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第五話 控えめにやばいステータス


「まさか、この俺に料理が作れるとはな……。」

「いや作れない自信あったのかよ。」


夜の営業を終えて、おやっさんは俺に礼を言いに来た。


なんか親同然に接してきた相手に感謝されるって新鮮だな、と思いつつ、俺は感謝を受け入れた。


「じゃ、俺にスキル《天眼》を模倣させてくれよ!」


「おう、漢に二言はねぇ!俺の《天眼》、上手に使ってくれよ!」


〔了解しました!スキル《天眼》より、技能《解析鑑定》を模倣……えっ!?〕


何やらトラブルが起きたようだ。


「どうした?トラブルか?」


〔いえ、トラブルではないのですが……。〕


ではなんだと言うのだろうか。


〔元々は、《天眼》の解析鑑定を司る技能《解析鑑定》のみを抽出してスキル化するつもりだったのですが…… 〕


「どうなったんだ?」


〔なんと言いますか、スキル《天眼》そのものが模倣できてしまったわけです。〕


「……はぁ?」


えーっと、つまりは?


〔海老でマグロが釣れたってことですね!〕

「いや鯛、鯛だから!おめでたくはないけど!」


「ハルト、自分のスキルと話すにしてももうちょっと静かにしてくれ……。変人にしか見えない。」



----------




「あぁ、ごめんおやっさん。ちょっと予想外のことが起きて…。」


「にしてもいちいち声を出して伝えなきゃいけないのか?このままだと変人まっしぐらだぞ?」


「たしかに。変人はともかく声に出して伝えるのは面倒だな、いろんな意味で。」


変人ってなんだよ、変人って!(涙)


しかし、こうなると俺の変人(笑)化は意地でも避けたい。


どうすれば……


〔あ、マスター!いい技能がありますよ!〕


「どうした、諸悪の根源(アイ)?」


〔なんか今、変な呼ばれ方をされた気が……まぁいいです。技能《武具模倣》を使えば地球でいうところの“インカム”が作れるんじゃないですか?〕


「なるほど。でもそれだとまだ声を出さないといけないぞ?」


〔心配ご無用です!形はインカムのまま、思念伝達式の模倣品というイメージを送ればいいのです!〕


「流石は諸悪の根源(アイ)、頼りになるな。」


〔それほどでも〜♪〕


こいつちょろいな。


それにしても、インカムときたか。


地球の記憶も18年前のものだが、確かその頃は骨伝導イヤホンというものが登場してきた頃だったか。


せっかくだし、メタリックなイメージのお洒落なインカムを作ってやろう。


〔技能《武具模倣》を使用します。イメージ(設計図)を送ってください。〕


本体はステンレスやアルミニウムやらの合金で、錆びないながらも軽いボディ。

形状は耳周りは滑らかに、かつ装飾は大胆にかっこよく!

ヘビメタとかのイメージだけど、そこまでトゲトゲしすぎないくらいに尖らせて、アンテナっぽく。

耳周りの引っ掛かりは程よく、簡単には落ちない形状で。

他の音も聞こえやすいように、耳骨?を伝って音が聞こえるように。

内部の構造はよくわかんないから、思念伝達式ってのでお願いします。


これでどうよ!


イメージ(設計図)の送受信が終了しました。技能《武具模倣》を発動します!〕


さーて、どんなふうにできるのか___

〔完成しました!お手元に生成するので、手を出してください!〕


「いや早っ!?」


なんともうできたらしいので、両手を合わせて水を掬うようにして出す。


〔生成します!〕


ポンッ!

という白い煙とともに現れたのは、俺がイメージしたインカム___が何故か二つ。


「あれ、二つ?」


〔マスター、一個はグレゴリウスさんのですよ!忘れてると思って私が出しときました!〕


確かに、おやっさんのことを考えなかった俺が悪かったのかもしれない。


だが一つ言わせてくれ。


「余計なことするなぁーーッ!!」




----------




「まぁそういうわけで、うちのアホ(アイ)からのプレゼントです。」

「どういうわけだよ!?」

〔そうですよ!?私をアホと呼ぶとは何事ですか!?〕


(アイ)は一旦落ち着きたまえ


とりあえず、これでおやっさんにもアイの声が聞こえるはずだ。


話がこじれる心配も、これでなくなるだろう。


じゃ、早速耳にインカムをセットして……


『あー、テステス。これで聴こえるか?』


〔すごい!ちゃんと聞こえてます!〕


『おぉ、この声がハルトの補佐係の声か!』


〔補佐係なんて失礼ですよ!わたしにはアイって名前があるんですから!〕


『あぁ、すまんすまん。』


とりあえず、これで変人扱いされる心配もなくなった。


『ハルト、お前自分の考えてることまでこっちに流れてきてるぞ?』

「うぉっ、マジか!?」


これはよく調整が必要だな。


さて、後はおっちゃんのスキルだが……


『アイ、《天眼》の使用はもう可能か?』


〔もちろんです!システム構築もやっておいたので、“ステータス”と言えば自分の鑑定結果が閲覧できますよ!〕


『すげぇ嬢ちゃんだな。俺にはさっぱりわからない。』


おっちゃんが新型の家電に戸惑う老人のように見えた。


なんか、スマホとか持たせたら似たような反応をしそうだな。


「ハルト、お前俺のことジジイみたいに思ってないか?」

「えっ!?き、気のせいでは?」


「ほぅ…?まぁいいか」


一瞬生命の危機を感じたぞ!?


流石は元剣聖……は関係ないか。


〔マスター、ステータス見ないんですか?〕


おおっと、話が逸れた。


よし、それでは……


「ステータス!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


個体名:ハルト

種別:人間種/男

HP:324/324

MP:123/129

攻撃:23

防御:21

魔攻:22

魔防:18

俊敏:23

スキル:《模倣》

    技能《スキル模倣》

      《武具模倣》

      《経験スキル化》

      《スキル複製貸与》

    スキルストック:《体術》

           :

           :

           :

           :

           :

           :

   :《天眼》

    技能《解析鑑定》

      《見切り》

      《天剣術》

称号:《凄腕シェフ》

   《限界突破》

   《天剣士》

   《ヒットアンドアウェイ》


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「   」

〔   〕

「こりゃぁやばいな。」


かろうじて反応できたのはおやっさんだけだった。


きっと今までに剣聖として戦った相手には、もっと恐ろしい内容の相手もいたのだろう。


それでも、そんなおやっさんが“やばい”と言ってのけるその異常性が、俺には恐ろしく感じられた。


この後、おやっさんから《天眼》の説明を受けたものの、俺もアイも上の空で全く話が入ってこなかった。


結局この日は解散して、また明日集まろうという話になった。


全く眠れず、翌日目の下に隈がくっきりとあったのは、言うまでもない。



インカムの登場予定ですが、しばらくはありません(笑)

仲間ができ次第、再度登場させる予定です。


追記

昨日のSSの投稿後のPVの上がり幅がエグかったです(笑)

これからも、評価をもらえてタイミングがよければSSを投稿しようと思います!

基本は料理話になると思いますが、キャラのサイドストーリーなど、裏話的なものも投稿していこうと思っています!

今日も13時頃にSSを一話投稿する予定です!

よろしければぜひご覧ください!

これからも、作者とハルトをよろしくお願いします!

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