感謝のSS 王様のロールキャベツ
評価ありがとうございます!
200PV突破にこじつけて、感謝のショートストーリーをゲリラ投稿します!
ロールキャベツが食べたい。
なぜだか無性にロールキャベツが食べたくなった。
というわけで今日の夕飯はロールキャベツです。
〔今グレゴリウスさんが作ってるのもロールキャベツですけど…… 〕
チッチッチッ
甘いね、甘すぎるぞアイ。
俺が食べたいのはキング・オブ・ロールキャベツ!
そう、王様のロールキャベツなのだよ!
〔王様のロールキャベツ!?美味しそう…… 〕
ハハハ、君はそこで指を咥えて見ているがいいさ。指あるのか知らないけど。
〔ぐぬぬ…… 〕
さて、それでは始めよう。
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まずオークの肉、ホーンバッファローの肉をミンチにして、6:4の割合で混ぜ合わせ、肉ダネを作る。
〔どちらもE、F級の魔物なんですがね……。調達してくれたグレゴリウスさんに感謝です!〕
この時、肉ダネを絶対に温めないこと!
脂が滲み出て、おいしくなくなるからね。
さらにこの肉ダネに、バジル、ナツメグなどのハーブを入れていく。
こうすることで、キャベツを裂いた時にハーブの香りが広がるようになる。
〔もう考えただけで美味しそうなんですが……次はどうするんですか?〕
下準備はこれで全部だ。
あとはこの肉ダネを整形して、キャベツと一緒にそれぞれ酒蒸しにする。
〔えっ!?コンソメスープで煮ないんですか?〕
まぁ普通はそうだ。
だが考えてみたまえ。
人々は思うわけだ。
ちゃんと火が通っているのか?と。
そして中に火が通っているか確認し続けて、竹串で刺され蜂の巣のようになったロールキャベツを想像してごらん?
君はズタボロにされたロールキャベツを見て美味しそうと思うかね?ん?
〔すみませんでしたぁっ!私が浅はかでしたぁっ!!〕
うむ、わかればよろしい。
そしてしなっとしたキャベツを肉ダネに巻き、コンソメスープで煮ると……
「よし、ロールキャベツの完成だ!」
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「じゃぁ早速これを…… 」
じぃ〜〜〜っ
何やら厨房の外から視線を感じたため、外に出てみると、親爺さんと衛兵のマックさんその他がじとっ…と恨めしそうにこちらを見つめてきた。
「な、なんですか…?」
「ロールキャベツ… 」
「お前なぁ、まだ客は大勢いるのに特段うまそうな匂いを出すなよ…… 」
「す、すんませんっ?」
いや、別に悪く無いよね?
と思っていると、マックさんが俺の持っていた皿を取ろうとしてきた。
「ロールキャベツ!」
「うおっ、マックさん危ないって!」
「おぉ、マックいいぞ!もっとやれ!」
「俺たちに飯テロを仕掛けたことを後悔させてやれ!」
どうやら俺は知らぬ間に飯テロを仕掛けていたらしく、完全にアウェーな状況だった。
「ロール、キャベツ!」
「うわぁっ!?」
一瞬気を逸らしたため、マックさんの蹴りが俺の右手首に直撃。
その結果何が起こったかといえば……
べちゃっ……
「「「「「あぁぁぁぁぁ!?!?」」」」」
「ロールキャベツ!?!?!?」
ロールキャベツは、食べられる前に無惨な死を遂げた。
「……マックさん、何か弁明は?」
「ロールキャベツ!」
「許さんっ!!!」
食べ物の恨みは飯テロより恐ろしいのである。
結局、ロールキャベツは後日同じものを作りましたとさ……