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帝国での金策

 その夜、屋敷でセクタとの長距離通信。ルナリスと来たばかりのロコナに手伝ってもらった。


エストリア「通信のために雇った魔法使いって、、。」

ロコナ「おぉ! エストリアではないか!」

エストリア「ロコナ先輩!? ちょっとまってください!」

ルナリス「私も止めたのですが・・。」

ロコナ「何を言ってる? 私の技術が信用できないとでも?」

エストリア「いや、まあ、、。技術はともかく社会性というか・・。」

ロコナ「十分に社会人をしていたぞ!」


クビになっとるだろが!


俺「実は、もう、一人いるぞ。」

エストリア「見えないけど・・。」


そ、そうか、カメラのアングルで・・。


俺「ミューちゃん、ちょっと、その椅子の上に立ってくれ。」

ミューリラル「これでどう?」

エストリア「・・・・。ヒロタンの隠し子?」

俺「そういうネタはヤメロ!

   ミューちゃんは学校長に、ロコナは研究所の所長に押し付けられた。」


俺「ところで、エミャルは大丈夫か?」

エミャル「はい。大丈夫です。でも、早く帰って来てくださいね。」

ミュー「悪魔髪のエミャルだ。生きてたの?良かったじゃん。」

エミャル「生きてます!」

ミュー「なんか、寮で死んじゃったけど学校が対面を気にして、ごまかしたっ!て噂・・だったのよ。」

エミャル「酷い・・。」


 そんな事を言われたら、また、エミャルの精神状態が・・。


俺「わわわ。エミャルは可愛いからね。大丈夫だからね。落ち込まないでね。」

ミュー「なんで、エミャルがここにいるの?」

エミャル「ヒロタンさんのあれかな?」

ミュー「何よ!あれって?」

エミャル「う~ん。ミューちゃんには、ちょっと早いかなぁ。」


 おまえは何を言っている?


ミュー「誰がチビよ!」


 そうは言ってないぞ。


エストリア「同窓会は後でやってくれる?

  ヒロタンは明日、左大臣の所へ行って金策(きんさく)よ。そのために帝都に行ってるのだからね。」

俺「分かっている。エストリアにもらった手紙を渡せば、なんとかなる・・のか?」

エストリア「でも、あのジジイだと、高い金利を言って来るかもしれないわ。

  その時は、断って。」

俺「他にあては無いのだろ? 金利ぐらい・・。」

エストリア「あのジジイなら、4節で2倍ぐらい言ってくるわよ。」


1節は30日で1月に近いから、、4か月で2倍?


俺「・・・。金利ってレベルじゃないな。」

エストリア「だからよ。」

俺「それでも、他にあては無いのだよな。その金利だと、絶対に不可能?」

エストリア「う~ん。(みなと)が復旧して、高率の関税をかければ、なんとかなるかしら。」

俺「じゃぁ、。」

エストリア「でも、帝国に渡す税金を払えないわよ。」

俺「そっか。それもあったな。」

エストリア「4節で1.5倍まで。それ以上は、断ってね。」

俺「わかった。」


 その夜は、それで終わった。

 翌朝、執事さんが・・


執事「議長のデルカ様が、ご主人様とお会いになりたいとの、ご連絡です。」

俺「へ?」


 敵じゃなかったっけ? 何? 怖いな。


俺「会いに来いって事?」

執事「ご主人様の都合がよろしければ、こちらに見えられるそうです。」


 来るのか? ならば、拒む事もないのかな。


俺「分かった。午後で良ければ館にいると伝えてくれ。」

執事「私は、御者として、ご一緒に出かけると思いますが。」

俺「そうだな。ルナリスに頼めるかな?通信所へ行って連絡しておいてくれ。」


ルナリス「わかりました。連絡しておきます。

   左大臣さんのところは、わたしは行かなくても大丈夫ですか?」

俺「大丈夫だろう。」


 左大臣の邸宅はお城に近くて、それでいて城下町の喧噪(けんそう)から一歩入った高級そうな住宅街にあった。門を入ると、駐車場の他、使用人の住居なのか複数の建物がある。さすがに、有力者の家だ。


 応接室に通されて。


左大臣「領主とは偉くなりおったな。」

俺「これも左大臣閣下のおかげです。」

左大臣「それで、連絡では、お金・・と?」

俺「はい。セクタの復興資金をお借りできないかと。」


 エストリアの手紙を渡す。中身は知らない。

 左大臣が封を切って読んでいる。


左大臣「うむ。5000万ゴールドとは、高額だな。」

俺「復興に必要なので。」

左大臣「そうだな。であれば、4節後に2倍にして返してもらえるかな。」


 ほんとに言ってきた!

