第十六話 王都っていいな
連載休んですみませんでした。
ところでみなさん。
ケモ耳って、いいですよね?(圧)
「着いたぞ、王都ー! 」
「騒がしいぞ、バカタレ。」
乗り合い馬車の旅を二週間過ごし、俺たちは王都に到着した。
「うっひょー! 食べ物、宝石、骨董品! なんでもあるんじゃないか!? 」
「それはそうさ。なんてったって、国中の特産品が揃うんだからな! 」
キャスター王国の王都 “キャスタル” 。
王のお膝元として栄えたこの都市には、国中から集められた物産品が売られている。
「あっ、チーズじゃん! 老師、買っていいか!? 」
「ちょっとは落ち着け!? いいか、私達は暗殺者から逃げるためにここに来たんだからな!? 」
「チーズ一つ! 」
「毎度! 」
「って話を聞かんか、バカもん!! 」
ガンッ!!
「痛って!? 何するんだよ!? 」
「お前が話を聞かないからだ。いくら変装しているからといって、見破られないとは限らないからな? 」
「流石に大丈夫だろ。この姿じゃ、種族まで違うんだから。」
そう言って、俺は自分の尻尾を眺めた。
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時間は、王都に入る前に遡る。
「ハルト、ところで王都に着いたらどうする? 」
「そうだな…… 冒険者ギルドに登録しようかな? 」
冒険者ギルド。
雑用から魔物討伐までなんでもこなす、いわゆる何でも屋だ。
その支部は大陸中の至る所に存在し、冒険者の数は今や大国の人口にすら匹敵するとか。
「そうか…… それはちょっとまずいかもな。」
「え? 何か問題あるのか? 」
「そりゃあ登録するにしても、いろいろ情報を抜き取られるだろうよ。スキル然り、名前然り、なんならステータスすらもな。」
「…… マジか。」
まずいな…… そこまで考えてなかった。
俺のスキルは、はっきり言って異常だ。
他人の技能を一目見ただけでコピーできて、おまけに了承があればスキルそのもののコピーもできる。
こんなスキルを、ギルドが見逃すはずがない。
「そこら辺については大丈夫ですよ? 」
その鈴のような声とともに、銀髪の少女が姿を現した。
「アイ、どういうことだ? 」
「私のこの姿を作っている《根源模倣》で、マスターのステータスを偽装できます! 」
「なっ!? それは本当かな? 」
「マックさん、本当ですよ。その上、容姿も変えることができます! 」
「なるほどな…… 。」
確かにそれなら登録については問題ないだろう。
だが……
「ギルドへの虚偽報告って犯罪にならなかったか? 」
このステータス偽装も、バレた瞬間が一番まずいのである。
さらに、冒険者登録の時には魔力の波長も調べられる。
魔力の波長はそれぞれ異なり、一致することはない。
つまり、その時と別の姿で登録しようものなら、一瞬で偽装がバレる。
偽装をしたまま生きることを強いられることになるのだ。
「…… そうだな、私も一肌脱ぐか。」
「え? セクハラ? 」
「流石にそれは違うぞ!? 」
老師によると、王都の冒険者ギルドのギルドマスターは、剣聖時代の弟子だった人物らしい。
その人物に事情を説明し、俺の登録をするそうだ。
「マジか。老師ってエリートだったんだ。」
「いや、私だって元剣聖だからな!? 」
老師がお偉いさんであると再認識したところで……
「どう偽装するよ。」
ステータスや容姿など、偽装用のプロフィール作りをしなければならない。
設定が薄ければ、見破られやすくもなるからな。
「私のおすすめとしては、容姿は獣人がいいとおもう。」
「獣人? 狼とか熊とかの? 」
獣人とは、獣の特徴を身に宿した種族のことだ。
この国はそこまでだが、国によっては差別や迫害などの激しい地域もあるらしい。
「あぁ。獣人ならば多少やらかしても、身体能力の高さで誤魔化しが効く。《天剣術》も魔法ではないから、言い訳は効くだろうよ。」
「なるほど、さすがはマックさんです! では、狼獣人をベースにステータスと用紙を偽装していきますね! 」
「え、ちょっと。俺まだ何も言ってな___ 」
俺の言葉が二人に届くことはなく、俺の意識は暗転した。
次に目覚めた時に、俺に黒いモフモフの耳と尻尾が生えていたことは、言うまでもない。
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「マスター、もふもふですねぇ。」
「ひょあっ!? アイ、いきなり尻尾を触るな!? 」
「ひょあって…… ぷぷぷ、変な叫び声ですねぇ? 」
「やかましいやい。てか何で感覚まで再現したの!? 」
「もふもふしていないショタなんてショタじゃないんですよ、ショタじゃ!! 」
「もう嫌だ、この身体…… 」
そう、俺の身体は今、ショタ体型に近しいものなのである。
これが今の俺のステータス。
ステータス
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
個体名:ハヤテ
種別:獣人種 狼/男
HP:823(1528)/823(1528)
MP:364(826)/364(826)
攻撃:384(524)
防御:256(648)
魔攻:152(423)
魔防:186(398)
俊敏:396(485)
スキル:《天剣士》
技能《天剣術》
《解析鑑定》
《アイテムボックス》
称号:《天剣士》
《料理上手》
〜以下隠蔽中〜
《模倣》
技能《スキル模倣》
《武具模倣》
《経験スキル化》
《超速宮廷料理術》
《ストレージ》
《スキル複製貸与》
スキルストック:《体術》
:《アイテムボックス》
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:《天眼》
技能《解析鑑定》
《見切り》
《天剣術》
称号:《凄腕シェフ》
《限界突破》
《天剣士》
《ヒットアンドアウェイ》
《剣聖見習い》
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「一般的な狼獣人のステータスより少し高いくらいにしときましたよ? 」
とアイは言った。
だが、そんなことは関係ない。
問題はその後である。
「あと、少し幼さの残るくらいな容姿にしましたけど大丈夫ですよね? 」
大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない。
詳しく聞いたところ、姿は13〜14歳ほどの背丈で、頑張れば冒険者登録もいけるとのこと。
尚、冒険者として登録できるのは15歳からである。
「却下。」
俺は年齢の底上げを要求した。
だが……
「おっさんにしますよ?」
俺の要求は叶うことはなかったのだった。解せぬ。
「えへへ〜マスターもふもふ〜 」
「やめろ鬱陶しい。」
「そんなこと言わずに、ほらもふもふ〜 」
そもそもの原因は、コイツがショタコンだったことにもあるのだが、背に腹はかえられない。
渋々だが、俺はこの身体と付き合っていくことにしたのだった。
「ほら、もうすぐギルドですよ〜 」
「だから離せって!俺は子供か!? 」
「紛うことなきショタです! 」
「やかましい! 俺はショタじゃない! 」
こうして、俺は誠に遺憾ながらも、冒険者ギルドに乗り込んでいくのであった。
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