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始まりの分岐点

高校からの帰り道、僕は友達と内容の無いくだらない話をしながら歩いていた。僕はこの時間が嫌いだ。友達が嫌いな訳ではない、無駄だと思えてしまう時間を過ごすのがたまらなく苦痛なのである。しばらくして一つの曲がり角に着いた。僕は逃げるように友達に別れを告げて家の前まで行った。

そこで僕は言いようの無い違和感を覚えた。だが、それが何かは分からない。とてもモヤモヤしたスッキリしない気分になってしまった。

頭の上にはてなが浮かんでいるが、どうせ思い違いだろうと思考を停止させ玄関へ向かった。

鍵を開け玄関に入るとまた何かいつもと違う感じがした。

(受験と入学でバタバタしてたから疲れてるのかなぁ)

と、思いつつリビングに入っていった。



「「お帰りなさい、お兄ちゃん!」」

違和感が最大級に膨れ上がった。



まず状況から確認しなければならないだろう。ここは、僕の家のリビングである。僕の目の前には同一人物かと思うほどそっくりな二人の女の子がソファーに座っている。同じショートカットで同じ服、違いと言えば色違いのカチューシャと向かって右側の少女が掛けているメガネくらいだ。先ほど僕のことをお兄ちゃんと呼んだのはこの二人である。しかし、この二人は僕の妹ではない。というか、僕には兄弟がいない。

この二人は僕の父の会社の同僚の双子の娘である。家が同じ市内にあり会社のパーティーや親子ぐるみでの交流があり。僕はこの姉妹を妹のように思っており、姉妹の方も僕のことをお兄ちゃんと呼んで懐いている。だが、これらの情報では、この状況を説明する事は出来ない。

さらに、違和感(疑問)はこれだけではない。むしろ、もっと大きい疑問がある。それはリビングに所狭しと置かれたダンボール箱である。まるで、引越でもするような大荷物である。

また、ここへ来てさっき家の前と玄関で感じた違和感の謎が解けた。

まず、一つ目の違和感はカーテンが開いていたことである。我が家では家に誰もいないときはカーテンを閉めておくことになってある。我が家で僕が帰宅する前にカーテンが開くことは、まず有り得ない。

二つ目は靴である。見慣れないスニーカーか二人分増えていた。今となっては、なぜそれに気付かなかったかが不思議で仕方がない。


などと考えていると二人の少女から話しかけられた。

「お兄ちゃん?どうしたの?もしかして、今日の事聞いてないの?。」

と、遠慮がちに聞いてきたのは、向かって右側のメガネを掛けた方の少女だ。この子の名前は森野千紗。たしか今年中学生になったはずだから12歳。双子の長女、カチューシャの色は赤。

「そんなわけ無いじゃん、こんな大切な事聞いてない訳ないでしょ?だって川崎のおばちゃんは、拓兄ちゃんは全部承諾済みだって言ってたし。」

この子は次女の森野美紗。同じく12歳。カチューシャの色は青。

話に出てきた川崎のおばちゃんというのは僕の母親である。

ちなみに遅くなってしまったが僕の名前は川崎拓也という。高校一年、趣味は読書、特技は速読と家事全般。容姿、学歴、運動神経共に平均的な男子高校生である。

一通りここにいるメンバーの説明が終わったところで話を戻そう。

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