セクタ領に出発
エミャルが薬を飲んでくれないので、体力的に旅は無理だ。だから、セクタへの赴任は中止である!
エミャル「私は・・要らない。でしょ。」
俺「逆だよ。エミャルにとって俺が要るだろ。
他のヤツは、生きるのに俺が必要というわけじゃない。
だから、エミャルの側にいる。とても簡単な事だ。」
エミャル「で、でも。」
と、入り口とは別の隣の部屋との直通のドアが開いて・・。
しまった!半ば続き部屋で、エストリアが使っている部屋との間のドアはカギも無かったのだっけ!?
忘れていたぞ!
エストリア「まったく!、もう!
あんたが主人公でバカ作者のハーレム展開だと話しが壊れるだけじゃない!
ハーレムは、これで最後よ!
さっさと、その子とキスしなさい。」
俺「な、なぜ!?」
エストリア「バカね。エミャルがそれを期待してるからよ。」
エミャル「わ、わたし・・。」
エストリア「エミャルも、それ以上、わがままを言わないでくれる?
ヒロタンにはなんでもさせるから。」
おい! おれは、おまえの奴隷か!
エミャル「わ、私は、、要らないでしょうし、置いて、、」
エストリア「そんな事しないわよ! 薬を飲まなくても、そのまま馬車に放り込むわよ!
それとも前にヒロタンが言ってたように、おしりから薬・・」
エミャル「あ、あ、飲みます!」
エストリア「じゃあ、下で待ってるからね。早くしなさい!」
エストリアの命令と言う事で、・・、薬も飲んでもらった。
良かった!
そして、セクタ領主として赴任するため、帝都を出発した。
4頭立ての大きな馬車と、帝国側で用意した護衛の小隊の2台の馬車。10名ほどの兵士が分乗している。
帝都を離れて、4刻つまり4時間と少し進んだ時。
ルナリア 「超長距離 探索瑠璃に怪しい反応があります。」
エストリア「街道を、すれ違う馬車でしょ。最近、セクタから帝都に来る馬車が多いのよ。」
ルナリア 「街道を外れた場所にいます。それに逆探にも反応が出始めています。民間の馬車が、この性能の探索用の瑠璃を使っているとは思えません。」
ストリュ 「なるほど。ここで来たか。我々が帝都を離れるのを待っていたのだろう。
ここで、待ち伏せして急襲・・。」
俺 「この前のやつらの仲間・・なのか?」
ストリュ 「たぶんな。」
エストリア「何を言ってるの?」
ストリュ 「敵が、こちらに気付いている可能性は?」
ルナリア 「性能的にみて、まだでしょう。こちらは帝国でも一級品の探索 瑠璃です。」
ストリュ 「規模は?」
ルナリア 「馬車の数から見て30~50人。」
エストリア「何よそれ!こっちは15人ほどよ!」
ストリュ 「夜襲の際の情報から適確な戦力を見積もったのだろう。」
エストリア「夜襲?」
ストリュ 「後で、話す。
相手は戦力差と奇襲による、短期決戦に出るはず。短時間で完全に我々を殲滅する作戦しかありえない。街道上での長期戦は、彼らの身分を明かす事になる。
従って、速度戦に特化した軽装備で突っ込んでくる。
なんらかの魔法で、最初の突撃をかわす事は出来ないか?」
ルナリア 「ここの情景を構成した瑠璃による幻覚魔法で、いつわりの馬車を見せる事ができます。」
ストリュ 「分かった。最初の攻撃をそれでやり過ごしてから、俺を先鋒にクラムと護衛の兵士で敵の後方から不意打ちする。それで、なんとか、、。
すまんが、ヒロタンにひとつ頼みがある。」
俺 「なんだ?」
俺が戦っても戦力にならんぞ・・。
ストリュ 「俺がやられたら、骨だけはセクタまで運んで埋めてくれ。」
俺 「おい。そういう・・話しなのか!?」
ストリュ 「敵はクラムの戦力を適確に見積もって、それを確実に上回る戦力で来ている。
厳しい闘いになるのは当然だ。」
俺 「俺の・・責任か。」
ストリュ 「そうだ。おれは警告したはずだぞ。あの時、二人を逃がすなと。
ここは、戦場だ。良く覚えておけ。」
俺 「うっ。」
ストリュ 「時間が無い!早くクラムに命令を・・」
エストリア「必要無いわ。
ルナ! 敵が来る前に、幻覚魔法の瑠璃の長時間順次展開を。」
ストリュ 「むちゃだ! 幻覚魔法なんて20分の1刻も・・」
ルナリス 「20個の瑠璃の順次展開を構成します。それで1刻 持ちます。
時間が無いので同時に構成します。端末の瑠璃も10個起動してください。」
エストリアが瑠璃を次々に取り出す。倉庫の魔法道具は全部、積んできたからな。
ルナリスの前に10個のスクリーンが現れた。どこぞのトレーダーかよ!
それを同時に操作していく。
エストリア「彼女、1中隊分の構成を一人でやっているのよ。ルナリスじゃないと無理ね。」
後方の何もない場所に向けて突撃して行く敵が見えた。そして、また、戻って突撃・・。
混乱している敵から急いで離れる。
俺 「ストリュ。おまえの警告は正しかったようだな。単に敵が、ルナリスたちを知らなかっただけだ。」
ストリュ「あの夜、ルナリスたちは寝ていたからな。」
俺 「これって、もし、次があるとしたら、どうなる?」
ストリュ「敵にその力があれば、次は魔法兵を入れた、より大きな部隊で襲ってくるだろう。中隊規模で100人以上。」
俺 「そりゃ、また・・。」
ありえるのか?
