ミシャ様は良い子だろ?」

エストリア「そうね。見た目はともかく、性格は良い子だと思うわ。」

俺「見た目も、性格も良い子だ。」

エストリア「・・、あの子も綺麗に見えるの?」

俺「初めから、そう言っている。」

エストリア「あの体で? こう言っては・・」

俺「言うなよ。もちろん、あの体が綺麗だと言う気はない。

  だが、そういう自分を受け入れて頑張ってるかと思うと、それが(いと)おしく見える。」

エストリア「・・・。ヒロタンのそれは病気だわ。」


俺「ところで、庭が騒がしいけど、何をやってるのだ?」

エストリア「あんた、議会が始まる前にセクタへ行くって言ってたでしょ。」

俺「あー。ミシャ様たちもセクタ経由で帰るから見送りと、高速の馬車を返すのをかねて、行ってこようかと・・。」

エストリア「その車列を組んでるのよ。」

俺「はぁ? 馬車が20台はいるぞ?」


 着替えて、庭に降りると。

「近衛師団長代理のリパフであります!

 なにぶん、急な事と、近衛部隊も革命で混乱しております。

 申しわけありませんが、通常の外遊の半分の兵もご用意できません。」


 いや、十分だろ。


エストリア「代理と言ったわね。師団長は?」

リパフ「先の皇帝と共に失脚しております。」

エストリア「まあ、ありそうな事ね。」

俺「そうなのか?」

エストリア「近衛師団は、皇帝の側近で固める物よ。」


リパフに向かって、

エストリア「ルナリス・マリネランの屋敷に行って、ルナリスとクラムを呼んできなさい!」


ほどなくして、ルナリスと、クラムが到着したが・・。

エストリア「ルナ、。悪いけど、近衛師団長の候補として、付いてきて。

      クラムも団員になってもらうわ。」

ルナリス「何を言ってるのですか?

     私には・・。」

エストリア「いいから、やりなさい。

      リパフ団長代理も、よろしいですね。」

リパフ「はい。どちらにしろ平民出身の私は師団長にはなれません。

    貴族出身のルナリス様であれば、。」


俺「え~!?あんまり、そういう人事は・・。」

エストリア「いいのよ。師団長なんて飾りだから。

      どうせ、実質的には以前からリパフがまとめていたのでしょ。」

リパフ「そういった事は、あまり、、言わない方が・・。」

エストリア「いいから、ルナと、クラムをしっかり教育してちょうだい。」

リパフ「わかりました。」


俺は思わずリパフの肩に手を置いて・・

俺「リパフ君! 君の苦労は良くわかるぞ!」

リパフ「陛下に、そう言われましても・・。」


 動く宮殿というような豪華な馬車に、俺とミシャとエミャルとトラクが乗った。

 ルナリスと、クラムは近衛部隊の馬車に乗っている。エストリアは城の仕事があるので、これなかった。


 セクタに着くと、城門に兵士が整列している。その間を、いつの間に着替えたのか飾りのついた兵装の近衛部隊が行進し、最後に俺たちの馬車が入城した。たいへんだわ。

 お城の中も、出迎えの挨拶とかで並んでいるが、別に以前来た時と違うメンバーじゃないのだよね。


ミナス隊長「儀仗兵が足らずに申しわけありません。」

ストリュ「そういう訓練をしていなかったので、礼儀がなってなくて。すみません。」

俺「いや、別に。って言うか、今更、俺に何を言ってるのだ?」


 ミシャが、また別のドレスで、トラクに付き添われて登場した。


アイナ女史「魔王国の魔王様が、この国にいらしたは50年ぶりでしょうか……。」


 ミシャは、ここの出身だけどね。


アイナ女史「お部屋とかどうしましょう・・。」

俺「俺の部屋はあるだろ。隣の部屋にベッドを追加して、エミャルとミシャ様で・・。」


アイナ女史「何を、おっしゃってるのですか?」

ワナシア行政官「陛下。ミシャ様の冷遇は国際問題になります。お気を付けください。」


 いや、ずっと、そんな感じだったが・・・。

 結局、ミシャは来客用の一番良い部屋になったが、アイナに言われせると、もっと良い部屋が必要らしい。


 それでも、なんとか、夜、ミシャを俺の部屋に呼んだ。ダムラル老に合わせるためだ。エミャルも隣の部屋から呼んで・・。


ダムラル「先ほどの晩餐では遠くから拝見しておりました。

     ミシャ様も生きてらしたとは!

