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帝国クーデター


 いろいろあったが、なんとか魔王国での動乱は無事に収まりつつある。

 だが翌日のセクタとの通信で。

エストリア「帝国がたいへんよ!

      ルナリスからの通信だと、ノカナ将軍配下の部隊が帝国の主要施設の周囲に戦闘装備で展開してるの。

      反乱の可能性があるわ。」

俺「その将軍って、大臣たちと繋がってるのだっけ?」

エストリア「そうね。でも大臣とは関係無い将軍の暴走かもしれない。

      あと、特にお城の周りに集まってる。

      通信内容から言って、近衛兵もぐるね。」

俺「それって、ミリア姫が、危ない?」

エストリア「その可能性が高いと思う。軍を使って皇帝を・・。」


 君主制の革命だと、姫君は断頭台(だんとうだい)でギロチン?


エストリア「まだ、あの速度(スピード)を出せる馬車はあるのかしら?」

俺「あるのか?」

サミアス「トラクさんが持って来てくれました。この(やかた)の前にあります。」

エストリア「それを使えば、今日中に帝国へ行けるでしょ。すぐに行って!」

俺「それは、つまりミリア姫を救うって事で、、良いのだな?」

エストリア「しかた無いでしょ。行きなさい!」

俺「分かった。」


 エストリアも、そういうなら・・。


神官長「もし、魔王の力を使うつもりなら、エミャル様も連れていくべきじゃぞ。」

俺「でも、エミャルを、また危険な目に合わせるのは・・。」

エミャル「ヒロタンさんと一緒なら危険でも構いません。置いてかないでください。」

俺「すまん。じゃぁ、俺とエミャル、、。

  あと、できれば戦力になる人がいると良いのですが・・。」


 正直、サミアスでは・・。


トラク「ご一緒しましょう。ここはあらかた片付いています。」

俺「ありがとうございます。トラクさんなら心強いです。」

トラク「なんの。お世話になりましたから。それに、ヒロタンさんは第二魔王様ですし。」


ミシャ「でしたら、私も、お義兄様たちと!」

宰相「そ、それは! ミシャ様、お止めください!」

ミシャ「もう、ここは大丈夫ですよね? 助けて頂いた、お義兄様たちに(むく)いる機会です。」

宰相「それは、そうですが・・。」

ミシャ「魔王である私が行くと言っています!」

宰相「あの~。それは、むしろ、わがまま・・」

俺「そ、そうですよ。ミシャ様が・・」


 もしかして、この子、単にわがままなの?


エストリア「ん? おにいさまって聞こえたけど? トラクさんの事? そういう関係だったの??」

俺「あああ。それは良いから、すぐに出発しようね。

  急がないと! なんでも良いから早く行こう!!」


神官長「広域電撃以外の魔法具は、持っていかんのか?」

俺「何がある?」

神官長「昨日、使ったのと同じ範囲の全員を殺すやつとか。

    10人ほど殺すやつとか・・」

俺「・・・。危ないから、これだけでいいよ。」

神官長「ミシャ様もこればかりじゃが・・。まあ、このあたりも持っていけ!」


 なんか、いろいろ渡されたが、使用説明書は無いの?

 後で、ミシャ様に聞いてみるか。


 御者はトラクが務めた。俺よりもはるかに上手い! まさに飛ぶように帝都に向かう。

こういうのを(あつか)った事があるのかな?


 途中の馬車の中でミシャ様に

ミシャ「お義兄様のされてる指輪って・・」

俺「あの~、。すみませんが、俺をお義兄様と呼ぶのは止めてもらえませんか?」

ミシャ「なぜでしょう?」

俺「いろいろ、ありまして。」

エミャル「いきなりでしたし、。少し時間が必要なんだと思います。」

ミシャ「そうですね。分りました。その時まで、。ヒロタン様で。」

俺「あ、はい。」



 国境付近でシサム将軍配下の撤退する帝国兵を追い越した。既に戦う気は無いみたいだ。

 どうでも良いけど、一部の兵は俺たちを見て逃げまどっている。まさか、俺を見て?


