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初めての魔王国と美少女魔王

 帝国から魔王国へ旅して、魔王国の城門までたどりついた。

 城門で詰問されて、セクタ領主 ヒロタンと名乗る。


 そして、そのまま1刻、、1時間以上、城門で待たされた。エストリアが連絡を入れると言っていたのだが、伝わっていないのだろうか? 入れてもらえないなら、あきらめて戻るしか無いかなぁ・・と思い始めた頃、。

 城門に(あらわ)れたのは 


トラク「お待ちしていました。」

俺「わざわざ、トラクさんが・・。」

トラク「いや、私ぐらいしか、ヒロタンさんを存じ上げていないもので。確認の意味ですよ。」

俺「なるほど。」

 となりに赤っぽい色の(くさり)帷子(かたびら)・・というヤツだと思うが鎖の服を着た女性兵士。微妙に、見事な体のラインが強調される服だが、素早い動きに特化した装備かもしれない。大きな目が獲物を狙う猫化肉食獣という感じで鋭く光っている。その女性兵士が、。

「ヒロタン殿は剣士と聞いていたが・・、そのわりに(ひど)い剣をお持ちですね。」

トラク「すみません。同僚のライナです。」

ライナ「剣士たるもの、そのような剣を下げて恥ずかしく無いのでしょうか?」

トラク「ライナ、、。お客人に失礼ですよ。」

俺「あ、いえ、。恥ずかしい剣というのは、まあ、本当でしょう。」


 ほぼ見かけだけだし。


トラク「すみません。彼女も、四天王と言われる将軍なんですが・・。」

ライナ「ふ」


 ライナは、行ってしまった。何しに来たんだ?


トラク「馬車を用意しています。城まで、ぜひ!」

俺「いや、貴重な荷物を運んでいますので、この馬車から離れるわけにいきません。」

トラク「では、その馬車で、。私が案内しましょう。」


 トラクの馬車が先導する形で、魔王国の街並みを進む。トラク自身は俺の馬車に一緒に載っている。

 しばらく行くと大きな灰色の城が見えてきた。


トラク「あれが魔王城です。魔王神殿もかねている特別な城です。」

俺「神殿と城が一緒なのですか?」

トラク「難しくなるので、のちほど。まずは、宿舎を用意してありますので、そちらに。」

俺「あちらにも大きな白い神殿がありますね。」

トラク「あれは、ネクトン派の神殿です。魔王神殿とは違う・・まあ、いろいろあるのですよ。」


 少しトラクの顔が曇ったかもしれない。要らん事を聞いてしまっただろうか。


 結構な館についた。迎賓館・・?というほどでは無いのかな?

 馬車に護衛の兵士を残して、中に入ると・・。


 メイドさんだ! この世界に来て、初めて、こういうメイドさんらしいメイドさんを見たわ!

 しかも4人ほどが並んで出迎えてくれた!


 うん。帝国より、こっちの国のが好きかも。


 広間に歓迎の宴会が用意されていた。

 トラクが、サミアスの手を引いて、座らせている。俺より丁重に扱ってないか?

一応、席は、俺、ロコナ、そしてサミアスの順なんだが。

 サミアスの前にトラクが座った。別に狙ったわけじゃないと思うけど。

 俺の前と隣の2つは空いているが・・?


トラク「すみません。少し、お待ちください。ぜひ、という事で、魔王陛下がいらっしゃるそうです。」


 それはすごいかも!

 既に飲み物だけは出されているが、料理は、まだ出ていない。

 でも、ちょっと、ワクワクである。


 1時間ほどすると、宰相さんが、魔王様を(ともな)って現れた。宰相さんは、、でかい!1メートル90cm以上、2メートルぐらいかな?

 魔王様は、、、成長した? いや、映像では宰相さんと並んでいた事で縮尺を勘違いしていたようだ。幼女というより、むしろ少女・・かな? 清楚(せいそ)可憐(かれん)(ひかり)(かがや)くようなドレスを着ている。正装・・と言う事だろうか。可愛いと言うより、(うつく)しい。黒髪に大きな黒い瞳。宰相さんに手をひかれ、微妙に、はかなげな感じがエミュルを思い出させる。

 宰相さんも正装だと思うが、ビシっとした制服のような服。ただし、飾りや模様はほとんど無い。(あるい)は、宗教的な意味合いのある服かもしれない。

 二人の服装に対して、我々はかなりみすぼらしい・・。旅の途中だし、しょうがないよね。


宰相「ようこそ。魔王国へ。」

俺「このような歓待。ありがとうございます。」

魔王ミシャ様「かわいいって言ってくれたので、ぜひ、お会いしたくて・・」

俺「こうして、近くで見ると、なおさらかわいくて、お綺麗です。」


 これはほんと。お世辞などでは無い。


ロコナが興奮気味に「魔王様、、本物の魔王様ですか!?!?」

俺「黙っていてくれないか?」


 まあ、他国の国家元首だからな。興奮するのも分かるが・・。

 こいつは護衛の兵士といっしょに馬車に置いて来れば良かった・・かも。


宰相「もしかすると、若すぎる魔王様について、ご不信に思われているかもしれないので、先にご説明させて頂きますが。

  魔王様は特殊な世襲性なのです。魔王城の大瑠璃(ビッグデバイス)に、血筋と心を認められた者だけが魔王になれます。

  ですので、若すぎる事は承知しておりますが、今は、ミシャ様以外におりません。」

俺「・・、なる・・ほど。」


 ぜんぜんわからんが、事情があるのだろう。


ロコナ「それで、それで、魔王様は、魔法(マジック)体系(システム)を無視して、大魔力をコードの制約無しに使える・・と言うのは・・。」

俺「だから、黙っていろって!」


 明らかに魔王様はイヤそうな顔をしている。まったく、ロコナには困ったものだ。


宰相「帝国では魔法を技術と(とら)える体系(システム)があると聞いております。ですが、私の見解では魔王様のそれは宗教、、です。心のありよう・・でしょうか。」


 良く意味は分からんが・・。


俺「はい。魔王様は十分に(きよ)らかな(かた)に見えます。」


 たぶん、そんな感じの事だろう。


俺「隣のロコナが魔王様に失礼な事を言って、申し訳ありません。

  後で、よく叱っておきますので。」


 とにかく、あやまっておく! 俺の中身は、今の見た目より歳食った社会人である!


