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新皇帝

 問題になるとは思っていたが・・


ルナリス「ヒロタンさんは、昨夜、ミシャ様と同じベッドで寝たというのは本当でしょうか?」

ミシャ「すみません。他に部屋が無くて。」

俺「何もしてないぞ。」


エミャル「まあ、ミシャなら・・。」

ミリア「ミシャ様ならかまいませんわ。」


 おまえらは、何を?


クラム「じゃぁ、今夜は、・・私の番ね。」

ルナリス「いけません!」


 ルナリスは、いつからお母さん役になったの?


ルナリス「エミャルの部屋に追加のベッドを持っていきます!」


 まあ、それで。


 でも、ミシャって指輪をはめる指、薬指に変えた? 何かここでも習慣があるのか・・。

 この指輪は、どの指でもはめると自動調整される不思議な指輪なんだが・・。外そうとすると、広がってくれる。

 良し、俺も薬指にしておこう!


 そして、予定通りレヒトが硝石を乗せた馬車で・・。でも、。


俺「監査管というのは、一緒じゃないのか?」

レヒト「それが、、」


 馬車を指差すので、そっちへ向かうと。客室のドアを開けた時点で酒臭い。

ローブをまとった女性がシートに寝そべっていて。


 「ばかやろう! こんな辺境まで行かせやがって!」


 あ、これ、ダメな人だ!


レヒト「着きましたよ! 降りてください!」

「ん? そ、そうなのか?」


 レヒトが強引に()すると、なんとか、立ち上がって、ふらふらと降りて来たが、、、。最後は馬車のタラップから倒れ込んできた。

 しょうがないので、俺が支えたが。・・酒臭い!放り出して、捨てたい・・


サリス「ん、ああ。すまん。

    スピルカン共和国 監査管 サリス・トリサムである!  っひっく」


俺「はいはい。とりあえず、屋敷の中にどうぞ。」


  引きずっていって、居間の椅子に座らせて、水を飲ませてみた。


サリス「あー。あれだ! ここは高原で酒の回りが早いわけだな。

    少しだけ飲みすぎた。」


 まあ、たしかに、セクタに比べるとだいぶ帝都は高原だけど。飲み過ぎは少しじゃないと思う。


サリス「あんたが、硝石の注文主(ちゅうもんぬし)?!」

俺「そうですけど。」

サリス「うちの共和国に敵対するつもりなら・・、この硝石は渡せないわよ!」

俺「知りませんよ。そんな国。」

サリス「なんだと! 共和国を知らんはずがないだろ! とぼける気だな!」

俺「落ち着いてください。ここは別の大陸で・・。」

サリス「ん? 大陸?

    この島が? きゃははははっ。

    こんな辺境の島が大陸だって?!」


 ()めて! ただでさえ、粗筋(あらすじ)と違ってるのに!


サリス「つまり、あんたはバカね!」


 おい!

 なんだか、ノートを取り出して書いているが・・。


サリス「え~と。バカで無知だから、敵対する可能性は無し・・っと。

    これで良いわね。」


 ひどくない?


サリス「あと・・。あんたの洗礼回路を調べさせてもらうわよ。」


 洗礼回路? 魔法回路の事か・・。


俺「そ、それはちょっと・・。」


 いろいろまずいだろ。皆の前で・・。


サリス「私は、それを記録しないと、帰れないの!」

俺「じゃぁ、二人だけで・・。」

サリス「ん? 私が魅力的なお姉さんだから変な気になっちゃった?

    でも、ダメよ!」


 何言ってるの? この人?


