表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

手遅れ


『早くしないと……手遅れになるかもしれないでしょ……』

 スンスンと鼻をすすりながら静かに言った。

『……』


 ――手遅れってなんだ? ――産むことが手遅れってことなのか? いや、それより、せっかく転生したのに、生まれ変わる前に、俺は……、


 ――(はさみ)でザクザク斬り刻まれ、血まみれの死骸になって引きずり出されるのか?

 夢のチートライフはどうなるんだよ! ぜってーありえねー!


 ガンガンに腹を中から蹴ってやった。

『――あ、動いた。今、中からグリグリ蹴っているわ』

『マジかよ』

 恐る恐る男の手が当てがわれる。そこを中からパンチする。

『うわ、本当だ』

 ドン引きするんじゃねーよアホ!


『……ねえ、産む?』

『はあ? 勘弁してくれよ。俺らまだ大学生なんだぜ。こんなガキに人生決められるって、ないっしょ。


 ……堕ろせよ』


 こいつは……いや、こいつらは保健体育で中絶の恐ろしさを勉強しなかったのか? 銀行でお金を下ろすのとは訳が違うんだぞ。

 ……保健体育の授業で見せられた、トラウマになるような恐ろしい器具。母胎に与えるリスク。

 恐怖と後悔。そしてなにより――尊い命!


 ――俺じゃん!


 ……ていうか、俺、今何歳だ? いや、零歳なんだが、何ヶ月なんだ?

 身体を中から足でグリグリ蹴れるってことは、……相当成長しているんじゃないのか?


 もう、とっくに堕ろせないとこまできているんじゃないのか?


つづく


ここまでの感想、ポイント評価、お待ちしております~。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