 そして、その日の夕方には帝国の都市城壁に。

 俺が御者するよりだんぜん速いぞ!途中で交代させた馬が死にかけてた気もするが・・


 帝都の城門が心配だったが。


俺「セクタ領主ヒロタンとその従者である。通すように!」


 でなんとかなった。良いのかな?ミシャ様やトラクの身分を照会されたら、やばかったと思うが・・。

 城門の兵士は、半ば軽蔑するような視線で、俺とミシャ様を見るだけで通してくれた。深く考えるのは止めよう。


 帝都に入ってすぐに、瑠璃(デバイス)の通信で。

 帝都内ならミリア姫に通じるはず。


俺<ミリア姫様! 聞こえますか?>

ミリア<何? 夕食中よ? >

俺<ヒロタンです。緊急にお話しがあります。>

ミリア<ヒロタン様?どうしたのかしら? >

俺<ノカナ将軍が、反乱を(くわだ)てています。近衛にも敵がいます。城から離れてください。>

ミリア<何をおっしゃってるの?>

俺<お城の駐車場で待ち合わせを!>

ミリア<良く分からないけど、お城の駐車場ね。>


 帝都の中央通りをスピード違反気味にお城まで突っ走った。そのまま駐車場に滑り込んだが、城の周りには、、既にフル装備の兵がかなり集まって待機している。ミリア姫が城から出てくると、それらの兵の中から何人かが姫に襲い掛かった。俺のひとつ覚えの魔王攻撃だと、ミリア姫まで巻き込んでしまう。

 トラクに

俺「すみません。あそこに出てきた姫様を救って、この馬車に!

  できれば兵士は殺さないで・・。」


 トラクが飛ぶようにミリア姫に駆けより、剣を抜く。彼の剣のすさまじさはすでに見ているが。反乱軍・・と言って良いのかな?、彼らを、あっと言うまに蹴散らし、ミリア姫を抱えて馬車に戻ってきた。

 とりあえず、地獄絵にならなくて良かった。兵士たちも、ミリア姫を殺害する意図は無かったようだ。

 4人乗りなので、ミリア姫が加わると狭いけど、我慢してもらうしか無い。


俺「ご無事ですか。」

ミリア「ど、どういう事なの! わたしが兵士に襲われるなんて・・。」

俺「ですから反乱です。このまま、我々の屋敷まで撤退します。」


ミリア「ところで、あつかましく私の膝に乗ってる、この子は誰ですか?」

俺「今は、我慢してください。説明は、のちほど」

ミシャ「すみません。お姉さま。」

ミリア「ま、まあ、そうですわね。かわいらしい子だから許しますわ。」


 そうだよな。かわいいよな・・・って、アレ?

 ミリアにも、そう見えるの? 帝国ではミシャの容姿は否定されて無かった?


 城の周りを包囲している兵士を蹴散らすように、通りに出て屋敷まで突っ走る。

 振り返ると、既に城への攻撃が始まっているようだ。


 瑠璃(デバイス)の通信で

俺<ルナリス!クラム!屋敷の門を開けてくれ。これから俺たちが馬車で突っ込む。>

ルナリス<いきなり、ですね。わかりました!>

俺<追っ手がいるかもしれない。クラムは門で待機してくれ。。>

クラム<了解!>

俺<追っ手がいたら、屋敷に入れるなよ!>


 そして、そのまま屋敷に突っ込む。

 追っ手はいなかった。城の攻撃に集中しているのだろうか?

 この馬車は目立つので、急いで隠す。


ルナリス「姫様、ご無事ですか?」

ミリア「ルナね。ありがとう。たいへんな事になったみたい。

    ヒロタン様と、こちらの騎士に救われました。

    どこの部隊の方かしら。後で表彰でも・・。」

俺「トラクさんはご存じでは?魔王国の四天王の・・。」

ミリア姫「何ですって!そういえば・・。」

俺「あと、こちらのミシャ様が魔王国の魔王様です。」

ミリア「ヒロタン様ったら、、こんな時に冗談は・・」

俺「ミシャ様、こちらの方が、帝国の皇帝ミリア姫様です。」

ミシャ「先ほどは失礼しました。魔王国で魔王をしているミシャです。」

ミリア「いえ、あの・・。

    ほんとう・・なんですの? 私の膝に乗っていたのが魔王様!?」

俺「信じられないとは思いますが・・。」

ミリア「そ、そうですわね。そういう事もあるかもしれません。

    代理ですが、皇帝のミリアと言います。」


 ミリア姫は、突然襲われたせいか、いつもより(すなお)な感じだ。


俺「ルナリス、。帝都内の状況はどうなってる?」

ルナリス「通信の感じだと、主要な施設をノカナ将軍配下の部隊が攻撃中みたいです。」


 そっちに専念してるから、追ってこなかったのかな?


