危ない子
魔法士官学校から引き取ってきた子、エミャルは心が壊れてる風で、食事を取ってくれない。
う~ん。寮では、多少、反応していたと思ったのだが・・。
もう一度、ベッドの側で話しかけてみた。
俺「聞こえてるかい? 君に、死んで欲しく無い。絶対に!」
今度は、あまり反応がない。
俺「君は最高にかわいい。」
かすかにクビを振ったようだ。否定にしろ反応している。
俺「君が死ぬ理由は無い。絶対に生きるべきだし。そうさせてもらうよ。」
視線が定まってきた。ある程度、言葉を理解していると思って間違いないだろう。
答えないのは、なんらかの恐怖からか。
俺「いいかい。良く聞くんだ。君はいま、口から食べる事を拒否している。」
俺「それでも、君を活かし続ける方法がひとつあるし、俺は、その手段を取るつもりだ。」
点滴は無いだろうしな。
俺「人間の体は肛門、おしりの穴の近くの腸と呼ばれる部分でも栄養を取る事が出来る。」
エストリア「何を言ってるの?あんたまで気が狂ったの?」
ルナリス「でも、理屈としては、ありえますね。」
俺「口からの食べ物が無理なら、おしりからスープを流しこむ!」
明らかにクビを横に振っている。まあ、普通にイヤだよな。
青白い顔が少し赤くなってもいる。
俺「だったら、食べるのだ!俺は絶対に君を死なせない。」
抱き起して少しづつスープを、。
半分はこぼれてる気がするが、多少は飲んでる。
でも、これで足りるとは思えないな。
回復薬は・・。やっぱり飲んでくれない。液体を流し込めるだけ?
ここはもう切れるしかない!回復薬を俺が口に含んで、彼女の口の中に。
もちろん、役得でもある!美少女だし、結構、ドキドキだ。
抵抗するほどの元気は無いらしい・・が、目を見開いている。
ルナリス「ヒロタンさん!そんな!」
サミアス「え~! 病気だと・・そういう事するの?!」
それでも、口に入っただけで飲み込んでくれない。このままだと、吐き出してしまいそう!?
俺「この世界に来て、きみが始めただよ。くちびるを合わせたのは。」
少し笑った気がする。そして、飲んでくれた。
「わ、わたしも、。」
うん。最高だよ。
エストリア「わぁ。しゃべった! 回復薬は、そんなにすぐには効かないと思うけど。」
エストリア「でも、そうなの? あんたはサミアスと・・・」
俺「おまえの妄想だって言ってるだろ!」
エストリア「じゃぁ、サミアスより、このぶさいくな娘が良いとでも言うの?」
俺「この娘は、ぶさいくじゃないし、男のサミアスと何を比べるのだ?」
サミアス「ひどいなぁ。」
酷く無いぞ。事実だぞ!
俺「しばらく、この娘についていても良いかな?」
エストリア「そうね。可能性は出て来たけど、まずい状態だと思うし。」
そう思われていないようだが、もちろん、こんな美少女なら役得である!
俺「回復薬って複数、使っても大丈夫な物?」
ルナリス「1日に一つが限界です。それ以上は、逆効果になります。」
俺「他に手段は無いのかな?回復魔法的な物とか?」
ルナリス「ときどきヒロタンさんは魔法に変な期待をされるのですけど、。そんな物はありませんよ。」
俺「分かった。今晩、俺は、この部屋で。」
エストリア「ベッドは?」
俺「長椅子を持ってきて、そこで寝るよ。」
少しづつ、スープを飲んでくれた。
夜、俺は、長椅子で、、。
今一つ、寝付けないでいると、深夜に部屋がノックされた
執事「お屋敷の周りに2人の不審者がおります。おそらくは刺客かと。」
どうして分かるの?助かったけど。
執事「以前の奥様が、お屋敷の周りに探知用の瑠璃を配置しておりました。
それに反応しております。」
なるほど。
俺「分かった。サミアスと、ストリュをおこしてくれ。」
ストリュ「俺なら、ここにいる。」
執事の後ろにストリュが。
俺「なんとか出来るか?」
ストリュ「俺やサミアスでも対応できるとは思うが、念をいれるべきだ。」
俺「どういう意味だ?」
ストリュ「クラムをおこすと良い。ヤツなら容易い。」
俺「まだ、病気じゃ?」
ストリュ「寝る前には回復していたぞ。」
そうか。エミャルにつきっきりで見て無かった。回復薬ってすごいな。
ともかくストリュの言う通りクラムをおこした
クラム「・・。どうしたの?」
俺「すまん。屋敷の周りに刺客と思われる人間が二人いて。ストリュにおまえをおこすように言われた。」
ストリュ「執事殿。相手の詳細を。」
執事「不審者は二人おります。一人は正面の玄関の影、職業は剣士でレベルは9程度です。もう一人は裏門の内側の木の陰でアサシン レベル11程度と思われます。」
ストリュ「凄いな。そこまで分かるのか・・。しかし、それだと、勇者の館を襲うにしては貧弱すぎる戦力だ。おそらくは威力偵察と言った感じか?いきなり攻めてこないのも、情報収集を行っているためだろう。」
