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この世界で午後7時ごろ、俺たちはスタート地点から一番近い街、アスガルド商業都市に着いた。
ちなみにだが、この世界には3つの大都市がある。あと、街がちらほらに、村がたくさん。
1つ目がここアスガルド商業都市。別に商業都市アスガルドでもOK。言い方が決まっているわけでもない。商業が発達しており、消耗系のアイテムはここで買うと他の都市より安い。武器等もここで買うことができる。そして、ここで手に入らないものはドラゴン種のドロップアイテムだけと、設定であった。本当かはわからないが。
2つ目がアスガルド商業都市より北東に位置する、アーツ魔法都市。こちらは、名前のとおり魔法関係が他の3つの都市より発達している。主にここでは魔法関係の職業の人ならのどから手が出るほど欲しがる、魔法書関係が購入できる。
魔法書とは、少量の魔力と引き換えに、その魔法書に写されている魔法を使用回数分だけ使えるものだ。スキルを取得していなくても使えるため、大変便利なものである。
ただし、便利さに比例して、かなり高いものらしい。
3つ目が、アスガルドより北西に位置する、ダーマ職業都市。ここで、ジョブチェンジができる。また、ランクアップもできる。
たとえば、命は今は剣士という職業だが、職業レベルが20を超えると、侍や、騎士、戦士、条件を満たせば、忍者(女性の場合クノイチ)や義賊、二刀流などの職業に就くことができる。
俺の場合は、ガンナーなので、狩人や、警官等の職業にランクアップできる。
ということで、俺たちは1つ目の大都市、アスガルド商業都市に来た。
ここですることは、今回のレベルあげの際にモブどもからドロップしたアイテムを売って、武器を新しくしたり、防具を新しくしたり、消耗したアイテムを買ったりする。やることが多いので、テキパキとやっていかなくてはいけない。
それに、最初の都市だけあって、人が多い。すべての会場の人を合わせれば、20000人のプレイヤーが参加しているが、NPCの分も合わせれば、軽く30000人は居るんじゃないんだろうか?
そんな人ごみがあふれる露店広場。命と一緒に歩き回っているが、一向に店が見つからない。ここに店がないのではなく、ただ単に人が多すぎて、店が見える所までいけていないだけなのだが。
そんなところで目的もなく歩いているのではなく、俺たちが向かっているのは、命が違うネットゲームで知り合った生産職の方の所なんだそうだ。
しかも、その人はクローズドβの参加者で、トップギルドにも負けないくらいの資金を稼いだそうな。今回は前回のように騒がしくならないように、端っこの方で店を構えているらしい。
それでもわかるんじゃないのか?という俺の質問に対し、命は「姿も変えたみたいだし、たぶんばれないと思うよ」との事。それじゃあ俺たちが分からないんじゃないか?という質問には「僕の名前を知ってるから、大丈夫」らしい。根回しが早いことだ。
そんなことをしながら、露店広場を歩くこと約10分。命が1つの露店の前で立ち止まった。――どうやら目的の場所に着いたようだ。
「こんばんわ~。LIFEですけど、咲夜さん居ます?」
どうやらここの店主は咲夜というらしい。
「はいは~い。待ってたよ命ちゃん。」
「その呼び方はやめてくださいと言ったはずですよ?」
目の前のきれいな女性は、『キヤーー怒られちゃった』と言っていた。まぁ、大丈夫だろう。
「ところで、お隣の男性は?」
「ああ、命の兄のユウキです。」
「命ちゃんのお兄さんかぁ~。なぁ~んだ残念。」
何が残念なんだかよく分からないが、スルーだ。
「ところで、アイテム売りにきたんでしょ?買い取るから、見せてくれない?」
拒む理由もないので、素直に今回の成果を惜しげもなく披露する。
隣で、ほとんど同じような品目で命も出している。
「ええっと、これが確か相場で50ゴールドだったっけ。これとこれが60ゴールドで、これは確か100ゴールドだったわね……。1人あたり合計で3080ゴールドになるわね。ということで合計6160ゴールドになりまーす。」
「ありがとうございます。ところでここで武器とか売ってるんですか?」
「みてくれたら分かると思うんだけど、ここは武器と防具、そしてなんと消耗品であるポーション各種も買えちゃうんだよ~」
確かに、シートの上を見てみれば、武器や防具が置いてある。だがそれは刀であったり、両刃剣であったり、槍であったり、薙刀であったり、防具で言えば、鎧のような重装備であったり、革の鎧であったり、マントであったり、ローブであったり、銃や服のようなものは置いてなかった。
「ここには、銃置いてます?」
「うんー、ユウキ君は銃を使ってるの?」
「えぇ。」
咲夜さんは一拍おいて、
「……銃はね、作ってないのよ。何でかって言うと、使う人がいないからよ。」
「なんでですか?」
「まず、銃は小さい弾丸を撃つが故に威力がないのよ。代わりに機動力があって遠くから攻撃できるし、貫通力があるけど、他のものも程度に違いはあれ、大抵遠距離から攻撃できるし、銃より威力があるのよ。そして、より攻撃力を上げるには、弾丸を変えるのが手っ取り早いんだけど、そこまで劇的に代わらないし、なにより一回の攻撃ごとにお金がかかるのよ。」
なるほど、道理でここに来るときに通った露店広場にも、銃を持った人がいなかったのか。ということは、銃は俗に言う“ハズレ武器”というやつか!?でも、これ使うためにAAEOにきたし、まあ俺は俺で使ってたらいいか。
「まあいいです。それで、ここで銃をそのうちでもいいですから、扱う予定ってあります?」
「残念だけど、今のところないわね。」
「そうですか…」
実に残念だ。ここで買えるなら、よかったのに。
それなら、ここ以外で買えばいいんだ!咲夜さんには悪いけど、売ってないから仕方がない!