 今のうちに聞いておくか・・


俺「ルナリスは、火薬って知ってるか? 魔王国に進入した帝国兵が使っていたのだが。」

ルナリス「はい。軍では使ってましたから。」


 知ってるのかよ!


俺「製法は?」

ルナリス「最高軍事機密だけど・・。私は司令官付きだったので聞いています。

     でも、材料が無いから作れと言われてもできませんよ。」

俺「硝石なら輸入を依頼してある。」

ルナリス「・・ヒロタンさんが、何故、それを?」


 やっぱり黒色火薬か。


俺「俺のいた世界では、知られていたからな。」


 でも、材料はセクタに届くわけだが。


俺「エストリアや、ロコナは知ってると思う?」

ルナリス「知らないはずです。上位権限が無いと教えてもらえません。」


 とか話していると。


ミュー「反乱軍が瑠璃(デバイス)通信社を抑えたみたいよ。

    この後、通信社から声明を出すって言ってる。」


 以前、エストリアが見ていた新聞みたいなヤツか。放送なの?


ノカナ将軍の声明

  「臨時革命政府より、全帝国民に告ぐ。


   わが帝国は愚かな皇帝代理により荒廃(こうはい)し、窮地(きゅうち)に至っていた。」


ミリア姫「なんですって!」

俺「落ち着いてください。」


ノカナ将軍の声明

   「そして、この事態になってなお、皇帝は自堕落な生活を続けていたのだ!」


 温泉から帰ってこないし、当たってるかも。


ノカナ将軍の声明

  「我々は、この腐敗した皇室を排除すべく革命を断行した!そして、それは成功した。

   この革命により、帝国は新たな繁栄の時代を(むか)えるであろう!


   なお、当面の間、帝国に戒厳令を施行する。

   また、新しい皇帝については、後日、発表する。」


俺「ミリア姫がここにいる事を、反乱軍は知ってるのかな?」

ルナリス「特に、そういう通信は無いけど、、分かりません。」

俺「戦闘はまだ続いてる?」

ルナリス「帝都内は、あらかた反乱軍が制圧したみたいです。

     いくつかの部隊が反乱軍に追われて帝都を脱出したようですが、良く分かりません。」


俺「取りあえず、長距離通信かな!?