魔王ミシャ様「いえ、。私自身が、既にどのような物になっているかについては理解しています。

       今の私は、それを受け入れるしか無い・・という事も含めて。」


 見た目以上に大人かもしれない。

 そして、少し、悲しそうだ。こんな子を悲しませるとか、ロコナは最低だな。

 ロコナ自身は、良くわからないという感じでポカンとしている。悪気は無さそうなんだけど。


宰相「ロコナさんの魔王様への危惧(きぐ)()からないではありません。

   我が国と帝国との戦乱はようやく(おさ)まったばかりです。

   (いま)だ、わだかまりがあるのは当然でしょう。」


 そうなのか? そもそもロコナに、そんな意図は無いだろう。

 会話が成立していない気がする。


宰相「ですが、ご安心ください。この国の政治を担う10人委員会の大半は和平を望んでいます。

   10人委員会によって新たに選抜された私は和平を実現するために、この職にいるのです。

   今、魔王様に、お願いするような事は何もありません。」

俺「そうですね。平和が一番だと思いますよ。」


 魔王様にお願いする事って・・。


宰相「ヒロタン殿は、先の通信の趣旨に(たがう)う事無くセクタの領主になられた。独立も考えておられるとなると。

  魔王様だけでなく、私も、ぜひ、お会いすべきと考えておりました。」

俺「こちらこそ、ぜひ、よろしくお願いします。」


 輸送のついでだけど・・

 あと独立とか、帝国に知られるとヤバいからね。秘密にしてね。


宰相「この機会に、ひとつ、ご提案なのですが、お互いの領内に領事館を置くというのは如何でしょう?

   セクタの港が再開されれば、私どもにとっても重要な貿易相手となります。」

俺「なるほど。それは、ぜひ、こちらとしても。」


 正式な外交関係だよね。良いのじゃないか。


宰相「では、良き関係の門出に乾杯と言う事で。」

俺「はい!」

宰相「かんぱい!」


  なかなか良い酒である。すばらしい!

  やっぱり、帝国より、この国のが良くないか? 少し宗教臭いのが気になるが。


宰相「よろしければ、明日、ご一緒に芝居でも見に行きませんか?

   良い演目がかかっております。」

俺「すみません。明日朝、()とうと思ってるので。」

宰相「そうですか。では、次の機会にでも。」


 帰り際に、宰相さんが俺の耳元で、


宰相「先日、エストリア様から通信を頂いた際、いっしょにいらした、エミャル様・・。」


 魔王国への遠距離通信をエストリアとエミャルで(おこな)ったのだろう。


宰相「この次は、ぜひ、あのエミャル様と一緒に、いらしてください。」

俺「はぁ・・。」


 どういう意味だろう? 魔王国にエミャルの知り合いでもいるのか?


 そして、宰相さんたちが帰ったあと、最初に見た赤い(くさり)帷子(かたびら)の女性兵士がやってきた。

 やっぱり、この人はネコ科っぽい。いろんな意味で。


ライナ「これを、ヒロタン殿に」


 なかなか、良さそうな剣である。鋭くて軽いのに、十分な強度が感じられる。

 柄の模様がライナ自身の剣に似ているのは、同じ製造者だから・・かな?


俺「あの。御代(おだい)は・・。」

ライナ「差し上げると言っています。」

俺「あ、ありがとうございます。」


 もらって良いのか?

 この世界に来てから飾り程度の剣ばかりだったから、これほどの剣は持った事がない。

 もちろん、俺がもってもしょうがないというのはあるのだが・・


トラクが耳元で「彼女は、ある意味、剣に信仰心を持っていて。

   良い剣を布教したりするのですよ。もらってあげてください。」


ライナ「トラクは、何をこそこそ言っている?」

トラク「あ、いえ、。さすが、ライナさんだなぁっと。」


ライナ「ふん! おまえの剣には、色気が無い。もっと、こう・・」

トラク「はい。気を付けます。」


 良く分からん人達だが、帰っていった。


 皆が帰ったあと、ロコナに


俺「さっきの魔王様の話しって、どういう意味かな?」

ロコナ「私も噂でしか聞いていないし、本当かわからないけど、魔王様は魔力をコードを無視して行使できるのよ。しかも、普通では考えられない量の魔力を使える。

    戦争で使われる事は、あまり無いみたいだけどね。」


 コードって、魔法で直接人を殺せないってヤツだよね。


俺「それは、つまり、人を殺せる?」

ロコナ「そういう事ね。」


 本当に魔王って事か。


俺「まあ、でも、それを聞いてはいけない雰囲気だったぞ。」

ロコナ「そうなの? なぜ?」


 こいつを外交の場に出してはいけない!


 その夜は、すばらしいベッドで寝れた。馬車でお金の番をしている兵士さんには申しわけないが・・。まあ、それもあって朝には出発。


 翌朝、トラクさんたちが城門まで送ってくれた。断ったのだが、馬車で先導してくれた。

先週の週別ユニークユーザが330人まで伸びました。ありがとうございます。

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