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セクタ城へ凱旋

 王族とかの話について、エミャルは答えてくれなかった。


 そして、翌日、。

 ようやく体も戻って来たので、お城へ戻る事した。

 連絡はしていたのだが、城下町のメインストリートに入る手前で、エストリアたちに捕まった。しばらくまたされて、なにやら、豪華に飾ったオープンの馬車が用意され・・。


エストリア「こういう演出は重要なのよ。住民の人気は絶対に必要よ。」


 メインストリートをパレード。そんなに大きな街だとは思わなかったが、沿道には人が一杯。大王狸の脅威がなくなったのは、本当に嬉しかったのかもしれない。


 そしてセクタの城の入り口に、大きな俺の像が・。

 なんじゃ、こりゃ!? なんでも、大王狸との戦いのシーンだとか。

 昨日の今日で、どうやって作ったのだ? 絶対に、もっと前に作り始めていたよね。


 城に着くと丁重に迎えられた。最初に来た時とは、ぜんぜん違う歓迎ぶり。


 それはともかく、ルナリスが

ルナリス「薬の悪影響があるかもしれないので、調べさせてください。」

俺「怖いな・・。」


 例の水晶球を押し当てて来たが・・


ルナリス「変わってませんね。」

俺「良い事じゃないか。」

ルナリス「戦ったのですから、本来はレベルが上がるはずなんですよ。

   たぶん、内部的にはレベルが上がっていて、でも、偽装上のレベルは同じなのかと。」

俺「確認できない?」

ルナリス「この偽装を作った人なら、分かるかもしれませんが・・。」


そして。

エストリア「もって来たお金はほとんど使ってしまったわ。」


 パレードや俺の像で使ったの?


 いずれにしろ、領主としての仕事を始めないといけない。城の会議室に主要な人たちに集まってもらった。

 自己紹介によると。


 帝国から派遣されたセクタ領 守備隊のミナス隊長。既に魔獣と一緒に戦った人だが、誠実でマッチョな軍人さんだ。

 帝国から派遣されたワナシア行政官。インテリ風の細い眼鏡男。なんだかキツそう目つき。

 王国時代から、ここの行政を担当しているアイナ女史。文官のかなりは王国時代からのスタッフで、そのトップ。この人もキツそうだ。

 城の管理をしているダムラルと言う老人。


 それに、俺と、エストリアと、ストリュ。


俺「新しく領主になったヒロタンだ。 今日、相談したいのは・・。」


エストリア「まずは人と、お金よ。」


俺「分かった。では、まず人の募集だな。特に軍が足りないのだろ?」

ミナス隊長「確かに足りないのですが、、。ここで募集するのですか?

   占領地での徴兵など危険ですよ。彼らに武器を持たせると反乱を招きます。」

俺「しょうがないだろう。帝国からの増援は期待できないし。

   現状だと絶対的に足らなくて治安維持も、ままならない。」

ミナス「・・ですが、帝国軍の配下に現地人を入れるのは・・」

俺「新たに募集して編成する部隊は、帝国軍という扱いでは無く自警団といった名目にしておいてくれ。

  指揮はストリュが取る。」

ミナス「は? なんですか?それ?」

ストリュ「ミナス殿。お主の配下という事で構わんので、ヒロタン殿の言う通りにしてくれないか。」

ミナス「ストリュ殿の魔獣との戦いは、さすがでしたが・・。

    そうですね。まあ、他に方法は無さそうですし。わかりました。」


俺「行政は・・どうすれば良いのかな。」

ワナシア 「領主様は帝国の法を順守した行政を行わないといけません。お忘れなきように。」

アイナ女史「領民は王国時代からの慣習に従っています。この地の伝統というものが・・。」

俺「分かった。・・・エストリアに任せる!」

エストリア「はぁ?」


 ここは、最強技の丸投げである!


俺「両名とも、このエストリアの指示に従うように! 俺からは以上だ!」

エストリア「・・・・。若輩者ですが、よろしくお願いします。」

ワナシア 「エストリア殿は確かミナグスト家の・・。まあ、いたしかたないですか。」

アイナ女史「ほぉ~。古い家柄ですね。たしか、ここの先々代に・・。」


 おまえら、なんで知ってるのだよ!


