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―4―


 チュンチュン


 この世界にも雀に似たような鳥がいるらしい。実際横にある窓には、開けてもいないのに窓際に茶色い鳥が、我が物顔で居座っている。


 コーケコッコォォォ


 ついでに言えば、鶏と同じような鳥もいるみたいだ。今ははっきり言ってどうでもよかったが。

 しかしだ、この状況をどうやって抜け出せばいいだろう。


 「ん、んふぅぅ」

 「ったく、早く俺の右手を解放しやがれ。痛いし、HPが徐々に減ってきてるし。ああ、感覚なくなってきやがった。」


 なにより、まえの時ならまだよかったが、今はみことあれだ。右手に押し付けられている、2つのやわらかい丘。その頂上にはなんか下地と違って、少々硬いものがあるのがありありと分かる。

 だが、俺は決してロ○コンではないから、こんなちんけな丘では発情はせん!せめて丘から、山と渓谷を築かなくてはいけないな。

だがコレもなかな……ゲフンゲフン

 何かに目覚めかけた。危ない。


 どうでもいいことは置いといて。それにしても、早く抜け出さないといけない。そろそろHPがイエローを通り越してオレンジのゾーンに入ってきてる。何のために宿に泊まって休んだのだろうか。

 そんなことをそこそこ考え始めたころ、やっと命が起床した。


 「ん、んーー」

 「やっと起きたか。」


 命は特に一緒に寝たことを気にしていないみたいだ。まぁ、兄妹だしな。


 「あ、兄貴。おはよう。今日ももちろんモブ狩りだよね。」

 「ああ、当たり前だろ。ゲーム開始から2日目で早速休むやつがあるか。」


 ずっと拘束されていた右腕を回しながら答える。

 肩がゴキゴキと音を立てる。少し痛いが、逆に気持ち良いものだった。


 「兄貴は何食べるの?」

 「ん?肉だな。」

 「えぇ!?朝からお肉?ちょっと重くない?」

 「大丈夫だ。これからずっと動かすことになるんだ。それくらい食っても足りんくらいだ。」


 結局肉を食べることになった。

 結果は、かなりおいしい……ことはなく、味がなかった。肉なのに。肉汁があふれ出してるのに、口に入れても味がしなかった。だけど、おなかは膨れた。意味が分からん。



◆◇◆



 今回は、初心者の草原ではなく、節制の森でモブどもを狩っていった。

 初心者の草原の卒業が早すぎることないか?と思ったが、どうやらあそこの適正レベルは、10までらしい。本当に初心者の間だけお世話になるみたいだ。

 そしてここでレベル上げをする場所が大きく2つに分かれる。


 1つ目が俺たちのいる節制の森だ。出てくるモブはゴブリンや、オークといった接近戦に優れるモンスターが多い。はっきり言って俺たちにとっては、恰好の餌食だ。

 俺は銃だから、敵の攻撃なんぞ当たるどころか届きもしない。命も、リーチのある槍を使っているので、基本的に攻撃が届くことはない。もし届いても、盾があるし、代わりにカウンターを浴びせることができる。

 だが、エリアにはあまり薬草が落ちておらず、ポーションを作れない。

 さらに魔力やSTスタミナの回復スピードが遅く、魔法やスキルを連発できない。故にここが節制の森といわれているのだろう。と、勝手に目測をつけている。


 2つ目がゴブリン平原だ。ここにはゴブリン種が大量にリポップする。普通のゴブリンに続き、ゴブリンアーチャーやゴブリンウィザードやハイゴブリンが出てくる。

 そしてこの平原を進み、森に入れば、ゴブリンキングがいるとされている。

 こいつを倒せば、大アルカナクエストの1つがクリアされるのではないかとされている。


 ちなみにだが、このゲームの大アルカナクエストは22個あり、それぞれ大地 道化師 最後の審判 赤子 夢 時間 神罰 堕天使 大天使 死神 使徒 正義の女神 革命 賢者 勇気 征服者 恋人 司祭長 元首 ビーナス 2本の柱 異教徒 がある。

