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転異布武 〜信長の道〜  作者: コロナ
6/24

計画する

 


 剣術と魔術の訓練開始日まで、後10日程あった。



 その日は目覚めた時、外は暗くて、まだ夜だったかと思いベッドの上でボーっと外を見ていた。



 しかし、このベッドというものは慣れると良いものだ。

 一度床に布団を敷いて寝ようとしたらシャイナに慌てて止められた。


 シャイナが言うには、




「床の上に布団を敷いて寝る等、キキ様の美しきお体が汚れてしまいます。どうか、くれぐれもお辞め下さい。」



 だ、そうだ。



 こっちと日の本では日常生活でも勝手が違うから、気をつけておかねば奇人変人と思われてしまうな。


 だが、俺も思う所はある。床に寝れるくらい綺麗に掃除すれば良いのだ。


 岐阜の城でも安土の城でも、塵一つ落ちていようものなら城中の者を全員集めて説教したもんだがな。



 ぁあ、イカンいかん。


 そうゆう自分の潔癖を他人に押し付けすぎるのも謀反に繋がりかねんな。




 俺は、変わったのだ。


 人に恨まれ嫉られ、裏切られる人生は本能寺で炎の中に捨ててきた。


 あんな人生はもぅよい。




 ガチャンッ!!



 気がつくと慌てた顔でシャイナが部屋に入ってきていた。




「き、キキ様!何かございましたか?!もしや、お体の具合でも…!!」




 ……何いってんだこいつ




「どぉーして?」



 シャイナは俺の上半身や額をフルフルと手を震わせながら触り、心配そうにしているが何故か少しだけウットリしている様な気がする。



 おい、ヨダレ



「はっ!しっ、失礼しました!いえ、ノックをしても返事が無かったのでついノゾっ……異常がないか確認の為ドアを開けたのですが、窓の外を見たまま私にも気付かれなかったので」



 ああ、また考え事をしてどこかを見つめていたのか。



 どうも、考え事をする時遠くを見つめるか、人がいる時には人の目を見つめながら考えてしまう癖があるみたいだ。



 父上は


「それは魔性の女がする、魔術ではない魔術だよ?」




 と、デレデレの顔でやんわりと窘められた気がする。



 まぁ癖は癖だ。治らぬものと周りが諦めるのが手っ取り早い。




「ねぼけてた。へいき。」





 そう伝えて愛想笑いをしておく。

 笑顔は大事だ、笑顔は友を作る。



 だが、シャイナには余り愛嬌を振りまくと襲われかねん。


 ほどほどにしておこう。




「安心致しました。では、紅茶の用意をして参ります。」





 そう言って赤くなった顔を隠しながら出ていった。





 しかし、今日は雨か。庭には出れんなぁ。


 屋敷の中でも見て廻りながらそろそろ今後のキキとしての生き方を決めて行くか。


 まだ3歳になったばかりだが、なに、こういうものは早めに計画するに越した事はない。


 信長だった頃はそれで出遅れた感も多々あるしな。






 母上と珍しく仕事が休みの父上と紅茶を飲みながら2人の目を見つめながらそんな事を考えていた。




「キキ、今日も君は天使のようだね。いや、女神かな?」





「本当ねぇ、逆に将来が不安なくらい綺麗だわぁ。でも、心配だわあなた。こんな綺麗な姫若子に剣術や、魔術は無理じゃないかしら?」





「うーん。贔屓無しで見ても魔力はこの年にしちゃ飛び抜けてるよ?

 だけど剣術はどうかな、やってみなくちゃ分からないなぁ、ははっ……。」



 気を使って俺から目をそらしている。


 子に嫌われないように気を使うとは日本の武士ではハラキリもんだな。


 まぁ悪い気はしないが。




『……万事問題ないかと。』



 後ろにいたシャイナとコロナが声を揃えた。


 2人して、ジトっとした目で父上を見ているのが背中越しに分かる。



 うむ。その忠義、大義である。



 母上と父上は苦笑いしながら俺をみて、俺の言葉を待っているが大言壮語はしない。



 薄くニコりと笑い何も言わず席を立った。





『あぁ〜〜』




 と言う、魂の抜けたような声が揃って聞こえてきた。



 てゆうか、お前もかコロナ。




 一通り屋敷を歩き回り執事やメイドの仕事をじっと見てまわった。



 目があう者には、ニコッと微笑み、敵意や害が生まれないように気をつけている。




「キャー!キキ様と目があったわ!」




「違うだろー!俺に微笑んだんだよ!」




「あなた達。お仕事は?お仕事は終わったのですか?それなら庭の木のお手入れでもしてきなさい。」




「あ、シャイナ様あの…外は雨で」




「行きなさい。」



「か、かしこまりました。」





 俺以外には厳しいようだのぉ、いつか謀反されないか心配だ。

 しかし、俺が言わせていると思われても困る。やめさせるか。






「しゃーな。みんなにちゃをだしてあげなたい。しゃーなのちゃは、やしきでいちばんだから」




 よし、コレでみな丸く収まる。

 そして、うるさくてかなわん奴らを離せた。



 後ろから聞こえる感涙の声達は無視だ。





 この屋敷自慢の書斎に行く事にしよう、そこで今後の人生を計画しよう。




 むっ?コロナはいつの間にかすぐ後ろに控えておったか。



 当たり前の様に俺の死角を守り、口数も少ない。

 だが、忠誠心は見てとれる。

 ふむ。まるで日本の小姓のようだ、天晴れ。




 まぁ、この平和な世界では少し鬱陶しいが。




 さて、先日父上に字の勉強をするといって貰ったノートに箇条書きで書いていくか。



 まずは気になっていた言葉遣いだな。

 この世界にのっとり、年相応の言葉遣いを心がけなければいかん。




 いきなり、この女みたいな顔で、根絶やしじゃぁ!!とか言ったら多分、皆失神するだろう。


 シャイナ辺りは憤死するかもしれん。



 せっかく自他ともに認める美しさだ。

 母上なんかは姫若子などと言うから長宗我部を知っとるのかと思ったわ。


 そして、俺、という一人称もよくない。




 なので、

 [言葉遣いは美しく、私という。]





 それから魔術と剣術だな。



 まだ教わってはいないが魔術の才能はあるようだ、しかし、剣術も同じく人より抜きんでるように努力しよう。


 ゆくゆくはコユーア領主になるのであれば、見た目だけでは人は付いてこない。



 そして、出来ないふりをしない事も大事だ。うつけと呼ばれて利点もあったが不利益も多かった。





 なので

 [魔術と剣術の訓練]






 それから、領主たるもの阿呆では成り立たん。



 幸いにもこの屋敷には書斎が腐るほどある。父上は6,000冊程と言っていた。


 ならば1日1冊として一年で365冊。

 うーん遅い。ならば1日3冊だ、そうすれば一年で約1000冊。

 よし、9歳には読み終わるな。





 [3冊本を読む]





 ふむ。とりあえず10歳までの計画は立てた。




 [言葉遣いを美しく、私という。]




 [魔術と剣術の訓練]




 [3冊本を読む]



 うむ。素晴らしい。




 後は実行あるのみじゃ。

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