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もつれた糸の行方  作者: 夢呂
【4】偽物彼女
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朝練のある頼に付き合って今朝も学校に早く着いてしまった私は、教室に着くとスマホで暇潰しにバイト情報の検索をしていた。


────これは夏季短期、これは土日のみかぁ。 

なかなか色んな職種やら、条件があるな・・・・。


(自分にできることって、何だろう?)


「あれ、律花バイトするの?」

いま登校してきただろう里桜が、私のスマホを後ろから覗き込んで言った。私はスマホから目を離さず答える。


「や、ただ見てただけ」

「ふうん」


そう答える里桜の顔はなぜか嬉しそうだ。というか、その含み笑いやめてよ、不気味なんだけど。


「・・・なに?」

「いや、そうだよねぇ。夏休みどっか出掛けたりしたらお金かかるもんね!必要だよね、うん」

「?」


里桜がごく当たり前なことを言い出して、私は首をかしげる。

そして“出掛ける”で思い出した。


「里桜は今年も、夏休みは別荘なんだよね?」

「あ、うん。前半はそうなるかな。おばあちゃんも楽しみに待ってるし」


・・・・やっぱり。

・・・・そうだよね。

────里桜は毎年夏休み、おばあちゃんの住んでいる避暑地の別荘に遊びに行ってしまう。

なので、あまり遊べないのが少しだけ寂しい。


「あ、そうだ!」

里桜が、キラキラと目を輝かせて言った。

「律花ちゃんもおいでよ!」


「え、何言ってんのそれはダメでしょ」

「ダメじゃないよー。おばあちゃんも律花に会いたがってたの。」

「え、でも」

「あ!そうだ!バイトもしようよ!」

「ちょっと里桜、」


いくらなんでも、暴走しすぎだから。

ちょっと落ち着いて・・・・と宥める隙すら与えられない。


「海の家でバイト!やろう?!」

「え、」

「だって私も律花と夏休み過ごしたいもん!おばあちゃんにも会えるし一石二鳥でしょ!それにどうせ赤下は部活なんだし!」


「・・・そうだけど」

「じゃあ決まり!あぁ楽しみ!夜は花火やろうよ!」


─────里桜によって数秒で決められてしまったんだけど、大丈夫なんだろうか、私の夏休み・・・・。



だけど、ドキドキ胸が高鳴るのを感じた。


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