帝国クーデター その2
そして、翌朝、革命政府の使者というのが、手紙を持ってきた。
革命政府より帝国貴族議員各位へ
昨日よりの革命で帝都を騒がせた事を謝罪する。
我々の革命は腐敗した皇室の排除を行うものであり、悪戯に混乱を招く意図は無い。
今節の議会は戒厳令解除後、速やかに開催される。新皇帝については、それまでに発表されるであろう。
議員諸氏には平静なる対応をお願いするものである。
特に、俺に宛てた物では無いらしい。配信メール? 武力革命にしては穏健な感じだが、貴族議員には有力者も多いし、敵対しないように配慮しているのだろう。
革命の翌日にしては平穏だ。ここも、普通にみんなで朝ご飯である。
俺「ご飯って、ルナリスが一人で作った・・わけじゃ無いよな。」
ルナリス「ミューちゃんとトラクさんが手伝ってくれました。」
俺「・・トラクさん? うん。おいしい。」
トラク「趣味で料理をしております。」
ルナリス「包丁さばきが凄いのですよ。野菜もお肉も一瞬で細切れなんです。」
なんだか、知ってる気もする・・。
俺「ミリア姫は、大丈夫です? ここでの生活とか?」
ミリア「えっ? なぜです?」
俺「いや、お城で、なんか、こう、。贅沢な生活をしていたので・・。」
ミリア「公務の予定がなくなって、せいせいしてますわ。」
ミシャ「私も!」
ミシャ様はそういう気がしてたが。ミリアはどうなんだろう。
エミャルも少し元気無いような。ミシャは元気そうなのに。
トラク「屋敷の敷地の外ですが見張りがいますね。」
俺「そうなんですか?」
トラク「2人は確認できます。」
まあ、襲ってこないなら気にしてもしょうがないか。
そして、ルナリスが通信の傍受を始めると・・
ルナリス「革命軍の一部が温泉施設に向かうみたいです。」
俺「目的は皇帝か・・。」
ルナリス「昨日、帝都を出た皇帝派の部隊が、そっちに行っているとすると、熾烈な戦闘になりそうですね。」
俺に、どうこうできるわけでも無いが。
ミリア「どうかしら。あの皇帝だと、あっさり降伏しそうですけど・・」
俺「降伏すれば済む・・のでしょうか・・」
ミリア「では、どう考えれば良いというの?」
悪い事を言ってしまった。そう考えるしか無いって事・・だな。
それにしても、ミリアのこういう顔は見た事が無い。
俺「そうですね。大丈夫でしょう。手紙を見ても紳士的な革命政府のようですし。」
その日の昼頃、ひとりの若い男の子が訪ねてきた。どこかで見た気もするが・・。こんな子供がひとりで?
子供「姉さんに頼まれました。たいへんみたいなので、お手伝いするようにと・・。」
俺「だれ?」
レヒト「リナル姉さんの弟のレヒトです。帝国に支店を作るために、こちらに来ています。
ヒロタン様も、こちらにいらしたのですね。」
エミャル「レヒト・・なの? 変わって無いわね。」
レヒト「エミャルもここに?」
そうか、。リナルに似てるのか。
俺「支援はありがたいけど・・。大丈夫なのか?」
レヒト「ヒロタン様のおかげで、儲かってますから。
姉に、ここのお嬢様に気に入ってもらえるようにしろと言われてます。」
俺「いや、そうじゃなくて、君は若すぎる気もするけど。」
レヒト「良く、そう言われるのですが、年齢は姉と同じで、双子なんですよ。」
そうなのか? こう言ってはなんだが、姉より可愛いかもしれない。
合法ショタ?
レヒト「ここのお嬢様が僕を気に入ってくれるだろう・・と、姉が。」
ルナリス「へ? お嬢様って私でしょうか? どういう意味でしょう?」
リナルの考える事は良く分からん。
ミュー「お嬢様と言ったら、私の事じゃない!?」
エミャル「ミューちゃんは、お嬢様じゃなくて、お嬢ちゃんでしょ。」
ミュー「どういう意味よ?」
まあ、いいけど。・・。
聞いてみるか?