 おれにはさっぱり何のことだかわからないが、1部の人が言うには、タロットのカードに沿っているらしい。タロットなんぞ見たこともないからわからん。

 その人が言うに、大地…世界 道化師…愚者 最後の審判…審判 赤子…太陽 夢…月 時間…星 神罰…塔 堕天使…悪魔 大天使…節制 死神…死神 使徒…吊るされた男 正義の女神…正義 革命…運命の輪 賢者…隠者 勇気…力 征服者…戦車 恋人…恋人 司祭長…教皇 元首…皇帝 2本の柱…女帝 ビーナス…女教皇 異教徒…魔術師 とあるらしい。

 小アルカナは省略する。


 それでだ、俺たちは節制の森で狩をし、夜になればアスガルドへ戻り、アイテムを売り、消耗品を補充して宿に帰って休む。といったサイクルを繰り返していた。そしてそんな日々が3日ほど続き、ようやく2人ともがレベル20に上がった。


 「これで職業カードを変えれるね♪」

 「おう、そうだな。」


 うれしそうだ。語尾に♪まで付けて喜びを表現している。

 よし、ダーマ職業都市に行って、早速カードを変更してこよう!

 思い立った日が吉日で、その日以降は凶日っていう言葉があるくらいだ。早く行かなければ!!


◇◆◇


 アスガルド商業都市の西門をでて、北西へ走ること2時間。俺たちはダーマへ着いた。

 純白の神殿の前にある、クソ長い階段を登りきった後、縦幅10メートル、横幅7メートル位の門が俺たちを出迎えた。


 「よし、行くぞ。」

 「うん。」


 なかは、外見から想像するような内装だった。床には赤いカーペットがひかれ、その感触も日本の国会議事堂の中に引かれているような感触だった。

 そのカーペットの先には、1人の見た目70~75歳くらいのおじいさんが立っていた。だが、背筋は曲がっておらず、ピンとしていた。手には聖書らしきものが携えられている。服も見た目豪華そうだ。おそらくあの方に職業を変えて貰うのだろうと判断。周りにはラッキーなことに誰もプレイヤーは居らず、すぐに出来そうだ。