俺「違いますよ! 守秘義務とか無いのですか?」

サリス「あ~。 監査上の秘密は守るとか書いてあったかなぁ。」

俺「でしょ? ほら! こっちに来てください。」


ミリア「なぜ、2階に行くのでしょうか?」

俺「最近、太ったから、水晶球を当てる、おなかが恥ずかしいのです!」

ミリア「まぁ・・。」


 なんとでも思ってくれ! 2階の俺の部屋に。


俺「ここでなら、良いですよ。でも、誰にも言わないでください。」

サリス「何を、ぐちゃぐちゃ言ってるのかなぁ。」


 それでも、かばんから水晶球を出して、俺に押し当てる。


サリス「何、これ?」

俺「だから、秘密にしてほしい・・っと。」

サリス「どういう事? 」

俺「もう良いでしょ?」

サリス「う~ん。

    あんた、共和国に来ない? 管理局で・・」

俺「行きません!」


 それだけで、急いで下に降りて来たが・・。


サリス「宿(ホテル)と、帰りの馬車で飲む酒は無いかしら。

    それで、終わりにしてあげる。」

俺「まだ、飲むのですか?」

サリス「うるさいわね。

    文句言うと、購入許可を出さないわよ。」

ルナリス「このお酒で良ければ・・。」

サリス「ん? ありがと!」


 俺が飲もうと思っていた酒が・・


サリス「んじゃ、OKね。」


 何はともあれ硝石は置いていってくれた。

 他の材料は既に買ってあったので、さっそく火薬作りである。ルナリスがミューちゃんとエミャルにも手伝ってもらって物置で材料を混ぜる。


ルナリス「危険の無いように十分な水で溶いて作りますから、乾かすのに時間がかかります。

     乾燥に1日は必要でしょうか。」


 まあ、そうだろうな。


 そして、その日の夕方、革命政府から発表があった。


「臨時革命政府より。

  新皇帝は、エストリア・シバタイル女帝に決まった。

  また、同時にエストリア新女帝は、ルマリオ・ミナグストとの婚姻を行うものとする。


  明日、4刻に、中央広場にて、即位と結婚の祝賀式典を開催する予定であり、帝国臣民が新皇帝を祝福する機会となるであろう。」


 この国には似た名前が多いのかな?


俺「聞いたような名前だが・・。」

ルナリス「本人だと思いますよ。」

俺「はあ? どういう事だ?!」

ミリア「ルマリオとエストリアが結婚ですって?」

俺「わけが分からん。」

ルナリス「もしかしたら、左大臣と、右大臣が決めたのかもしれませんね。

     結局、この革命も、彼らがやっていたのでしょう。」

ミリア「そんなところでしょう・・けど。」

俺「ルマリオは右大臣の思惑(おもわく)かもしれんが、エストリアは関係無いだろう!?」

ルナリス「知らなかったのですか? エストリアは左大臣の娘ですよ。」

俺「へ?。」

ルナリス「ですから、革命の首謀者が左大臣で、娘のエストリアを・・。」

俺「いやいや、それなら左大臣本人が皇帝になるだろう。」

ルナリス「あの人は、あまり表に出たく無いのだと思います。」

俺「、、。悪い事をするために・・か?!」

ミリア「でも、なんで、エストリアがルマリオと結婚しますの?」

ルナリス「あるとしたら、お父さんの命令・・でしょうか。」

俺「左大臣が父親だとしても、あのエストリアが親の命令を聞くか? ありえないだろ!?」

ミリア「そうですわね。どうみてもおかしいですわ。

    無理やりかもしれません。」

ルナリス「・・。エストリアを救い出せないでしょうか?」

俺「何処にいるのかも分からないぞ。」

ミリア「見捨てる気ですか?」

俺「エストリアが自分の意思で皇帝になるのだとしたら、、。」

ミリア「皇帝はともかくルマリオとの結婚はありえませんわ。」

ルナリス「私もそう思います。」

俺「でも、どうやったら良いやら。」

ルナリス「明日、戴冠式と結婚式を行うとあります。その時がチャンスです。」


 いいのか?


ルナリス「明日には、火薬が出来るので、それで城壁を爆破して帝都を脱出できます。

     エストリアも一緒に連れて行きましょう!」


 どうやって?


ルナリス「私に考えがあります!」

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