俺「クラム。おまえが、その二人を撃退、、って、出来るのか?」
クラム「簡単だ。武器は? 何か武器はある?」
俺「俺の勇者っぽい装備に豪華な剣があるぞ。」
クラム「この屋敷の周りで使うには少し大きいかな。台所のナイフで。」
俺「それで大丈夫なのか?」
クラム「うん。でも、可愛く無いから見ないで!」
ストリュ「ヒロタン。クラムへの命令は、具体的、かつ詳細に。威力偵察であるなら情報を持ち帰らせない事が最も重要だ。確実に殺して帰すな!」
俺「分かった。」
俺「クラム、良く聞け!クラムの無事が最優先。敵は、できれば殺さないで。戦闘不能にして追い返してくれ。」
クラム「了解」
クラムが一瞬で消えた。
ストリュ「・・。良いのか? こちらの情報を得たら、次は相応の部隊を送ってくるぞ。」
俺「そんな部隊を街中に展開できると思うか?」
ストリュ「分からんね。だが、そうなれば、こちらも危ないし、死体の山を作る事になる。」
まあ、その時は、その時だ。
俺「それより。ストリュ。クラムって何者なんだ?」
ストリュ「一時は、うちの王国でも使っていたが、山岳地帯に傭兵を生業とする里があった。そこの生き残り、。飛翔族の戦闘人形。
詳しい事は俺も知らんのだが、幼少期に洗礼を行い非道な訓練でレベルを上げていたらしい。
俺は魔法回路レベル45で両手が使えていた時はセクタ 一の剣士と呼ばれていた。あいつは、あの若さでレベル41だ。」
兄貴の次の強いというのはレベルの事? 現状では最強かよ!
ストリュと話しているうちに、血のついたナイフを手にクラムが戻ってきた。
5分とたってないぞ!早すぎないか? なにか失敗でも?
クラム「終わったよ。殺してはいない。逃げた。」
俺「クラムは大丈夫だったのか?」
クラム「うん。でも、これだと、、、私、可愛く無いよね。」
俺「すまん。嫌な事をやらせてしまって。」
クラム「頭、撫でて!」
俺「あ~。これで良いか?」
クラム「うん。病気は治ったみたいだし。とっても嬉しいよ。」
俺「俺もだ。でも、明日、もう一回だけ、薬飲むんだぞ。」
回復薬が逆効果にならなかった時点で大丈夫そうだが、念のため。
クラム「げー。もう、やだよ!
あ、でも今日の昼間の飲んだのは苦く無かったかな。」
味が変わった?ルナリスが精製を工夫しているみたいだったが。それとも砂糖でも入れた?
俺「あと、一回。それで終わりだ。」
クラム「わかった。」
刺客を送ったのは・・。
まあ、一番ありそうなのは議長だろう。
翌日起きると、エミャルの顔色は少し良くなっていた。クラムと言い回復薬の効果は凄い。
さすがにゲームみたいに一瞬というわけにはいかないみたいだが、それでも数時間で、かなり改善する。
エストリア「だいぶ良くなったのね。」
俺「あー。もう少しだ。今日の分の回復薬はあるかな。」
エストリア「用意してあるわ。」
エストリアが回復薬を飲まそうとすると、嫌がって俺に寄り添ってきた。
「いや!」
既にそのぐらいの体力があるらしい。そして、俺の唇を指さす。
エストリア「何、この娘! 口うつしをねだってるの? ぶさいくのクセに!
ヒロタンも、いいかげん無理しなくて良いわよ。
もう、だいぶ回復してきたし、こんな娘がかわいいとかウソばかり。」
エミャル「ごめん、なさい。」
俺「君が誤る必要は無いよ。」
俺「エストリア。やめてくれないか。お願いだから。」
エミャル「ごめん、なさい。私は・・」
だめだ。また沈んでしまう。表情が凍り付いてしまって視線も定まらない。
エストリアとの相性は最悪だな。
他に方法を思いつかなかったので、唇を重ねた。言葉では意思が伝わらない。
薬を飲ませるためじゃなくて・・。ただ、それだけ。
でも、それで、表情が戻った。驚いたような、、。気のせいか、少し笑った気もする。
エストリア「あきれた! さすが聖者様ね。良くまあ、こんなブサイクと。」
俺「たのむから、エストリアは、黙っていてくれないか。」
俺「違うからね。君は、本当にかわいいからね。」
エミャル「あなたは、お母さんの言ってた人?」
へ?俺が何?
俺「う~ん。残念ながら、君のおかあさんは知らない。」
エミャル「・・・。」
俺「とにかく、今は、元気になる事。だから、この薬を飲んでくれ。」
エミャルは薬を飲んでくれた。あと、スープもかなり。
とかやっていると、これまでに見た事が無いほど豪華な馬車がやってきた。
そっちの方がアクセス多いみたいですし、少しハーレム成分多めに路線変更です!
どのみち男性読者が多いでしょうし、異論は無いでしょう。
エストリア「何をバカな事を言ってるのですか?異論、大ありですよ!冗談じゃ☆




