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序章 愛情の形
夕日が窓に煽られて、教室の喜劇をのぞいている。
「んっ……」
官能的――一見するとそう思える――細々とした声が教室の片隅からこだまする。
少女の柔らかい腹部が痛みと快楽を取り込んでいく。
「今日は……もう、終わりだ」
少年は一人、少女の痛々しい姿に心を痛めた。
「ごめん」
「ううん、大丈夫。大丈夫だよ」
乱れた制服を正し、屈託のない笑顔を浮かべる。
夕日に照らされたその笑顔は、先ほどの悲劇を物語る余地はなかった。
少女のその一言に込められた思いは、少年に届いたかどうかそれは、誰にもわからない。
「じゃあ、帰ろ?」
「ああ……」
少女の瞳に映る、少年の後ろ姿はいつもと変わらず愛しいものだった。
彼女の腹部に残る傷跡は、まるで釣り針に引っかかる愛の結晶のようにも感じられた。