     しかも、魔王様ですか・・。」

ミシャ「連絡しようと思っていたのですが・・。戦乱が続いて・・。申しわけありません。」

ダムラル「いえ。こんなに嬉しい事はありません。」


そして、ダムラル老に

俺「すみません。この際というか。ミシャ様と、エミャルの事を、少し教えて頂けますか?

  あと、その、あまり固くならないでください。」

ダムラル「わしの知ってる事で良ろしければ・・。

     で、何から話せば良いじゃろう。」

俺「二人のお母さんの話からでも、お願いします。」

ダムラル老「あー。当時は魔王国が大魔王テルオミ様の時代でな。セクタのような小国が生き延びるためには政略結婚が必要だったのじゃ。

      そこで、テルオミ様の末の娘、シルキス様を我が国の当時の王ダリャム三世の3番目の妻として迎えたわけじゃが。それが、お二人の母君にあたる。」

俺「当時は魔王国が最強だったという事ですか?」

ダムラル老「そうじゃ。

      帝国にキヨハルが召喚されるまでは、、、な。」


 勇者って国の戦力バランスまで崩す存在なのか? 大魔王というのもすごそうだが。

 今の魔王ミシャや、俺からは想像もできない。


俺「セクタが負けたのも、キヨハル・・のせいでしょうか?」

ダムラル老「それもあるが・・。そもそも、大魔王様が倒れてから、魔王国でも別の勢力が強くなって、それらと我が国の関係は良いものでは無かった。」

俺「魔王国のネクトン派っ・・ですか?」

ダムラル老「あー、そんな名前じゃ。」

俺「つまり、セクタは後ろ盾を失い、敵ばかりになった・・っと。」

ダムラル老「そうじゃな。」

俺「エミャルやミシャ様の存在を隠していたのも、そのせいですか?」

ダムラル老「その通りじゃ。ネクトン派・・だったかな。そいつらから隠す必要があった。」

俺「でも、良く、エミャルを帝国の学校に入れる事ができましたね。」

ダムラル老「そうじゃな。どうやったのか、わしにも分らん。

      じゃが、当時の王、ダリャム三世はエミャル様をとても大事にされていた。

      それゆえに、何かの策を()したのだと思う。

      大金を用意したという話しもあるから、金さえ積めばなんでもするような帝国の貴族を使った・・のか・・。」

エミャル「はい。ある有力な貴族の方が後ろ盾になってくださったようです。」


 いそうだな。でも、セクタが崩壊した後で放棄したのか。金をもらったくせに(ひど)いヤツだ。


エミャル「たぶん、あの右大臣さんです。顔を隠されていましたが、入学する前に、一度だけ、お会いしました。」


 あいつか!後で、この件で何か言ってやろう。


俺「ミシャ様は・・。」

ダムラル老「わしは、この国の崩壊時に亡くなられたものと・・。」

ミシャ「セクタの神殿の人と、(まち)(かた)たちに救われました。」

ダムラル老「もしかして、当時、城にいた、あの従軍神官の(かた)・・ですかな?」

ミシャ「はい。」

ダムラル老「お礼を言っておかないといけませんな。」

ミシャ「必要無いと思いますよ。魔王国からかなりの額のお金をもらっていたようですので。」


 せちがない。


俺「いろいろと、ありがとうございました。」

ダムラル老「なに、なんでも聞いてくだされ。」


ダムラル老は帰っていったが・・。


俺「もうひとつ、エミャルに聞きたいのだけど。」

エミャル「なんでしょう?」

俺「最初に会った時に言っていた、おかあさんの話していた人・・というのは?」

エミャル「・・・。

     ヒロタンさんがその人だと思います。

     ギリギリで助けて頂きました。」

俺「俺が? エミャルのお母さんに会った事など無いけど。」


ミシャ「姉さまが言っているのは、あのお話し・・ですよね。

    私も聞かされましたが、たんなる、お話し……です。おとぎ話……って言うのかな。

    母は、その母、つまり、わたしたちの祖母から聞いたと言ってました。

    最後の最後には助けてくれる良い人が来てくれて幸せになる、、みたいな、良くあるおとぎ話です。」

俺「特に誰かというわけじゃないのですね」

ミシャ「そんな話しでも信じないと、生きていくのがつらい境遇でしたから。母も私たちも。

    それだけの事です。

    お姉さまにとってのヒロタン様がそうであったとしても、それは単なる偶然にすぎません。」

エミャル「そうですね。偶然かもしれませんが、それで、私は救われました。

     ヒロタンさんを信じる事ができたから、あの時、生きる事ができたと思います。」

俺「あー。だが、一応、あやまっておくと、あの時の俺は善意(ぜんい)とは違う面もあって……」

