#2 気付く
転生屋の藤岡さんに丁寧かつ絶妙なアングルで撥ねられ異世界転生送りされたモンショー、最期の突っ込みもむなしく気付けばおねーさんが目の前に居た。
年の頃は20歳前後だろうか、全体的に野暮ったい感じで磨けば光りそうなおねーさんがおり何らかの儀式をしている。恐らく佳境なのだろう、黒髪を振り乱しながら普段とは全く違うと思いたい聞いてはいけない叫び声をあげている。
いきなりそんなもんが目の前にあるものだから、心底引くモンショー、と言うか普通に【うわっ、引くわっ】と呟いてしまう。
その声に反応したおねーさん、イっちゃってる目でモンショーを見る。
じーーーーーーーーーーーーーっとおねーさんに見られるモンショー、更に引くモンショー。
「召喚は成功したみたいね、お前が私の使い魔かしら?」
と若干徹カラ後のやつれた声で語りかけてくるおねーさん、思わず左右を見てしまうモンショー。
そんな仕草を見たおねーさんは、お前よお前、左右を見ても何も居ないわと呆れた口調で告げる。
【使い魔って俺!!?】
と自分を指差そうとするモンショー、だが目に入るのはカラフルな羽である。
更に羽を動かしじっくりと見るモンショー、勿論左手も羽である。
足元を見ると可愛い鳥のあんよが見える。
【……鏡とかないっすか?】
とお願いするモンショーに対し、10連ガチャで全て外れを引いたような顔で応じ手鏡を見せてくれるおねーさん。
手鏡に映っていたのは、勿論人間などではなく、オカメインコ(っぽい鳥)だった。
モンショー、どうやらオカメインコに異世界転生した事に漸く気付く。
「何か混乱しているようだけど、お前が私の使い魔って事でいいのね?」
「お前、名前はなんと言うの?」
▼選択肢より選んでください
選択肢1 モンショー
選択肢2 げろしゃぶ
選択肢3 アラビk【モンショーでお願いします!】
と選択肢に被せてくるモンショー、そう、お前はモンショーと言うのねと飲み込むおねーさん。
【そもそも選択肢っていきなり何やねん!】とモンショーが心の中で突っ込むと
[system message]
[選択肢は岐路に立った際に表示されます]
[より良い選択にて人生を豊かに過ごして下さい]
[EOM]
と言う内容の謎の声が頭の中に響く。
振られたルビがおかしかった気もするが、それ所では無いモンショー。
本当に異世界に来てしまったのだとこの時初めて実感してしまったのだった。
続くのか?