俺「・・。硝石とか、どうなってるか分る?」
レヒト「予定だと、そろそろ届くでしょうね。
こちらで使いますか?」
俺「・・、もしかして、こっちで使うというと、ここに届けてくれたりするのか?」
レヒト「はい。2日かかりますが、お持ちしますよ。」
良いのか?
俺「城門を通れるのか?」
レヒト「商人手形があれば問題ありません。今日も、いつも通り出入りしています。」
それって・・。
俺「じゃあ、硝石は100Kgぐらい・・。おまえの体重の2倍ぐらいをこちらに送ってくれ!
残りはセクタで使う。」
レヒト「え~と。わかりました。」
俺「あと、その商人手形って、他の人間、、、の分も用意できたりするのか?」
レヒト「言ってる意味が分かりませんが、住所を証明できる書類と、お店の紹介状があれば作れます。
それをお城に持っていけば。」
住民票かな?
俺「書類かぁ・・。」
レヒト「ヒロタン様ならセクタ領の住所の書類を作れるのでは?
領主様ですから。」
俺「そう、、なのか?」
後で相談してみよう。
ルナリス「すみません。お願いできるなら、お金もお願いした方が・・。」
レヒト「2000ゴールドで良ければ、ここに。」
ルナリス「助かります。後で、誰か買い物に行ってもらって・・・。
人数増えたからいろいろ必要でしょう。」
レヒト「セクタのお城には内緒にしておいてください。
めんどくさいので。」
俺「あー、分かった。ありがとう。
明日、また、来てくれ。」
レヒト「わかりました。明日、もう少しお金を持ってきます。」
まあ、なんとかなるかもしれない感じだが・・。
だが、その日の夜のセクタとの長距離通信で・・
ストリュ「エストリアが行方不明だ。」
俺「はあ? どういう事?」
ストリュ「用事があると言って出かけたきり帰ってこない。」
エストリアと瑠璃で通信できる俺はこっちだし。
俺「探してくれないか?」
ストリュ「もちろん、探している。 だが、。
城門の兵士の話しだと外に出たらしい。」
俺「なぜ、城門を出るんだ?」
ストリュ「知らん。」
どうしよう。人質目的の誘拐とか?
俺「わかった。俺がセクタに行って・・」
ルナリス「待ってください。あまり慌てて行動しない方が良いかもしれませんよ。
エストリアは誰かの罠にひっかかるような人ではありません。
考えがあっての事・・かもしれないです。心配ではありますが・・」
まあ、城外に出てしまったのならセクタに行っても通信可能かわからないし。
もう少し、様子を見るべきか・・
俺「ロコナは?」
ストリュ「ロコナとサミアスは、明日、セクタに戻る予定だ。」
俺「分った。何かあれば、知らせてくれ。」
ストリュ「リナルを呼んであるぞ。」
リナル「呼ばれてます!」
俺「あー。硝石は届いた?」
リナル「今日、ちょうど。ただ、少し問題があって・・・。」
俺「どうした?」
リナル「東の大陸から監査官という人が一緒に来ていて、大量の硝石の用途を説明して欲しいと。
でも、私には答えられなくて。」
普通に軍事物資だからな。でも、わざわざ来るのか??
リナル「レヒトから連絡があったから、一部は帝都に発送するので。
一緒に、監査官もそっちに行ってもらうね。」
俺「え? 来るのか?」
リナル「と言うか、もう、出発したのだけど。
ヒロタンさんが、そっちなら、私も行きたかったな!」
俺「仕事があるだろ。ダメだ!おまえは絶対に来るな!」
リナル「仕事は、レヒトと交代すれば良いだけよ。」
俺「ダメだ!来たら出入り禁止だぞ!」
リナル「う~・・ん。」
なんだか、余計な話しまで・・。
そして、遅くなり、
エストリアが心配ではあるが、今は寝るしかないとベッドに入ったのだが、
なかなか寝付けない。
そうしているうちに、深夜にとつぜん、続き部屋のドアが開いてミシャが・。
ミシャ「すみません。
エミャル姉さんが、私の魔力にあてられて。つらいみたいなんです。」
エミャル「だ、大丈夫ですよ。」
ミシャ「姉妹のせいか、魔力が流れ込むみたいなんです。
私が、ヒロタン様の部屋で寝ますので。」
俺は?
