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 波乱の卒業パーティー。


 第一王子であるシークムンド・ベーヴェルシュタムが婚約者に婚約破棄を告げ、新たな婚約者を指名。

 婚約破棄されたカルロッテ・アブラムソンが『元の世界に帰国』した事により、異世界人であったことが判明。

 そして新たに婚約者と指名されたアクセリナも、自身は異世界人と発言。

 その後の卒業パーティーは楽しむ雰囲気ではなく、混乱する頭の中を整理するのに夢中だった。


「アブラムソン公爵令嬢は……異世界人……だったのですよね?」

「そう……なのでしょうね」

「……帰国を選択した経緯……調査……されますよね……」


 異世界人が帰国を選択した理由は必ず調査される。

 そこで万が一異世界人に対して悪意ある行動が確認できた場合、誰であろうと処分の対象となる。

 学園で孤立していたカルロッテ・アブラムソンが異世界人だとは誰も予想していなかった。

 

「私達も処分されるのでしょうか?」


 卒業パーティーに参加した誰もが王子との婚約破棄されたカルロッテに同情し寄り添うことはなかった。

 それどころか、新たな婚約に拍手を贈ってしまった。

 言い訳しようにも会場には王宮の騎士が待機していたし、アクセリナは学園の生徒は王子とアブラムソン公爵令嬢の婚約を良く思っていないことも訴えていた。

 卒業パーティーに参加している人間は、学園の生徒。

 どうにか逃げられないかを、思考を巡らせる。

 多くの生徒は自身を振り返り不安を抱く。


「アクセリナ様は本当に異世界人なのでしょうか?」


 異世界人はとても貴重な存在。

 同時期に何人もいるという前例はない。

 あるのは『異世界人』と名乗る人物や思しき者が数名いる時、一人の本物以外は不幸をもたらす存在だと記されている。

 過去には、奇抜過ぎる提案に周囲を振り回し多くの人間を危険に晒す者。

 他にも、多くの貴族令息を籠絡し婚約解消を促し貴族社会に混乱を招いた者。

 そして、突拍子もない予言で高位貴族令嬢に対して冤罪事件を引き起こした者。

 万が一そんな人間を支持していたとなれば、どのような処罰を受けるのか……


「異世界人……なのでしょう?」

「国王陛下に異世界人だと宣言したのですから……」

「そうでなければ、私達は……」

 

 卒業パーティーに参加した者、アクセリナが異世界人だとは思っていないが、異世界人として認められる事を祈るしかなかった。


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― 新着の感想 ―
目覚ましい成果を出せた者だけが、ホンモノの異世界人。 結果を出せなければニセモノの異世界人。 ひどい国だな。
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