 「それじゃあ、僕が先に行ってみるよ。」

 「いってら」


 まずは命がジョブチェンジするようだ。


◆◇◆


 「すいません。職業を変えてもらいたのですが?」

 「迷える子羊よ、良くぞこの神殿に来られた。さて汝はどの職業を望む?」


 『職業を選択してください。騎士、侍、戦士、義賊……』


 命は迷わずに騎士を選択した。


 『“騎士”これでよろしいですか?Yes/No 』


 迷うことなくYesを選択した。


 「汝騎士になりたいのじゃな?それでは目をつぶりなさい。…………目を開けて御覧なさい。」


 『職業ジョブが騎士に変更しました。」


 脳内アナウンスが流れた。命は小さくガッツポーズをとって優樹の元へ帰る。


◇◆◇


 命が小さくガッツポーズをしているのが見えた。どうやらうまくいったみたいだ。内心失敗したらどうするのだろうと思っていただけに、成功してほっと胸を撫で下ろした。

 次は俺の番だ。職業を何にするかまだ決めていなかったことに今気づき、少し慌てる。

 1歩1歩歩きながら何にするか考える。おじさんの目の前ついたが、結局十数メートルの道のりでは決め切りず、成り行きで決めることに決めた。


 「迷える羊よ、汝はどの職業にする?」


 何も聞いてないのに、勝手に話を進められていく。

 しかも、地味に命のときより、しゃべっている量が少ない。どうでもいいが。


 『職業を選んでください。狩人ハンター警官ポリス、銃士、二丁拳銃士……』


 ん?二丁拳銃士?初めて聞く職業だ。ためしに押してみた。


 『“二丁拳銃士”これでよろしいですか?Yes/No 」


 面白そうな職業なので、Yesを押す。


 「汝二丁拳銃士になりたいのじゃな?それでは目をつぶりなさい。…………目を開けて御覧なさい。」


 『職業ジョブが二丁拳銃士に変更しました。』


 脳内アナウンスが流れ、無性にうれしさが込み上げて来る。

 そして、俺も命と同じように、小さくガッツポーズをしてしまう。


 「兄貴、うれしそうだね。」

 「そうか?分かってしまうか。」

 「うん、もううれしさオーラが、体中から撒かれてるよ。それで、何に変えたの。」

 「二丁拳銃士って言う職業にしたぞ。」

 「え!?初めて聞く職業ジョブだ。」

 「そうなのか?」

 「うん、少なくとも、攻略サイトにはそんな職業は載っていなかった。」


 毎日のように攻略サイトを見ていた命が言うんだから、たぶん載っていないのだろう。ということは、かなり珍しい職業ジョブに就けたのではないだろうか。目立ってしまうな、と内心思いつつ、出入り口へ向かう。

 命が、何か言いたそうな顔をしている。


 「兄貴、ちょっとトイレ…」

 「ああ、気にせず行ってこいよ」


 AAEOには、なぜかトイレがある。しかも水洗。ファンタジー台無しだが、このゲームは、ゲームの癖にトイレに行きたくなる。不思議でたまらないが、そういうものだと納得している。

 しかも、何かしらの戦闘状態だとなくなるという。本当に不思議でたまらない。


 命がトイレに言っているその間に、神殿内にあるショップらしきところに暇つぶしに行った。


 「クイックドロウだと…。これ欲しいな。……げ、10000ゴールドか…買えない事もないな。よし、買おう。」


 『クイックドロウをどちらに入れますか?』


 しまった、これを入れるところがな……あった。あれ?少し前までは、ここにダブルジョブのスキルカードがあったのに、なくなっている。神隠ッ!?……違うな、きっと。

 まぁ、空いてるし、ここに入れてっと。フフフこれで完璧だ。

 これで、バッ(銃をホルスターから抜いた音)バァン(銃を撃った音)グギャァ バタン(モブにあたり倒れる音)的なことができる。カッケェーー。


 そこまで悪巧みをしていると、命の用も終わったようで、こちらに近づいていた。


 「兄貴、何悪い笑みを浮かべてるの?」


 おおっと、顔に出てしまったようだ。気をつけなければ。


 「これで、なんかスタート地点に立った気分だなと、思っていてな。よし、肩慣らしに節制の森に行くか」

 「…うん、そうだね」

 

 少し不思議そうにしていたが、まぁ大丈夫だろう。

 俺が右拳を前に出すと、命も不思議そうにしていたが、それに合わせて拳を前に突き出した。

 それが終わると、俺たちは踵を返して門へ向かって走った。


 さて、まずはレベル上げだ頑張るか。


NAME YUKI 


 JOB  二丁拳銃士Lv1


 スキル 銃   Lv20

     錬金術 Lv10

     調薬  Lv8

     鷹の目 Lv22

     鍛冶  Lv1

     クイックドロウ Lv1

 

 武器  初心者の銃×2 ※壊れません


 防具  初心者のシャツ ※壊れません

     初心者のズボン ※壊れません

     初心者の靴 ※壊れません

     ホルスター


 持ち物 アイテムポーチ ※壊れません


 NAME LIFE


 JOB 騎士Lv1


 スキル 槍  Lv23

     盾  Lv20

     鎧  Lv18

     活檄 Lv20

     攻撃力上昇 【中】

     防御力上昇 【中】


 武器 銅製の槍 耐久度60/100


 防具 革のたて 耐久度70/100

    革の鎧 耐久度75/100

    革のズボン 耐久度90/100

    革の籠手 耐久度80/100

    革の靴 耐久度60/100


 持ち物 アイテムポーチ ※壊れません


 今さっきよくみたら、いつの間にか銃が1つ増えていた。不思議なこともあるもんだ。



最後までお読みいただきありがとうございます。


感想等お待ちしております。

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