表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/83

魔王国との通信

 翌朝・・。

クラム「すげー気分良いぞ! 治ったかも!」


 熱は出なかった。ほんとに良かった!


 取り分けた分で、行っている別のカビとかを抑制する効果の検証も・・それなりかな?

 正直、良く分からん。


俺「でもまだ、安心しない方が良いぞ。もう少し、あの薬を飲まないとだめだ。」

クラム「いやだよ。苦いし、飲むと気分悪くなるし。」

俺「でも、飲まないとだめだ。」


 発熱しなかったし、効果はあったと思って、、良いのか?

 ただし、副作用は強い。朝食の後、薬を飲むと吐きけがすると言って、戻しそうになっていた。

 そうは言っても数日、続けないとダメだろうな。菌が消えれば、最後は回復薬でなんとかなる。


エストリア「クラムは順調なの?。」

俺「まだ、決定的では無いぞ。」

エストリア「いずれにしたって、急がないと!」

俺「何を?」


エストリア「今日、四天王のトラクさんが来て通信するでしょ。」

俺「そういえば、おまえは何を考えてるのだ?」

エストリア「私の考えをまとめておいたわ。」


 エストリアに渡された物に目を通したが・・


俺「何、これ?ストリュの聖者がセクタを救うとか言うのに影響された?」

エストリア「以前から考えていた事よ。私は、バカ皇帝の臣下を続けるつもりは無いの。」

俺「そうは言っても、下手すると、、、。いや、しなくても反逆罪だろう。」

エストリア「いいから、メモの通りにやりなさい!」

俺「知らんぞ!どうなっても!」

エストリア「あと、サミアスからの情報だけど、魔王国の宰相は芝居好きなんだって。」

俺「へ?」

エストリア「そういう話しかたをすれば喜ぶと思うわ。」


俺「どうでも良いけど、これなら俺では無くエストリア自身がやった方が良いのではないか?」

エストリア「いやよ。そんな危ない事・・。」

俺「お、俺は・・」

執事「ご主人様、議会に出かける時間です。お急ぎください。」

俺「分かってる!」


 その日は議席に座って、エストリアのメモを眺めていたが・・。

 やっぱり、どうかしている。


 そういえば、この世界の年齢の謎が解けた。

 議会の入り口に()ってあったカレンダーだと1年が22節と少し。1節は30日で1か月に近い。つまり、1年が長いだけ。

 あまりちゃんと計算していないが、エストリアの11才は以前の世界では21才ぐらいだろう。

 1日は普通に1日に思えるし、勝手に地球的な世界だと思っていたのだが・・。

 もしかすると、他にも当然と思ってる事が違うのかもしれない。


 戻ってみると、クラムは発熱はしなかったが、副作用は強くなっていて、ぐったりしていた。

クラム「もう、あの薬は・・」

俺「でも、病気には効いているよ。もう少しだけ、。」

 完全に菌が消えれば、回復薬で・・。


 8刻前に、トラクがサミアスに連れられて、やってきた。


 魔王国との通信は広間で行われた。トラクが番号を読み上げ、ルナリスとエストリアがそれを端末に入れていく。

 やがて、長距離通信の瑠璃(デバイス)が光り始めた。広間の壁にスクリーンが・・。

 通信は映像付きらしい。

 画面には、軍服のような物を来た壮年の男。そして、小さい黒髪のかわいい少女が寄り添っている。

 誰だろう?娘さん?


トラク「魔王陛下、並びに、宰相閣下、ご健勝のご様子、なによりです。

  本日は、私が滞在している宿(ホテル)の近くに住まう、勇者ヒロタン殿のご厚意で、そこから通信しております。」

宰相「はて? どういう事かな?」

トラク「わが小隊は帝都の城壁外にいるため、これまでは通信のために城外まで出る必要がありました。それでは、時間を要します。そこで、こちらの皆さんのご厚意で。」

宰相「見たところ、トラク以外の方がいらっしゃるようだが?」

トラク「この館の(あるじ)である、ヒロタン殿と、その世話役のエストリア殿です。宰相閣下にご挨拶したいと言う事で。」

宰相「ほおぉ。良く分からんが面白い!」

俺「魔王国宰相閣下に御目通り出来、幸せの至りです。私がヒロタンです。」

エストリア「エストリアと申します。」


 この宰相は、芝居がかった物言いが好きらしいという情報・・だが。無理だよ!


宰相「ふむ。正式な魔王国の元首は、こちらにいらっしゃる魔王ミシャ様だがな。」


 え! この幼女が?


