表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もつれた糸の行方  作者: 夢呂
【1】律花と頼
8/140

「手、痛い。離して。」

廊下を、頼に腕を引かれるかたちで歩く私。


「―――…“嫌だ”って言ったら?」

睨むように、頼が私を見つめる。私はその目に怯まず、言った。

赤下くん(● ● ● ●)。離して。」

先に目をそらした頼は、明らかに傷付いた横顔だった。



私はその表情(かお)を…―ー知ってる(● ● ● ●)

(“頼”…だ。)

一瞬重なった、小学校の頃の(より)の姿。


「・・・名前で呼んでくれたら離す」

立ち止まった頼がポツリと言った。


(なんで…そんな表情(かお)するの?)


「――――“(より)”。…離して。」

私の声が、頼の表情のせいでさっきより弱々しくなる。


(私が…悪いみたいに…―――)


「どうしてこんな、嫌がらせばっかりするの?」


私のこと、嫌いなら…ほっといて欲しいのに。

関わらなきゃいいのに。

今の頼は、私には全く分からない。


「…ムカつくから。」

喉から絞り出すみたいに、頼が低い声で言った。


「は?ムカついてるのは…」

こっちなんだけど…と続けるはずの言葉は、頼の言葉に遮られた。


「律花が、“無かったことにする”から」

「…は?」


「“あの日”、なんで俺があんなこと言ったのか…とか、律花は一度も聞かなかった。」


「・・・その話、しないで」


やめて。

聞きたくない。

思い出したくない。


―――…怖い。


「ほら、そうやって。いつも、俺を拒絶する。」


「だってそれは…」

“頼が先に拒絶したからでしょ?”


そう、言いたかった。だけど、言えなかった。


(――…また、だ。)


狡い。

私が悪いみたいに。

私が頼を傷付けたみたいに。


(そんな表情(かお)しないでよ…ばか。)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