  今後についてセクタと相談したい。」

ルナリス「分かりました。」

エミャル「手伝いましょうか?」

ミュー「エミャルは疲れたって顔をしてるわ。私がやるわよ。」

俺「じゃあ、ルナリスとミューちゃんで頼む」


執事「ご主人様。5名ほどの不審者が屋敷の敷地内に進入しております。」


 今まで、どこにいたの? 相変わらず黙っていると空気のようだ。


俺「目的はわかる?レベルは?」

執事「目的は不明です。レベルは、いずれも8以下かと。」


 偵察かな?ミリア姫を探している可能性もあるな。


俺「クラム、頼めるか?追い払ってくれ。」

クラム「いいよ。10分の1刻で片づける。」

トラク「私は行かなくて良いでしょうか?」

俺「大丈夫です。

  ルナリス、通信を。」


 外は騒がしいが、通信を始めた。


エストリア「どうなった?」

俺「ぎりぎりだったがミリア姫を救い出した。ただ、帝都内の主要施設は反乱軍が抑えたらしい。」

ミリア姫「おひさしぶりですわね。」

エストリア「ご無事でなにより。」

ミリア姫「もちろん、大丈夫でしてよ。

     私の危機に、ヒロタン様が救いに来てくださいましたから。まあ、当然ですわね。

     私の勇者様ですから。」

エストリア「・・・。

      ヒロタン、そのバカ姫、一発殴ってくれない!?」

ミリア姫「なんですって?」

俺「いや、エストリアの気持ちは、なんとなく分かるが、今は、そういう場合では無いから。」

エストリア「まあ、そうだけど・・。」


俺「それで、できればミリア姫と帝都を脱出してセクタに向かいたいのだが、。」

エストリア「どうすれば良いの?」

俺「ストリュは居るか?」

ストリュ「居るぞ。

     こちらから迎えの兵を出す事は出来ると思うが。

     いずれにしろ帝都の都市城壁の城門が問題だろうな。」

ルナリス「城門は、すでに反乱軍が抑えて封鎖しているみたいです。

     ミリア姫の脱出は難しそうですね。」

ストリュ「帝都の城門を外から武力で破るのは難しいだろうな。

     もし、そちらのメンバーで、なんとか門外まで出てくれれば・・。」

トラク「残念ながら強硬突破は難しいでしょう。

    城門の下にいる兵士を全滅させたとしても、門の開閉は城壁の上で行っています。

    閉められた城門を開くには、城壁の上の開閉所での操作が必要です。」


 火薬があれば城壁を爆破できるかなぁ。


 クラムが戻ってきた。


クラム「外の侵入者は追っ払ったよ。」

俺「よくやった。」

クラム「なでて。」

俺「うん。良い子だ。」


俺「明日で良いので、公社の管理をお願いしたリナルを打ち合わせに呼んでくれるか?」

エストリア「良いけど、何?」

俺「輸入をお願いしていた物があるのだ。あと、ロコナは戻ってる?」

エストリア「まだね。魔王国にいるわ。」

俺「じゃあ、急いで戻るように、伝えてくれ。」


 ロコナに作ってもらうしかないか。危険だけど・・。


俺「今日は、ここまでかな。」


エストリア「みんな無事でいてね。」

ルナリス「この屋敷内なら、大丈夫だと思うわ。」


 それ以上、動きようがないので、、。


 しかし、これだけのメンバーだと、この屋敷は狭いな。どういう部屋割り?

 皇帝とか魔王様とかどうするのだ?


俺「すみませんが、この屋敷だと、あまり部屋がありません。

  ミシャ様とエミャルは、同じ部屋で良いでしょうか? 2階の私の部屋の隣が比較的大きな部屋なので。

  予備のベッドがあるかもしれませんので、それを運んで・・。」

ミシャ「ベッドひとつで大丈夫すよね。ねぇ、エミャル姉さま?!」

エミャル「そうですね。久しぶりに二人で・・」

俺「すみません。助かります。」


 あとは。


俺「それで、ミリア姫は客間でどうでしょう?。」

ミリア「客間で、かまわないのですが・・。

    ヒロタン様の隣の部屋って、この屋敷の奥様用という感じだったり・・しません?」


 するどいなぁ。


俺「以前は、そういう部屋だったと思います。」

ミリア「そこにエミャルですか・・。気になりますね。

    私には、皆が言うようにエミャルの容姿が悪いように見えませんの。

    むしろ、美少女というか・・。

    そういうエミャルが、ヒロタンさんの隣で、まちがいがあっては・・。」


 どういう事?


ミュー「驚いたわ。エミュルが綺麗に見えるのって、私だけじゃ無かったんだ!」


 へ? もしかして、エミャルがぶさいくってのはバカげた集団心理?


ミリア「あら、。あなたも、そう思っていたの?」


ミュー「でも、たぶん、そう思っているのは、ミリア姫様と私ぐらいで・・。」


ルナリス「そういえば、ヒロタンさんも・・」

俺「あああ。いや、ミシャ様がいますから! 大丈夫です。

  それに客間は狭いので二人は無理ですよね?

  ですから、広い部屋に二人という事で、やはり、その部屋に!」


ミリア「・・仕方ありませんね。ミシャ様がいらっしゃれば間違いも無いでしょうか。」

ミシャ「すみません。お邪魔みたいで。」

ミリア「いえ、かまいませんよ。」


ミシャ「なんでしたら、私はヒロタン様と同じ部屋で。」


ALL「やめて!」


 その日は交代で見張りをしながら休んだ。

 そして、翌朝、革命政府の使者というのが、手紙を持ってきた!

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