ミシャ「ヒロタン様は、。その私の代わりにエミャル姉さまと・・。」
それは、つまり、同じベッドで、この美少女と!?
ミシャ「もちろん、耳をふさいでます。」
どうしてふさぐの? 何をすると思ってるの?
ミシャに押されて、エミャルのベッドに近づく。やっぱりエミャルは綺麗でかわいい。
こ、これは、もう、
と。頭の中で声が・・
<この時間は寝てます・・よね。>
ヤバイ! 幻聴? まるでエストリアからの瑠璃通信だ。
セクタとは距離があるから、聞こえるはずがない。
何かの罪悪感で頭がおかしくなった?
俺<エストリアはセクタにいるはずじゃ?>
エストリア<夜通し馬車に乗せられて・・。>
俺<どういう事?>
エストリア<ところで、こんな時間に応答してくれるなんて、あなたは何をしているのです?>
言えるわけがない。
俺の顔を見て、ミシャが何かの棒を探し始めた。どういう事?電撃で脅迫するの?
棒を俺にくっつけると。
ミシャ<誰です?>
エストリア<あれ? 違う人? 魔法回路の接続?誰かと一緒なの?>
ミシャ<ミシャです。こんな夜中に無粋でしてよ。>
エストリア<何? ヒロタンと一緒にミシャ様が?>
ミシャ<エストリアさんですね。エミャル姉さんもいます。>
エストリア<何よそれ! 夜中に何を・・・。分かった。もういいわ!>
俺<あのー。誤解してるような・・。>
エストリア<いいのよ。それで全て上手く行くわ。あなとは、もう無関係よ!>
切れてしまった。
とりあえずエストリアは無事みたいだが。
俺「ミシャ様は、俺の部屋で、寝てください。
俺は下の・・」
ミシャ「下の誰のところに行くの?」
小姑?
俺「居間のソファーで・・。」
降りて行くと、居間の明かりが点いていてミリアとルナリスがいた
俺「どうかしました?」
ミリア「なんでも無くてよ。」
俺「エストリアから瑠璃の通信があって。
事情は分からないが、帝都の近くまで来ているらしいです。」
ルナリス「無事なのでしょうか?」
俺「あー。無事ではあると思う。」
俺は嫌われたみたいだが・・。
ルナリス「良かった。
私は寝ますね。
ヒロタンさん、ミリア姫をお願いします。」
何をお願いされるのだ?
良く見ると、ミリアに泣いたような跡がある。
ミリア「あまり見ないでください。なんでもありませんのよ。」
俺「御父上なら、たぶん、大丈夫ですよ。」
ミリア「・・。エストリアとも通信できるのですね。この前は・・」
俺「すみません。あの後、。」
ミリア「いえ。結局、エストリアには、かないませんわ。私は、何もかも無くしました。」
ミシャ「そんな事はありません!」
あれ?いつの間に降りて来たの?
俺の後をついて来た? もしかして、信用無い?
ミリア「何? こんな時間にミシャ様が、なぜ?」
ミシャ「ヒロタン様や皆さんは、皇帝の地位に関係無く、あなたを救おうとしていました。
それなのに何も無い・・ですか?」
この子が、一番、強いかもしれない。さすが魔王様かな。
ミリア「でも、もう、私は・・。」
ミシャ「心配なさらずとも大丈夫ですよ。」
美少女の笑顔ってある種のパワーがあるのかな? ミリアも少し落ち着いたらしい。
ミシャ「どうやら、私はベッドが無いようなんです。
ミリア姉さまの所にご一緒しても良いですか?」
大丈夫なのか? いろいろと。
ミリア「あ、。はい。ミシャ様なら。
小さいころ人形を抱いて寝たのを・・」
まあ、いいや。俺は自分のベッドを取り戻せるみたいだし。




