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NO LIVING  作者: 狐の尻尾
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1話 記憶喪失の骸骨


なんだろう。頭がボーっとして考えが回らない。

体は不思議な感覚で包まれている。

気持ちいいがそれと同時に形容しがたい負の感情も込み上げてくる。


だが、それらもだんだん薄れてくる。

それとは反対に朦朧とした意識はだんだんとはっきりしてくる。

まるで頭の中の霧が晴れていくようだ。

そして完全に意識が覚醒した。


だが、次の瞬間には僕は余計混乱することになる。

何だこの天井?

ゴツゴツとした地面を背中に感じながら同じくゴツゴツとした天井が視界に入る。

僕は地面に仰向けになって倒れていた。

とりあえず起き上がろうとするが上手く力が入らない。


一体どうなっている?

なんなんだこの状況は?

なんで僕はあんな所で寝ていた?

頭の中は疑問で溢れかえる。

それらを1度振り払いまず今は自分の状況を確認しなければ。

なんとか立ち上がり周囲を見ようとした時、そこには信じられない光景が広がっていた。


え?え?なんだここ?ど、洞窟?

そう、目の前には何故か広い洞窟があった。

更には見たことのない植物や、水の中を知らない生き物が泳いでいる。

明らかに異常事態だ。


頭の中は再び混乱でいっぱいになった。

落ち着け。一旦落ち着こう。

まずはここに至るまでの経緯を思い出さないと。

でなければ何も分からない。

僕は必死にここに至るまでの記憶を辿り出す。

だがおかしい。

おかしいのだ。

なんで何も思い出せないんだ?


ここに倒れていた理由どころかそれ以外の記憶も無い。

基本的な知識は持っている。

だが自分に関する記憶を何一つ持っていない。

自分の生まれや両親のことまでなにもかも。

頭の中からすっぽり抜け落ちてしまったような感覚だ。

辛うじて覚えているのは自分が日本という場所に住んでいたこと、それだけだ。


あぁ、頭がパンクしそうだ。

1度にこんな大量の情報を処理できるはずが無い。


これは夢ではないのだろうか。

そんな考えまでもが頭に浮かび自分の頬をつねろうとした。

だがその手が自分の頬を掴むことはない。

いや、正確に言えば掴めるところがないのだ。


え?なんで掴めないんだ?

もう1度つねろうとするがやはり出来ない。

ただ、カチカチという音が鳴り響くだけだ。


その時、今日1番の異常事態に気づく。

恐る恐る自分の手を見るとその手に肉は着いておらず硬く白い先端が鋭利なものになっている。

つまり手が剥き出しの骨になっていたのだ。


…………え?

思わず2度見してしまうほどその状況が信じられない。

僕は全力で走って近くの水場に行き自分の顔を確認する。

その水面に反射して映っていたのは手と同じように肉の付いていない骸骨だった。

今日1番の衝撃が自分を襲う。

待て、もしかしたら見間違いかもしれない。


落ち着く為に目を瞑り深く息を吸う。

そして大きく目を見開いたが………

やはりそこには骸骨がいた。


もはや意味が分からなさすぎて逆に落ち着いてきてしまった。

一旦深く考えるのはやめて今の自分の状況を整理することにしよう。


まず、目が覚める。

知らない天井、謎の洞窟、見知らぬ生物、記憶喪失の自分、

挙句の果てには骸骨化。


あぁ、やはり何度考えても分からない。

僕は一体何者なんだ?ここは一体どこなんだ?

そんな疑問ばかりがさっきから頭の中を巡り続ける。


とりあえず今分かることは僕が記憶喪失の骸骨になってしまったということだけだった。







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