俺「城の管理が、、その、爺さん?」

ダムラル爺「なかなか面白い領主様ですな。」

俺「爺さんって、この前までいた屋敷の執事さんみたいなものかな?」


アイナ女史「その執事さんは知りませんが、たぶん少し違うと思います。

   ダムラル老は、かつての国王の助言者でもありました。」

俺「そうなのか? だったら、今の俺の話しとか・・。」

ダムラル爺「いえ、結構な事ですじゃ。わしが言う事は何も。」

俺「なら、良いけど・・。」


俺「それで、次だけど・・」

エストリア「お金ね。港の復興にもお金が必要よ。」


ワナシア「ありません。」

アイナ女史「ありませんね。」


俺「お城に、こう宝物とか・・。」

ダムラル爺「帝国軍が全て持っていってしまったので、何も残っておりません。」


俺「お手上げ?」

エストリア「つまり、この領地には無いと言う事よ。帝国に戻って工面(くめん)するしかないわ。」

俺「無理言うなよ。」

エストリア「安心して、。まったくあてが無いわけじゃないのよ。」

俺「そ、そうなのか?」

エストリア「ヒロタンに頑張ってもらう事になるけど。」


 何をやらされるのだ?


エストリア「私がお願いする通りにしてもらえれば、たぶん。」


ダムラル爺「ところで、新しい領主様の配下の皆さんの城内での部屋割りはいかがいたしましょう?」

俺「良く分からんけど、以前の屋敷と同じ感じで良いのじゃないか。」

エストリア「そうね。爺やさん、後で。」


俺「爺さんは、この城に長い・・って事で良いのかな?」

ダムラル爺「そうですな。かれこれ20年以上」


過去の世界の時間だと40年という事か。長いな。


俺「エミャルって知ってるか?」

ダムラル爺「この国の?ですか?」

俺「そう。幼い頃に、この城にいたらしい。」

エストリア「何を言ってるの?」

ダムラル爺「良くご存知ですね。ですが旧王国の皇族は全て帝国軍に殺されました。今更、何を?」

ストリュ「どういう意味だ?」

ダムラル爺「ストリュ殿は、ご存知無かったでしょうか?。

    以前の国王に魔王国から嫁がれた3番目のお妃様がいたのはご存知ですよね。」

ストリュ「それは、知っているが・・。」

ダムラル爺「その方に、お二人の姫様がいらしたのです。分け合って、秘密としておりましたが。

    その一人がエミャル様です。

    まあ、昔の事です。」

俺「あー、たぶん、そのエミャルだな。後で、合わせてやるから、一緒に来てくれ。」

ダムラル爺「お墓・・でも、作られたのですか?では、ご一緒に・・」

俺「生きてるよ!」

ダムラル爺「なんと!!」


会議の後、エミャルたちのいる部屋に、爺さん、エストリアと共に。

ダムラル「ほんとにエミャル様?!」

エミャル「あっ。爺やさん、生きて・・。」

ダムラル「エミャル様こそ、よくご無事で。」


エストリア「エミャルを知る人がいて良かったわ。これで、ヒロタンが金策で帝国に行く間は・・」


 俺が金策に行く事になってるのか?


エミャル「置いてくの!?」

エストリア「あのね。危険でもあるのよ!?途中で、また、襲われるかもしれないわ。」


 でも俺は行くのか?


