おじいちゃん!
「ねぇおじいちゃん!
今日ね、いっーぱい楽しい事があったんだよ
幼稚園を卒業したんだよ! もうお兄ちゃんなんだよ。もうおじいちゃんは心配しなくてもいいよ。
お買い物に行って大根を買ったんだよ! お買い物も出来るようになったんだよ! お母さんも誉めてくれたんだよ「えらい子ね」って言ってくれたんだよ。おじいちゃんも僕を頼っていいんだよ!
あとお絵かきもしたんだよ。皆の絵を書いたんだ! お母さん、お父さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、おばあちゃん。もちろんおじいちゃんも書いたよ。真ん中におっきく!
皆に見せたら笑ってくれた! でも涙流してたの。「よく……よく書けてるよ」って言いながら、笑いながら涙を流して泣いていたの。変だよね。
おじいちゃんも僕の絵を見に来てよ!
今、額縁に飾ってあるんだよ!
ねぇねぇ行こうよ!
何で来てくれないの……?
何でお布団から起きてくれないの……?
何で……目を覚ましてくれないの……?
僕お兄ちゃんになったんだよ! 大きくなったんだよ。いつも「大きくなったね~」って頭を撫でてくれたのに、何でもう撫でてくれないの?
お買い物も出来るようになったんだよ! 前まで無くし物をしておじいちゃんが買ってきてたけど、もう僕に頼んでもいいんだよ! 買ってきてあげるよ!
だから前みたいに笑って僕の頭を撫でてよ! 声を聞かせてよ!
僕が書いた絵…皆褒めてくれたんだよ。あと褒めてくれてないのおじいちゃんだけなんだよ!
笑って頭を撫でながら「よく書けたね」って褒めてよ!
おじいちゃん目を開けてよ!
おじいちゃん……目を…開けてよ……」