俺 「相手に魔法兵がいると雷撃とかで攻撃されて、こっちが死んだりするのか?」
エストリア「何、バカを言ってるの?」
俺 「へ?」
エストリア「魔法にはコードがあるから、ありえないわよ。」
俺 「コード?」
エストリア「魔法の瑠璃で直接、人を殺す事はできないの。
常識でしょ・・。」
俺 「すまん。分からん。何かの国際条約か?」
エストリア「そっか、あんたは・・。
そういう構成をしてもコードに触れる内容だと瑠璃が停止するのよ。」
俺 「なんだ?その安全、設計・・。」
途中、馬車の中で一泊して、まる二日かかった。
逆方向へ旅する馬車と何度もすれ違う。往来が激しいようだ。
それでも、攻撃されたのは、この1回限りだった。助かった。
翌日の夜おそく、セクタに付く。
城門を入り、都市の中央のお城に付くと役人や兵士が待っていた。おそい時間のせいか事務的な挨拶だけで、特に歓迎するような何かは無い。そのまま、城内の元の王族の部屋に分散して一夜を明かす。
翌朝、。
帝国から派遣された軍の隊長、役人、それと、元の王国時代からの城仕えの者たちを集める。
あまり良いムードでは無い。俺への視線も冷たい。
ミナス「守備隊の隊長をしているミナスです。
緊急の問題について、ご説明させてください。」
俺「何かあるのか?」
エストリア「噂ではかなり酷いみたいよね。」
ミナス「帝国には何度も報告を送っているのですが、以前の領主様は、こちらに来る事も無く、無視されておりました。
このセクタ領は崩壊寸前です。」
俺「どういう事だ?」
ミナス「セクタ王国に、わが帝国が攻め入った際に、第一外壁を大きく破壊したのですが、その修復ができておりません。そこから、毎夜、魔獣大王狸が侵入し領内の住民を食っております。
おかげで領内から逃げる者が多く人口は減り、貿易港は閉鎖状態です。」
エストリア「貿易港が閉鎖されていては、税収は見込めないわね。ここの最大の税収源よ。」
俺「だったら、至急、外壁の修復を」
ミナス「部分的に修復しても、毎夜、壊されるのです。この大王狸の行動は異常としか。」
俺「壊されないように、その魔獣を、抑える事はできないのか?
いや、そもそも、魔獣って何だ?」
ミナス「もちろん、我々はそのために魔獣と何度も戦っております。そして、既に、半数近く死傷してしまいました。再三の増援をお願いするも、聞き入れてもらえていません。」
俺「外壁を壊されない状態まで直すのに、どれぐらいかかる?」
ミナス「急いでも3日・・・でしょうか。」
エストリア「その間、魔獣を外壁の外側で撃退すれば良いという事ね。
分かったわ。勇者様にまかせて。」
おい!
良く分からんが、以前からのメンバーで相談。
俺「それで、魔獣って何なんだ?」
エストリア「もともとは辺境の村で戦闘用に作られた物らしいけど・・。」
俺「どういう?」
エストリア「人間では無く動物に洗礼を施すのよ。でも、動物には自我が無いから魔法回路が暴走する。
そして、魔法回路の暴走は体の変化にまで及ぶわ。」
俺「まさに怪物だな。そんな怪物が、たくさんいるのか?」
エストリア「そうね。そんな物が、沢山いるのはおかしい。まして、ここを繰り返し襲うなんて。
でも、今は、それを言っていてもしかた無いでしょ。
なんとかしないと。」
俺「そうだな・・。」
エストリア「屋敷にあった魔法兵の装備は全て持ってきたわよね。」
ルナリア「はい。全て、積みました。」
エストリア「狂戦士の薬があったでしょ?
ごめんなさい。ヒロタンに危ない役をお願いするかもしれないわ。
お願いだから無事でいてね。」
俺「なんだか、怖い事を言うな。」
エストリア「城壁の修復中の3日間、大王狸の侵攻を、その外側で食い止めて。」
ストリュ「わかった。命に代えても。」
クラム「ヒロタンさんの命令であればやります。夜なら、あまり見えないし。」
サミアス「ぼくも・・ですか?」
エストリア「エミャルはどうしましょう?」
俺「それなりに回復しているけど、危険な場所に連れて行くわけにはいかないだろ。」
エミャル「いや! 連れて行って。」
エストリア「かなり、普通に話すようになったわね。
でも、ほんとに危険よ。」
ストリュ「あのあたりの城壁近くの村に宿があったはず。そこでどうかな?そこなら、城壁での戦闘の後、毎日、戻れると思うが?」
俺「わかった。毎日戻るから、エミャルは、そこでお留守番していてくれるかな?」
エミャル「・・はい。」
エストリア、ルナリスは、城に残って内政の現状を調べる事に。
残りのメンバーと帝国軍の残存部隊。護衛で来た兵士、。それと城壁の修復要員で出発する。
昼間のうちに、城壁の外側に仮の壁を木の杭で作る。まあ、気休めだろう。
3日間、城壁の外側で、工事を守り抜けば城壁が完成するわけだが。
夜になると、3匹の魔獣大王狸が・・。
赤く光る眼を持ち、固いウロコで覆われた、凶暴で巨大な肉食獣だ。確かに形はタヌキと言えなくも 無いが、10メートル以上の巨体が硬いウロコで覆われていて、むしろ恐竜と言って良い。
こんなものが3匹いる時点で、生態系としておかしい!明らかに人為的だろ!
固いウロコは、普通に剣で攻撃しても跳ね返されるとか。
どうやって倒せば良いのか、さっぱり分からない。
これ、完全に無理ゲーだよ!
週別ユニークユーザが 217人に増えました。ありがとうございます。
ユニークユーザの増加は読んで頂いている方の増加ですから嬉しいです。ちなみに日々、確認できるPVは今週に入って、さらに増えてます!