エミャル「どういう意味でしょう?」

俺「表面的というか。エミャルは、この世界で出会った中で、一番、きれいで可愛く見えた。それで……」


 エミャルとミシャが顔を見合わせて、笑った。


ミシャ「母は、その人が私たちを、とてもきれいだと思ってくれるはずだと、そう言っていたのです。

    まあ、男性は女性の外見を()めるものですし、その方が嬉しいですから。

    物語として、そうなっているのでしょうけど。」


 それだけだろうか?彼女たちを、きれいと思う人は・・


俺「さっきから、なんだか冷たい言い方をしてますけど・・。

  ミシャ様は、お母さんの、そのお話しを信じて無かった……のですか?」


 ミシャが少し笑った。年齢からは想像も出来ないほど、おとなびている・・


ミシャ「幼い頃は少し信じていたかもしれません。

    でも、私は何度も危機的な状況になって、そして、何度も死にかけてます。

    いや、もう、この体は死んでると言うべきでしょうか。

    それでも、そんな人は・・」


 なんだか、言葉が痛くて、おもわず


ミシャ「なぜ、私の頭をなでるのですか?」


俺「・・・。ミシャ様が泣いているかと思って・・。」

ミシャ「泣いてなど・・」

エミャル「泣いてますよ。」


 うん、泣いてるよね。涙が・・。

 少しだけ抱きしめてみたけど、大泣きしてくれるわけでは無い。

 ある程度以上は拒まれている・・かな。


ミシャ「ありがとう……ございます。」

俺「俺には何もできないのですが、、。」

ミシャ「でしたら、お願いがあります!?」

俺「俺に、できる事であれば・・。」

ミシャ「いいかげん、、その、私に『様』を付けるのは止めてもらえませんか?

    一度だけ、ミシャと呼んでくれたのに、その後は、またずっとミシャ様で・・。」


 そういえば・・


ミシャ「あなたは皇帝で、魔王で、お兄様でしょ!?

    公式にも、そんな必要は無いはずです。なのに、なんでいつまでも様を付けるのですか?

    私だって、。」


 そうか、拒んでいたのは俺かもしれない。


俺「そうか。そうだよね。  かわいいミシャ、、。」

ミシャ「はい。嬉しいです!」


 だめだ。笑顔で死ねる。


エミャル「少し、昔のミシャに戻ったかなぁ。」

俺「昔は違ったのか?」

エミャル「ミシャは、甘えん坊だったのですよ。」

ミシャ「えっ? いや、そんな事は・・。」


俺「あー。ミシャに甘えられたら、溶けてしまいそうだな。可愛すぎて・・」

ミシャ「そうなんですか?

    ん~。お姉さまとどっちが、かわいいかしら?」

エミャル「あっ。それ良く言っていたわね。お母さまや、お父様に。」


 なんて答えるべきなの?二人とも?


俺「ミシャの方がかわいいかな。」

エミャル「はは。それも同じだわ。みんな、そういっていたわ。」


 それが正解? エミャルはそれで良いの?

 お姉さんはたいへんだな。


 でも、ミシャは手で自分の体に触れるようにしながら・・

ミシャ「・・、でも今の私は・・。」


俺「分ってるよ。それでも、ミシャはかわいい。」


エミャル「そういえば、エストリアさんたちに聞いたのですが、ヒロタンは聖者でクラムの治らないと言われた病気を治したとか。

     その、、ミシャも・・。」

ミシャ「そう・・なんですか?治らない病気を・・。」

エミャル「エストリアさんと、ストリュさんと、あの屋敷にいた皆さん、ヒロタンさんを勇者というよりは聖者だと言ってました。」

ミシャ「あの!? でしたら・・。

    さっきの話ですが・。おとぎ話ですが。私も信じたいです!

    私は、。私は、こんな。イヤです! こんな体! 」


 自分の体を叩こうとするので、その手を止めた。

 そうしたら泣きついてきた。今度は本当に・・。完全に泣き出した。


 俺も、他のみんなも、こんな子に何を期待していたのだろう。


 この世界の回復薬は治癒力を劇的に上げるけど、失った部位を復元する能力は無い。

 俺は医者じゃないし、移植とか言われても無理すぎだし。


俺「出来る事なら、なんとかしたい。本当にそう思ってる。

  だけど、俺には・・。」


 少しでも何か出来たら良いのだけど……。


俺「一段落したら魔王国に行くので、ミシャの事を相談してみよう。」


 本当になんとかしたいのだが・・。


 セクタの城門で、ミシャたちを見送った。

 近衛部隊の半分はミシャたちをおくるために、そのまま魔王国へ向かったが、俺たちは議会があるので帝都に戻らないといけない。

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