「兄貴、たぶんだけど、他も銃は取り扱ってないと思うよ。」
な、何だと…
ということは、ドロップで期待するしかないのか……?
いやいや、俺には鍛冶というスキルがあるんだ。最低モブからドロップしなくても、自分で作ればいいんだ。
「まあ仕方ないけど、ドロップに期待してもらうしかないわね。本当は売ってあげたいんだけど、結構鍛冶のスキルが高くないと作れないからね。」
え、………………
高くないと作れない…?生産職の人がこういっているんだから、それはかなり高いに違いない。なのに、俺は戦闘職。どう考えても生産職一筋の人のほうが早い。だけど、作れるようになるにはかなりかかる。
本気でドロップに賭けなければいけなさそうだ。
「それじゃあ、服みたいな防具ってあります?」
「それは、裁縫のスキルに入ってくるから、ここにはないわね。またそのうち腕のいい裁縫屋紹介するから、それまでは他ので代用しておいてね。」
「分かりました。」
ここでは、残念ながら買うものはなさそうだ。ポーションは自分で作れるみたいだし。
ふと隣を見てみると、命が武器と防具を新調なさっておりましたよ。
一通り(命が)装備を変え終わったあと泊まる宿を取っていなかったことに気づいた。
「それじゃあ、宿取りに行こうか。」
「ああ、どこにあるんだ?」
「えぇっとねぇ」といいながら、自身のポーチを探る。そんなところに入っているのか?と思っていたが、紙を引っ張り出してきたところを見て、杞憂だったことに気づいた。
「この露店広場を抜けて、すぐに宿屋通りがあるみたい。かなり数もあるみたいだし、野宿になる事は無いんじゃないかな?」
「そうか、ならゆっくり行くとするか。」
俺たちはゆっくりと宿へ向かって歩いていく。
20分ほど歩いて、必要なものを買って、広場を抜け、先ほど言っていた宿屋通りにつく。このとおりをもっと進めば、アスガルド商業都市の東側に出ることができる。また、冒険者通りと呼ばれる通りを抜ければ、西側に出ることもできる。俺たちは冒険者じゃないんだけどな、と思うがそういう名前なので仕方が無い。
通りに近いほど安全な宿屋とされ、内装が綺麗で風呂などの施設が付いてくるらしい。中に入ったことが無いので詳しくは分からないが。
俺たちは、適当に宿を選び入っていく。
カランカラン
ドアを開けるとドアの上についている鐘のようなものが音を奏でる。木製だからか、チリンチリンというような音はしなかった。
適当に選んだ宿屋は、かなり内装は綺麗だと思う。少なくとも、床に血のようなものは見られないし、棚の上に埃があるようには見えない。
ここは高そうだと思い、少々ためたいが生まれる。その間に、ドアの開いた音を聞きつけ、従業員さんらしき人が近づいてきて、あれよあれよいつの間にか泊まることに。しかも何故か命と同室。まあいいと思い部屋に入ると、ベットが1つ。何故だと本当に従業員に問い詰めたかった。まあだがしかし、お金をすでに払ってしまっているので、文句を言いつつも同じベットで半分づつ使って寝ましたけどね。
ああ、そうそう。寝る前に採取した薬草と、モブどもからドロップした薬草と、露店で買ってきた足りなかった薬草を、調薬のスキルと錬金を使って作りましたよ。
結果としては、成功。緑色の液体が入った瓶が出てきましたよ。効果は、HP小回復でした。まぁ、最初はこんなものだろうと納得して就寝。翌日目を覚まして、早速モブ狩りにレッツゴーだ。
NAME YUKI
JOB ガンナーLv9
スキル 銃 Lv11
錬金術 Lv5
調薬 Lv4
鷹の目 Lv11
鍛冶 Lv1
ダブルジョブ
武器 初心者の銃 ※壊れません
防具 初心者のシャツ ※壊れません
初心者のズボン ※壊れません
初心者の靴 ※壊れません
ホルスター
持ち物 アイテムポーチ ※壊れません
NAME LIFE
JOB 剣士Lv10
スキル 槍 Lv13
盾 Lv10
鎧 Lv9
活檄 Lv9
攻撃力上昇 【中】
防御力上昇 【中】
武器 銅製の槍 耐久度100/100
防具 革のたて 耐久度100/100
革の鎧 耐久度100/100
革のズボン 耐久度100/100
革の籠手 耐久度100/100
革の靴 耐久度100/100
持ち物 アイテムポーチ ※壊れません
命の装備ずいぶん決まってるな!
本物の剣士みたいだ。それに対して俺は…
……いや、俺は今から強くなっていくんだ。
目指すはNEW銃だ。あと、防具。
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