俺「これは失礼いたしました。魔王ミシャ陛下の(うつく)しくもかわいらしいご尊顔(そんがん)拝謁(はいえつ)(たまわ)るに(いた)っては夢を見る思いにございます。」


 疲れた・・。


宰相「面白い事を言う。ミシャ様の黒髪は帝国の人間には不評だと聞いたがな。」

ミシャ「かわいい?」

俺「はい。とても。私はこの国の出身ではありません。ミシャ様はとてもかわいいかと。」


 うん。実際、かわいいよ。そういえば、この国に来てから、あまり黒髪は見ないな。


宰相「気に入ったぞ!」

俺「ところで、閣下。帝国が最近、占領したセクタ王国ですが、帝国配下では十分な運営が成されていないと聞き及びます。」

宰相「それは私も聞いておる。だが、それを帝国の人間であるお(ぬし)が私に言うのか?」

俺「大陸の平和を得るためには、セクタの安定した統治が必要です。」

宰相「うむ。だが、それは、難しいだろうな。」

俺「宰相閣下のご見識には頭が下がります。確かに、帝国による統治は困難です。」

宰相「まあ、そうなんだが・・。」

俺「セクタは独立国家であって初めて安定します。」

宰相「・・。大丈夫か? 帝国の人間が、そのような事を申して?」

俺「大陸全体の平和と繁栄と言う事についての意見を申し上げております。」

宰相「なるほど。」

俺「三国が並び立ってこその安定でしょう。例えば花瓶は足が2本では不安定ですが、3本だと安定します。」

宰相「面白い事を言う。」

俺「そのために、ご協力をお願いできないかと考えております。」

宰相「・・。だが、おまえに協力して何になるのだ? おまえが何かをできるとは思えないのだが・・。」

俺「ちょっとした組織を持っております。装備品のみですが、こちらをご欄ください。」


 倉庫から持って来た装備の一部を見せる。


宰相「ほおぉ」

俺「いずれにしろ、今は、閣下との、通信の手段を頂ければ、それで十分です。その上で、宰相閣下が私どもとの協力に意味を感じて頂けた際に、ぜひ、ご協力を!」

宰相「まあ、連絡手段だけなら、良かろう。後で、トラクに専用の長距離通信番号を伝えておく。」

俺「ありがとうございます。」


トラク「なにやら、すごい事を言っていたようだが・。終わったのか?」

俺「はい。助かりました。」


トラク「では、宰相閣下。帝国政府との交渉についての、ご報告をさせて頂きます。」


 俺は退席した。と言ってもうちの中なんだが・・。


 帰り際にトラクが

「御前試合は、三日後ですね。」

エストリア「それですが、ヒロタンが魔法剣を使うというのはどうでしょう?」

トラク「はい?」

俺「なんだそれ?」

エストリア「剣の先に瑠璃(デバイス)を付けた物です。ルナリスが構成(プログラム)しておきますので、ヒロタンでも使えるはずです。」

トラク「なるほど。」


トラク「そういえば、御前試合の件で、右大臣さんが何か言っていたはずだが。」

俺「言ってましたね。どうなったのかな?」


 そこは、後で、大臣たちに相談するという事で、トラクは帰っていった。


 その日は、それで終わった。

 翌日、起きると朝から、騒がしかった。


執事「お城より、議会の後、立ち寄るようにとのご連絡です。」

俺「誰から?」

執事「わかりませんが、先日と似た通信でした。」


 どうやら、ミリア姫は「お城=自分」という解釈らしい。特に匿名のつもりでは無いようだ。

 一応、あのお城は行政機関でもあると思うのだけど・・。

エストリア「来たわね!

      議会が終わったら一度、戻ってきてくれない? お城には私も一緒に行くわ。」

俺「かまわないが・・。なぜ?」

エストリア「いいから、そうして。」

俺「だったら、ちょうど良いから、そのあと、一緒に学校長さんの方へも行かないか?

  その、なんとか言う生徒の・・見舞い?で。

  議会で学校長さんを捕まえて言っておくよ。」

エストリア「いいわよ。」


 クラムの様態は、、、良いとも悪いとも。

 発熱は無い。発熱の周期から言って、抗生物質としては効いていると思う。

 ただし、副作用で、かなりボロボロだ。


クラム「も、もうやだよ! この薬やだよ!」

俺「お願いだから、もう少しだけ!」


 そして、今日も、議会に出勤。ほぼサラリーマンである。


 会議中は単純作業なので、瑠璃(デバイス)の通信


俺<クラムはどんな感じ>

ルナリス<あまり良く無いですね。>

俺<う~ん。 回復薬を試した方が良いのかな?>

ルナリス<病気の元が、ほぼ無くなっている前提なら、、、それが良いと思います。>

俺<分かった。戻ってから、決めよう。一応、用意しておいて。>

ルナリス<はい>


 大丈夫かなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