 エストリアはなんで分かるの?


俺「申しわけありませんが、それはちょっと。」

左大臣「帝国に払う税金なら次節の議会で法律を作れば、なんとか出来るかもしれんぞ。」


 そうきたか!よく理解している。

 しかし、議会を私利私欲に使うなぁ。


俺「ですが、エストリアに、その利子では断るようにと。」

左大臣「なんじゃ? エストリアに使われとるのか?」

俺「いえ、、まあ。」

左大臣「エストリアはいくらなら良いと言っておった?」

俺「・・。4節で1.5倍まで・・。」

左大臣「だめじゃ!」

俺「はぁ・・。」


左大臣「ところで、。おまえはエストリアをどう思ってる?」

俺「はぁ? そうですね。賢い・・ですか?」

左大臣「そうでは無く、女性・・として、なのだが・・。

    そうだ、もし、おまえがエストリアと結婚するなら、その4節で1.5倍で貸そう。」

俺「何を? 何を言ってるか分かりませんが・・。

  そういう事を取り引きの材料にするのは、ちょっと。」


左大臣「う、うむ。なるほど。これはわしが、悪かった。今のは忘れてくれ。」

俺「はぁ。」


 珍しく素直?


左大臣「では、こうしよう。4節毎に貸した金額の半分づつ。これを5回。つまり、1年間、支払ってもらう。」


 0.5×5だと、2.5で、2倍より増えてるじゃないか!


俺「合計では2倍より増えてますよね?」

左大臣「だが、期間が長いから港の税収で払えるであろう。」

俺「なるほど・・・。」


 しかたないか。他にあてが無いし。


俺「では、それで、お願いします。ただ、借りる お金は半分を現金で、半分を手形でお願いできますか?」

左大臣「どうするのだ?」

俺「半分は現金で、そのままセクタに運びます。半分は帝都に置いて、帝都での物資調達に使います。セクタは荒廃していて物資もままならないので。」

左大臣「なるほど。了解だ。そのように手配しよう。

  明日の朝には届ける。」

俺「ありがとうございます。その時に証文へのサインもさせて頂きます。」


 まあ、たぶん、エストリアには怒られるのだろうが、しかたがない。


 戻って、一休みしていると、豪華な馬車が・・。

 執事さんが出迎えに出たので、オレも。


俺「これは、議長閣下。わざわざ、お越しいただき、ありがとうございます。」

議長「あー、ちょっと、勇者殿に忠告したい事があってな。」

俺「わざわざ、ありがとうございます。とりあえず、こちらに。」


 応接セットみたいのがある客間に。


議長「他でも無いが、勇者殿は、左大臣に利用されておる。」

俺「はぁ」


 まあ、そうなんだけど・・。


議長「しかも、その結果、ヒロタン殿の最後は破滅しか無いのだぞ。」

俺「それは、困ります。」


 そうだったのか?!


議長「セクタの港が復興すると、どうなるか分かっているかね?」

俺「え~と、。東の大陸との大規模貿易が再開されて、。」


 大きな船、大きな荷物を上げられる港はセクタにしか無いからな。

 まったく異常な大陸だよ。


議長「それだけでは無い。東の大陸との行き来が盛んになれば、先の勇者、キヨハル殿が戻ってくるかもしれないのだ。」

俺「はぁ。」


 別に勇者二人でも良いのじゃ? そもそも、俺はたいして勇者じゃないし。


議長「ミリア姫が必要としているのは、キヨハル殿であって、ヒロタン殿では無い。

 その場合、ヒロタン殿は邪魔と言って良い。」


 キヨハルって、そんなに凄いのか?


俺「ご忠告、ありがとうございます。

  お話しの感じだと議長も、キヨハル殿には不満があるのですか? 」

議長「不満・・・と言うか、まあ、邪魔ではあるかな。」

俺「お互いに共通の敵と言う事ですね。」

議長「その通りじゃ。」

俺「ところで議長は、どれぐらいの軍を動かせるのですか?」

議長「なにを言っているのだ?」

俺「いや、あれですよ。やっぱり、こう、強い方には従うしか無いっていうか。」

議長「ふっ。分かっておるようだな。

   議会で、勇者殿の対立候補となっていた、シサム将軍は既に帝国軍の半分を掌握している。

   そのあたりを良く考えてみると良い。」


 それって、かなりやばいのじゃないか?


