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エリダヌスの昇天  作者: 血月 • 麗花


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2/9

「第2章:能力試験」

クルサは、先ほど道を尋ねた男性が自分の教師だったことに、強い衝撃を受けていた。


「フェン先生……まさかこんな形で再会するなんて、予想外ですね」


驚いた様子でそう言うと、フェンは軽く笑った。


「私もだよ。正直、ここまでとは思っていなかった」


そう言ってから、フェンは教壇に戻り、クラス全体に向かって声を張り上げる。


「さて、今日は君たち一人ひとりの能力を見せてもらおう。ここに魔力測定用の魔法球がある」


そう言って、紫色に淡く光る魔法球を机の上に置いた。


「この魔法球は、肉体能力と精神能力を測定し、それを一般的な人間の平均と比較するものだ。

精神能力は、魔法を形成するために不可欠な要素であり、数値が高いほど魔法の素質も高い」


さらにフェンは説明を続ける。


「総合能力は、肉体と精神の倍率を掛け合わせて算出する。

例えば、精神が平均の2倍、肉体が3倍なら、総合で6倍というわけだ」


測定が始まった。

2倍、5倍、平均並み……中には、人間の平均の130倍という数値を叩き出す生徒もいた。


ノイラの測定結果は、

肉体能力が1.25倍、精神能力が1.75倍。

総合能力は、およそ2.18倍だった。


そして、次はいよいよクルサの番である。


フェンは彼に落ち着くよう促し、静かに手を魔法球の上に置かせた。

その瞬間、フェンは微かな違和感を覚える。


――振動……?

しかし、通常の測定で地面が揺れることなどあり得ない。


やがて結果が表示された。


肉体能力:0.5倍。

つまり、一般人よりも半分の力しかない。

一方で、精神能力は2.14倍。


総合能力は、1.07倍。


数値を見たクルサは、どこか満足そうに微笑んだ。

だが、彼はフェンにこう告げる。


「先生……この教室、合計で22人いる気がします。でも、生徒は20人で、先生が1人……ですよね?」


フェンは一瞬驚いたように目を見開き、すぐに笑った。


「……気づいたか」


そして、教室の奥へ向かって声を上げる。


「リリアナ先生、もう姿を現してもいいでしょう」


その瞬間、教室最後列の席から、一匹の黒猫が姿を現した。

次の瞬間、猫は人の姿へと変わる。


その人物は、教壇の前まで歩み出て、静かに言った。


「まさか、私の存在に気づく生徒がいるとはね」


教室中が騒然となった。

なぜなら、その人物は――。


リリアナ・ティニャード。

世界でも屈指の強者と名高い魔導士だった。


噂によれば、彼女の能力は、一般人の約一千四百万倍。

まさに、桁違いの存在である。


フェンが紹介する。


「みんな、こちらはリリアナ・ティニャード先生だ。

その恐るべき魔法から、“闇の魔女”とも呼ばれている」


生徒たちは一斉に拍手した。

リリアナはその中で、じっとクルサを見つめる。


(……やっぱり。この子……今、どこまで成長しているのかしら)


彼女はクルサに声をかけた。


「ねえ、あなた。名前は?」


「クルサ・ヴェイラルです。クルサと呼んでください」


クルサは丁寧に頭を下げた。


「クルサ、ね……

ちょっと私と“遊んで”みない?」


「……遊び、ですか?」


「一対一のゲームよ」


クルサは目を見開いた。


「もう少し、詳しく教えていただけますか?」


「簡単よ。

私の攻撃を、三分間耐えるだけ」


リリアナは楽しそうに微笑む。


「……正直、自信はありませんが……やってみます」


黒い魔導衣に長いスカート。

リリアナは眼鏡の位置を直しながら言った。


「じゃあ、始めましょう」


――こうして始まる、異常な対決。

クルサ vs リリアナ。


果たして、クルサは三分間、生き残ることができるのか。

その答えは、次章で明かされる。


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