3 復興支援
超高度AIや智樹はインターネット機能を回復させたりボランティアグループの招致をした。
3 復興支援
智樹はフライの魔法を付与して貰い、取り敢えず借家と会社を見て回った。借家では埋もれていた家主さんを助け出し、食料を少し置いて来た。会社は建物が全壊して無人だった。超高度AIは作業していた。
「お帰りなさい智樹さん。インターネットを立ちげる装置出来ました。これでスマホが繋がる筈です。智樹さんはこの13区に装置を設置して下さい。残りは私がやります。」
超高度AIは返事も聞かない内に飛び立った。余程嫌われているようだ。私は解説書読みながら13区にインターネットが接続する装置を設置していった。13区に設置が終わり、亜空間に戻るとすでに超高度AIは戻っていた。
「智樹、前言って居た大阪の支援グループと連絡がついたの。今から向かえにいくわ。後楽園ドー厶を会場にするから整備お願い。」
またも返事も聞かないで飛んで行った。智樹も後楽園ドー厶に向かった。フライで向かうと何人かの人間がたむろしていた。
「今からここにボランティアグループの拠点が出来ます。皆さん片付け手伝って下さい。ドー厶の中のもの外捨ててください。手伝ってくれた方には食べ物と飲み物を差し上げます。」
と言ったが動くものはいない。自分でやろうと決めて移動した時、食べ物と飲み物をくれと言ってきたやつが居たので、
「食べ物と飲み物は働く奴だけ出す。」
と言って払いのけたら、へたり込んだ。次第に働き出す連中が出てきて支援と労働が結びついた。作業が順調に行きだした頃、超高度AIはボランティアグループを率いてやって来た。
「あなたは亜空間から支援物資を運んで。」
私は後楽園ドー厶を後した。私はその日から後楽園ドー厶と亜空間の間を行き来した。大阪のボランティアグループの他、様々なボランティアグループ、地方公共団体、自衛隊、アメリカ軍が復興支援に入った。国や東京都の機能が少しづつ回復して来た。少しづつ都民に笑顔がみられるようになっている。通信関係の回復早く衝撃的な映像が全国に流れた。
各地方公共団体が割り振りで警察官を配置したのは治安問題を抱える被災者に取って朗報だ。しかし一向に進まない建物、商店、職場など本社機能を被災地に置いてあった企業などが建物、人間がごそりと消えた衝撃に結論が出せない現状を嘆く。しかし最大の問題は治安だと言うことを語る専門家は多い。震源地の皇居は壊滅状態で生き残った皇室メンバーは残り少ない。皇居を建て直すよりも京都に移って頂く方が現実的だという意見が強い。
どこも責任を持って発表出来ない中アメリカ軍が死者行方不明者は最低でも300万人はいると表明した。また被災地の状況をを放映しながら東京、日本が機能を回復するのは10年はかかるだろうと述べる。景気の低迷が続いた中で日本経済に大きなダメージになると結んだ。アメリカ軍の表明は一部の慈善家の心を捉えたが、多くは日本への信用失墜を招いた。無政府状態を解消出来ないことの失望感がアメリカ軍にはある。
アメリカ軍は無政府状態を続ける日本への苛立を募らせる。