俺「さすが、議長閣下。俺も良く考えてみます。」


 議長が帰って、ほっとしていると。別の豪華そうな馬車が・・。

執事「右大臣ドルダイン・シバタイル閣下がお見えです。」


 何?俺ってそんなに人気者なの?

 客間にお(とお)しすると・・。


右大臣「直接、文句を言っておこうと思ってね。」

俺「はあ。」

右大臣「左大臣からは、最初の御前会議の時から君を優遇するように言われていたわけだが、

    その理由を分っているかね?」

俺「最初から・・ですか・・・。えーと。ルマリオ・・さんの件は・・。」

右大臣「それが最初からなんだよ。

    左大臣は、君をルマリオの引き立て役にするから、と言っていたのだ。」

俺「え~と。御前試合では、、ご指示通り・・。」

右大臣「あれじゃ、ダメだったんだ!」

俺「はぁ。」

右大臣「分ってると思うが、私が目指しているのは、ミリア姫とルマリオの婚約だ!

    だが、ぜんぜん進展しとらん!」


 権力闘争ではありがちだな。皇帝の娘と結婚させて・・。


右大臣「もし、協力しない気なら君には失脚してもらうぞ。」

俺「はぁ。」


 右大臣は文句だけ言って、帰っていった。

 そう言われても難しいなぁ。なんだか、敵が増えるぞ。


 その夜、再び長距離通信。


エストリア「ばか? あんたは簡単な計算もできないの?

      返す金額は2倍よりも増えてるじゃない!」

俺「そう言うと思ったよ。でも、港の税金が入れば、少しづつなら払えるだろ。」

エストリア「まったくもう。

      時間も無いし、それで行くけど、少しは考えて欲しいものだわ。」

俺「そういや、左大臣はエストリアと俺が結婚とか言ってたが、なんでだ?」

エストリア「へ? 知らないわよ!  じじいの世迷言でしょ。」

俺「あと、議長が来て、いろいろ警告と言うか、おどしというか。」

エストリア「怖くなった?」

俺「まあ、いまさらだろうな。俺一人ならともかく、今は、もう。」

エストリア「そうね。」

俺「その上、右大臣が来て文句を言っていた。」

エストリア「たいへんね。」


 あまり、たいへんそうに聞こえない・・。


エストリア「それで、そのセクタに戻る旅なんだけど・・。」

エミャル「早く帰って来て!」

エストリア「安全にね。」

俺「どういう?」

エストリア「大陸を逆回りが良いと思うの。

      おそらく直接、帝国からセクタへのルートは待ち伏せされてるわ。」

俺「つまり、魔王国経由・・」


 かなり遠いけど。


エストリア「そういう事。私が魔王国の宰相さんに連絡しておくから。」

俺「分かった。それも良いかもしれないな。」


 魔王国へ行ってみたかった所だ!

 帝国に次ぐ、この大陸の強国だからな。


 翌日朝、左大臣の使者がお金と手形、そして契約書を持ってきた。


俺「手形の発行時の署名はルナリスでお願いします。」

使者「分りました。では、ルナリスさんも契約書のここに署名を。」


 契約書にサインして、お金と手形を受け取る。手形は、館の隠し倉庫に保管した。

 そして、左大臣の使者が、「シサム将軍配下の部隊が演習と言って、セクタ方面に出発するようです。気を付けください。」


 エストリアの予測通りだろう。待ち伏せするつもりだ。やはり、ここは逆回りで帰るしかなさそう。


 現金を運ぶ旅は、俺と、サミアスと、ロコナの3人と、護衛の兵士10名。

 屋敷にも手形を残しているし、物資の調達もある。執事さんだけというわけにはいかない。クラムとルナリス、そしてミューちゃんは残ってもらう。ルナリスとミューちゃんが居れば通信できるし。クラムにみんなを守るように命令しておいた。おそらく、クラム一人で、かなりの戦力。


 そして議長たちに見つからないように、魔王国へ向けて出発した。

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