「第6章:魔法と友情、そして夜の部屋」
パック・フェンの厳しい試験を乗り越えた後、クルサとノイラは教室に戻った。
ちょうど授業の時間で、今日はフェン先生が担当する魔法の授業である。
クルサは心の中で思う。
(魔法……やっぱり魔法は素晴らしい。美しいことができるんだ……)
フェン先生が教室全体に声をかける。
「皆さん、今日は魔法の正しい使い方を学びます。先ほどの精神力テストで分かったように、魔法は精神の力を反映します。使う人次第で制御できることもあれば、できないこともあります」
クラスの女子が手を挙げる。
「フェン先生、制御できる・できないってどういう意味ですか?」
「良い質問だね、明るい静香さん。簡単に言えば、感情が乱れたり怒りに支配されると、魔法が自分の体を支配してしまうことがある、ということです。だから、魔法は冷静に、焦らずに、少しずつ速度や威力を上げることで、制御できるんです」
今度は男子生徒が尋ねる。
「じゃあ、今日は魔法の制御を実際に練習するんですか?」
「そうだ、剛也くん。正しい、今日はその練習をします」
フェン先生はさらに続ける。
「精神力を制御できなければ、すぐに疲れてしまう。力が大きくても耐えられなければ、必ず悪いことが起こる」
ノイラが質問する。
「例えばどんなことですか、フェン先生?」
フェンは目を閉じ、深く息を吸い込む。
教室の空気は瞬く間に変わり、明るい教室が、暗黒に包まれたかのような重苦しさに満ちる。
机に頭を伏せる生徒が多い中、20人中4人だけが平然としていた。
クルサ、ノイラ、剛也、静香の4人である。
「想像もしなかった、最弱と言われる生徒が耐えられるとはね」と剛也がクルサに挑発する。
「力よりも精神力が必要なのよ、剛也くん」とクルサは冷静に返す。
「なら、勝負しようじゃないか!」と剛也が叫ぶ。
「いいだろう」とクルサも落ち着いて応じる。
教室の雰囲気はさらに緊張に包まれる。
赤・黒・白・青のオーラが交錯する――
赤と黒はクルサとノイラ、白と青は剛也と静香から放たれていた。
フェン先生は密かに感嘆する。
「このクラスに潜在能力の高い生徒が4人もいるとは……」
二人の会話が続く。
「剛也くん、少し落ち着こう?」静香が優しく制す。
「まだ止まらない、静香ちゃん」と剛也は挑発的に返す。
「クルサ、白髪の君はもう抜け毛の心配か?」剛也が挑む。
「それは簡単にはいかない。君の髪が先に抜けるだろう」とクルサは冷静に返す。
ノイラが心配そうに小声で囁く。
「やめたほうが……クルサくん」
二人は互いに落ち着きを取り戻し、「今回は止めよう」と合意する。
フェン先生は生徒たちに語る。
「これが、精神力の制御を誤ったときに起こることだ。もちろん、私やリリアーナ先生の力に比べれば微々たるものだが」
ノイラが尋ねる。
「リリアーナ先生は、どこへ行かれたんですか?」
クルサは手早く説明する。
「さっき彼女は校庭に出ていった。重要な任務があるそうだ」
授業は再開される。
フェン先生は火の魔法を例に示す。
目を閉じ、心で赤く熱い火のイメージを描く――
すると魔法の力で小さな炎が現れた。
「これが魔法の芸術です。創造も破壊も可能なんです」と先生は指を弾き、炎は消える。
クラスの生徒たちは目を丸くし、感嘆の声を上げる。
クルサは心の中で問う。
(これで全てを作れるのか?)
「可能かもしれないし、できないかもしれない」とフェン先生。
「少なくとも役立つことはできる。悪用すれば破壊もできる」
次の課題は水を操る練習。
最初は誰もできず、クルサとノイラも苦戦。
だが、剛也と静香はすぐに成功し、喜びを分かち合う。
ノイラは徐々に水を操れるようになり、クルサも試行錯誤する。
指で空中に円を描くと、水の球体が現れ、少しずつ操作できるようになった。
最後に両手をテーブルに叩きつけると、大量の水が机からあふれ出した。
教室は大混乱。
生徒たちは水遊びを楽しみながら、掃除はむしろ二の次。
クルサと剛也は水を飛ばしながら張り合い、ノイラと静香は見守る。
やがて教室は乾かされ、授業は終了。
その後、生徒たちは寮へ向かう。
クルサの寮番号は413号室。
途中、黒髪の静香と遭遇し、道中会話する。
「ノイラさんとの関係は?」と尋ねる静香。
クルサは説明する。
「今日出会ったばかりの友人だ。だがノイラの兄は過去の友人で、私の従兄弟の恋人でもある」
静香は自分と剛也の関係も語る。
「私たちは12歳からの幼なじみよ」
お互い笑いながら歩き、クルサは静香に「クルサでいい」と伝える。
静香は照れくさそうに頷く。
寮に到着すると、クルサの部屋にベルが鳴る。
ドアを開けると――なんと、同室はノイラであった。
「ノイラ……どうしてここに?」
「あなたの部屋よ。ほら、番号を見て」とノイラは紙を示す。
どうやら、学校側の事情で二人は強制的に同室になったらしい。
こうして、クルサとノイラは昼も夜も、常に一緒に過ごすことになる――。




