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5日目その5 大切な人


僕は蚊に倒された。

だけど、 人間が応援してくれる。

全観客がペンライトを振り、一人の化け物を応援する。暗闇だとしても、応援する。

「頑張れ、ヒーロー!」

「負けるな、ヒーロー!」

「ヒーローを応援するぞー!」

「え」

いつの間にかナイは立ち上がり、ギターの弦を弾いた。

「ヒーローが負けることは…」

「ナイ!」

「落ち込むことはあるとして、だけど負けることは

そうそう・・」

「ナイ!」

ーー人間どもよ、ありがとう。お前らの変な歌が伝わったぜ。

手に力をこめる。

「泣け、お前のナイト! 叫げ、お前のナイト!

愛がナイ・ナイ・ナイ・ナイ・なんて、ナイぜ。

そうだったら、悲しいだろ」

「Yes、悲しいです!」

僕のビートが0点男のビートが叫ぐ。

起き上がれ、僕!

「おおおおおおおおーッ!」

足に全重心をかけて、僕は起き上がった。

それを壊れたスポットライトの隣で見ていた死神たちは、動揺していた。

「あんな変な歌と光だけで、起き上がるなんて。

くそ、人間も破壊神にやられろ」

次の瞬間、ペンライトの光が一つ消えた。

また、一つ。

また、二つ。また、三つ。

「このままだとやられてしまいます」

ヨンチョーをやるか。だめだ。こんな大人数の前で奇跡を起こすのは良くない。今後の生活に支障が出る。

「じゃあ、なおさらどうすればいいのでしょうか!」

悩んでいる間にもペンライトはどんどん消えていく。

見る限り、破壊神は死神の命令時にしか行動していない。

ーーするをしてでもお前らに勝つーー

この教えを全うする時が来た。

僕は覚悟をし、考え続けたどり着いた答えを

思いっ切り叫ぶ。

「僕が本当の死神です!」

「・・・え」

レイどころか、死神もがあっけらかんとする。

僕の答えはこれだ。

なってやる。だ

次の瞬間、謎の声が体育館に響いた。

「証拠はあるの力」

レイや生徒たちの声じゃない。だからといって、死神

の声とはまた違う。小しノイズが入ったような・・・

ーー破壊神か

僕の心を読んだかのように、姿を見せない破壊神

は僕に話しかける。

「そうだってカ。しかし、君は死神ではないってカ。

死神はいつでも死ねる覚悟があるってカ。君はその覚悟はーー」

「あります」

僕はポケットから銃を出し、銃口を自分の頭部に当てる。

「僕は今からでも死ねます」

姿を見せない敵は笑った。

「カッカッカ!じゃあ、やってみろってカ!」

僕が引き金を引く直前、レイが僕の足にすがりついてきた。

「やめろ、ヒーロー!これはただのわなだ。

そう簡単に愛を捨ててしまうのかい!」

僕は弾丸の神。僕に愛すべき人なんてーーー

いた。先輩だ。

先輩といると、笑えた。楽しかった。

今、先輩がここにいなくても、先輩だということは変わらない。

「やっぱり、できません」

僕は拳銃を下ろした。

「なぜってカ」

「僕には大切な人がいるからです」

破壊神の返事を待った。死ねますと言っておきながら、

死ねませんと言ったのだ。怒られて当然だと思った。

しかし、そう心配することではなかった。

「カッカッカ!面白いってカ」

「え」

「天使のボスに誘われて下界したが、いいなってカ。

お前に試練を与えようってカ」

「試練ですか」と僕は驚いた。

「正確には、お前の大切な人ってやらにだ。

今からここにいる人間たちの数をわしが預かる。

その大切な人ってやらがもしから数を取り返せたら、

お前たちの勝ちだ。しかし、そいつがわしから逃げたり、

負けを認めたら、お前たちの負けだ。」

「このことは先輩に言ってもいいですか」

「言うなってカ!」

この時だけ、破壊神の声が本気だった気がした。

「わしは、そいつの本当の心が見たいのだ」

「先輩は臆病ものではありません!」

「ふん。どうかなってカ」

破壊神はそれだけ言い、僕の前から消え去った。

死神は激怒した。

「よくやってくれたな0点男!」

「僕、何もやってないです」。

本当に僕は何もやってない。

破壊神は勝手に試練を与えて消えたのだから。

それでも、死神はすべての責任を僕に押しつけた。

「いや、お前が悪い。覚悟ッ!」


俺は体育館の扉をガバッと開けた。

「大丈夫か、ようき!」

開けた視界には、 死神たちに襲われそうになっていた

ようきがいた。

「あ、これはやばいな」

俺は近くにあったペンライトを握み、腕を伸ばす。

「くるん、くるん、くるりんぱ!变身!

俺は魔法少年、カ・・・カンニだ!

あなたに変わって、推し活よ!ーーーほら円々姫も」

「え・・・私はカンニの相棒、ぴえんぴえん姫だ!」

突然の寸劇に興味がわいたのか、死神たちがこっちを見る。

17-6(16-7)

振りむいて数秒後、死神たちは何者かに喰いつけ

られたようにバタリと倒れた。

何者かは、すぐに分かった。

「さすがだな、ようき」

ようきがこちら側に銃口を向けていた。

しかし、そのようきがひざから崩れ落ちた。

俺はすぐにようきのそばに駆け寄った。

すると、気付いてしまった。彼の数である -100 が無いことに。

「どうして、数がないんだ」

「破壊神のしわざでしょう」

「・・・破壊神だと」

「はい。破壊神の姿は蚊に似ており、数の制し方

は数を吸うことです」

お前、そんな情報を手に入れるために、

こんなに闘ったのかよ、ばかじゃないのか!」

「心配しないでください。数が無くなったぐらいで

僕は倒れませんよ。僕のカタキ取ってくださいね」

「・・・・・りょ、だ」

ようきがあんなに素直に笑うとは思わなかった。



ようきをナイ氏に預け、俺は靴箱に向かった。

靴箱の前にレイは立っていた。

「よ、遅かったな」

「なんで、レイがここにいるんだ。先に行けば良かったのに」

「ばか言え。お前、死神に目をつけられただろう」

「・・知っていたのか」

そんなもの当然だという顔をしたレイは、

靴を取りながらこんなことを言った。

「私の強敵であるお前が他のやつに負けるなんとあってはならないことこだからな」

それは、レイが俺を倒すってことか。

俺は靴をはいているレイに話しかける。

「俺の仲間が破壊神にやられたんだ。だから、まず、破壊神を倒さないといけないんだ」

靴をはき終えたレイは俺と向き合う。その顔は怒りというよりも呆れを表していた。

「しょうがないな。

リク氏と相談して試合を延長してもらうから、その間に破壊神を倒せ」

「待て、レイ。破境神がとこにいるのか分からないんだ!」

外にかけだしたレイを追いかけるように、俺も外に出る。

「カガンカガンカガンガガン。数を吸わせる。スウーッとってカ」

外には、蚊の顔をした四腕怪人がいた。

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