俺「そうだな。できれば、エミャルはこっちで、エストリアを手伝って欲しいのだけど。」

エミャル「イヤ!!」


ダムラル「エミャル様は、変わられました・・かな。」

俺「そうなのか?」

ダムラル「ここにいた時は(おさ)ないのに、わがままを言わない子でした。」

俺「一度、心が壊れてるからな。」


いろいろあったのだろう。


俺「それで、。俺が帝国に金策?で行くとして、エストリアと、ストリュは、さっき、

  こちらで仕事を割り振ったばかりだから、行けないだろ。

  エミャルって、魔法の学校にいたのだよな? 成績も良かったと。」

エミャル「はい・・。」

俺「仲間内で長距離通信の魔法が出来るメンバーを残しておきたいのだよ。

  エミャルとエストリアの二人なら出来るのじゃないか?」

エストリア「そうね。出来ると思う。でも、帝国側は?」

俺「ルナリスに行ってもらって、あとは、向こうで探してみる。」

エミャル「イヤです! 一緒に!」

俺「すぐに戻ってくるから・・。」


ダムラル「エミャル様、東の街のいちごミルクジュース、飲みに行きませんか?」

エミャル「あっ! まだ、あるのですか?」

ダムラル「ありますよ。昔、あれだけは、わがままを申されていましたよね。」

エミャル「はい。あれは・・。」

ダムラル「東の街には、まだ、あのお店があります。明日、ぜひ!」

エミャル「わ、わかりました。

   で、でも、通信でも良いので毎日・・。」

俺「あー。連絡するよ。だから、こちらで待っていてくれ。」


ダムラル「ところで領主様、出かけるのでしたら、その前に、大司教様に会われた方がよろしいかと。」

俺 「大司教?」

ダムラル「この国・・この領地の神殿をまとめられている方で、ここではとても重要な方です。」

俺 「分かった。」


エストリア「じゃあ、帝都に行くのはヒロタンと、ルナと、、」

俺「戦力として、クラム、来たときの護衛の皆さん・・。」

エストリア「護衛にサミアスも連れていくべきよ!」

俺「おまえ、どうしてもBL小説にしたいのじゃ・・。」

エストリア「何を言ってるか分からないけど、行くべきね!」

俺「・・・。分かったよ。」


 お城での相談の後、爺さんの助言に従って、神殿の大司教様・・に会いに向かった。

俺と、爺さんと、エストリアと、ルナリス。

エストリア「ここには魔法兵がいないから、魔法戦力は神殿に頼るしか無いのよね。」

ダムラル「王国時代は、軍に従軍司祭を派遣されていました。魔法と祈りのために。」


 神殿に着くと、巫女服のような物を来た女性に案内されて、奥に通された。


 祭壇に大瑠璃(ビックデバイス)が祭られた大きな部屋の、さらに奥に大司教の私室が。

 恐ろしく立派な椅子に座った大司教様は高齢の老人で、その横に若い女性が立っている。


俺 「この度、帝国より領主として派遣されてまいりましたヒロタンです。

   大司教様にご挨拶を。」


 大司教はうなずいただけで、何も言わない。これ、どういう儀式?

 隣の巫女服の若い女性が・・


女性「大司教様は、魔獣を討伐された領主様に敬意を表するとおっしゃっています。」


 いや、何も言って無いだろ? あれかな、通信用の瑠璃(デバイス)で。


女性「だが、神殿・・・、セクトの神殿への信仰心には憂慮しているとも。」


 ダムラル老が小声で俺に「信仰心とは、お布施という事ですじゃ。今は、どこもお金が無いじゃて。」

 金次第か・・


俺 「今、魔獣は討伐されましたが、(みなと)の復興はこれからです。

   神殿への信仰を(おこた)るものではありませんが・・。

   いま、しばしの猶予をお願いもうしあげます。」


 老人は、またうなずいた。が、それだけ?

 どうも、この老人の反応はワンパターンだ。


女性「1節のうちには必ず・・っと、大司教様は申されています。」


 小声でエストリアに「1節後なら、なんとかなるか?」

 エストリア「分からないけど、ここもたいへんみたいだし、少しなら。」


俺 「少しばかりになりますが、1節の後に喜捨(きしゃ)させて頂きます。」

女性「できるだけ、お願いします。では、その喜捨(きしゃ)のおりにまた。」


 今度はうなずいてもいないが・・・。


俺 「お名前を、、伺ってもよろしいですか?」

女性 「タタアシフ大司教様・・」

俺 「いえ、あなたの?」

女性 「私・・ですか?ネネクフスですが・・。」

俺 「ありがとうございます。では、また。」


 そして、城に戻った。

 出発は明日という事で、その夜は城に。


 城主の部屋というのは、さすがに立派だ。なんと、シャワー付き! だいぶ上の方の階なのだが、どういう原理で水を上げているのだろう。さすがにお湯は出ないけど、紐を引くと冷たいシャワーが出る。そのシャワーを浴びてから、続き部屋らしいのに気が付いた。

 もう一部屋あるのか? さすが城主の部屋だな。


 ドアを開けると!?


エストリア「うわっ! 何! 突然!?」


 着替え中のエストリアが?☆!


俺「えっ?」


エストリア「しかも、あんた裸じゃ?」

俺「いや、あの!?」

エストリア「わ、私は・・、まだ、。」

俺「ごめん。悪かった。」


 (あわ)てて扉を閉める。

 そういや、以前の屋敷と同じ部屋割りと言ったかも。こういう部屋も同じ?!

 それにしても、エストリアのスタイルはやっぱり凄いわ。目に焼き付くぞ。胸があるのに意外に細いし、足が長いから背のわりに華奢に見える。


扉越しに

エストリア「脅かさないでくれます?」

俺「すまん。」

エストリア「・・。大丈夫です・・けど。その・・」

俺「間違っただけなんだ。」

エストリア「間違い!? そうなの!?」


 やっぱり怒ってるなぁ。


俺「すまん。もう寝よう。」

エストリア「・・はい。」


 一瞬、静かになった後、


エストリア「危ない事ばかり押し付けて、ごめんなさい。

    無事に帝国から戻って来てくださいね。」

俺「らしく無いな。」

エストリア「どういう意味です?」

俺「大丈夫だ。戻ってくるよ。」


 翌朝、帝都へ出発した。

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